vivo X500 Pro/Pro Maxが欧州登場 2nmチップとZEISS望遠、4K・240fps動画に対応
2026年10月29日 21:25
vivoは2026年10月27日、フラッグシップスマートフォン「X500 Pro」と「X500 Pro Max」を欧州で披露した。両機種は2nmプロセスのMediaTek製チップとZEISSとの共同開発カメラを搭載し、望遠撮影と高フレームレート動画を強化する。
欧州向け公式ストアでは同日から予約を受け付け、11月5日を一般販売開始日として案内している。価格、バッテリー容量、カラー、購入特典は販売国によって異なるため、購入時には各国向けの仕様を確認したい。
■欧州価格と予約販売の条件
ドイツ向けにvivoが公表した価格は、12GBメモリー/256GBストレージのX500 Proが1399ユーロ(約24万6000円)、同構成のX500 Pro Maxが1599ユーロ(約28万1000円)からとなる。いずれも2026年10月の発売時点の価格だ。
スペインの経済紙Cinco Díasは、同国向けの発売時価格として、X500 Proの256GBモデルを1299ユーロ(約22万9000円)、512GBモデルを1449ユーロ(約25万5000円)と報じている。Pro Maxは256GBが1499ユーロ(約26万4000円)、512GBが1599ユーロ(約28万1000円)、1TBが1899ユーロ(約33万4000円)で、1TB端末に200mm・400mm相当の撮影アクセサリーなどを組み合わせたバンドルは2199ユーロ(約38万7000円)としている。
欧州向け公式ストアの登録キャンペーンでは、対象端末の予約購入期間に使える120ユーロ(約2万1100円)のクーポンを案内している。その後の期間は80ユーロ(約1万4100円)となり、有効期限は2026年11月30日だ。公式サイトでの対象端末購入に適用され、在庫や地域などの条件がある。
ドイツ向け発表では、10月27日から11月30日まで、Pro Max購入者に撮影用グリップ、Pro購入者に「vivo Headphones Studio」を進呈する。端末と同時購入する対象アクセサリーなどの50%割引も設け、公式ストア購入には通常2年に1年を加えた保証、5年間のバッテリー保証、1年間のディスプレイ保険などを用意する。
■ノキアとの特許紛争を経た市場展開
vivoは2023年、ノキアとの特許紛争を背景にドイツでの販売を停止した。ドイツの技術メディアheiseによると、マンハイム地方裁判所は同年、vivo製端末による特許「EP2981103」の侵害を認定した。
ノキアとvivoは2024年2月5日、複数年の特許クロスライセンス契約を発表した。ノキアによると、vivoがロイヤルティーと紛争期間に対応する支払いを行い、両社間で係争中だった全ての特許訴訟を解決する契約で、詳細な条件は非公開だ。
ノキアは契約発表時、5G標準に必須であると宣言した特許ファミリーを6000超保有すると説明していた。標準必須特許は、通信規格を実装する端末メーカーにとって重要なライセンス交渉の対象となる。
heiseは2025年2月、X200やX100 Proなどのvivo製端末がAmazonを通じてドイツで再び販売されていると報じた。今回のX500 Proシリーズは、その後の欧州向け製品拡充に当たる。中国ではX500 Proの12GB/256GBモデルが6499元(約15万3000円)で発売されており、各市場の販売価格や提供条件は個別に設定されている。
■2nmのDimensity 9600 Proを採用
両機種は、TSMCのN2Pプロセスで製造する「Dimensity 9600 Pro」を搭載する。vivoは2026年9月の中国発表で同チップの初採用をうたっており、中国での販売はPro Maxが9月24日、Proが9月29日に始まった。
CPUは高性能コアを組み合わせた2+3+3構成だ。最大4.55GHzのArm C2-Ultraを2基、最大4.35GHzのC2-Proを3基、最大3.1GHzのC2-Proを3基搭載し、C2-Ultraには各2MBのL2キャッシュを備える。
MediaTekの製品説明では、前世代のフラッグシップと比べてシングルコア性能が17%、マルチコア性能が15%向上し、マルチコアの電力効率は61%改善したとしている。GPUのArm Mali-G2 Ultra NXについても、ピーク性能27%向上、ピーク性能時の電力効率24%改善を掲げる。これらは同社の試験に基づく数値だ。
NPU 1090は、MediaTekによると最大300億パラメーターのAIモデルを端末上で扱える。チップはLPDDR6とUFS 5.0にも対応し、同社はLPDDR6について同じ動作周波数で実効帯域幅が33%増えると説明する。一方、スペイン向けPro Maxの製品仕様に記載されている実装はLPDDR5X UltraとUFS 4.1だ。
ソフトウェアはAndroid 17ベースのOriginOS 7を採用する。Origin Workbenchによる複数ウィンドウの操作や、対応アプリ間でのドラッグ&ドロップなどを用意する。専門メディアGSMArenaは10月27日付でPro Maxのベンチマークを含むレビューを公開しており、端末としての性能を評価する材料も出始めている。
■ZEISS APOと光学・ソフトウェアの役割
vivoとドイツの光学企業ZEISSは2020年に協業を始め、X60シリーズから共同開発の成果を製品化してきた。2025年8月には契約の更新と協業範囲の拡大を発表し、スマートフォン以外の撮影用途も探る方針を示した。ZEISSの発表では、共同開発技術を届けた利用者は世界で2200万人を超えたという。
両社は共同のvivo ZEISS Imaging Labを通じ、撮影用のハードウェアとソフトウェアを開発している。X500 Proシリーズでは、望遠カメラの色収差制御や反射防止コーティング、撮影時の色や描写の調整に協業を生かす。
APOは「アポクロマート」を指す。一般に3つの波長で色収差を補正する光学設計で、波長による焦点位置の違いから生じる輪郭の色にじみを抑える。vivoは両機種の望遠カメラについて、ZEISSのAPO基準に適合すると説明している。
ZEISS T*コーティングは、レンズ表面での反射を抑えるために使われる。ソフトウェア側にも描写を選ぶ機能があり、写真専門誌fotoMAGAZINによると、カメラアプリはBiotar、Sonnar、PlanarなどのZEISSレンズをイメージした背景のぼけを再現できる。
■小型のProと2億画素望遠のPro Max
X500 Proは6.36インチ、2750×1260画素のAMOLEDディスプレイを備える。Pro Maxは6.85インチ、3168×1440画素の大型AMOLEDで、可変リフレッシュレートは最大144Hz。両機種とも「ZEISS Master Color Display」を採用し、BOEのQ11発光材料を使用する。
メインカメラは両機種とも5000万画素、1/1.28型、F1.57のZEISS TrueDynamicカメラだ。ソニーのLYTIA L910を採用し、超広角カメラも5000万画素となる。LYTIA L910は、明るい部分で生じる余剰電荷を蓄える横型オーバーフロー蓄積容量、LOFICを備える。
望遠カメラは両機種とも35mm判換算85mm相当だ。Proはvivoとソニーが共同開発した6400万画素のLYTIA 610を採用する。Pro Maxは1/1.4型のSamsung HP0を使う2億画素カメラを搭載し、高画素の望遠画像を記録する構成となる。
光学式手ブレ補正の補正角度は、Proのメインカメラが1.5度、Pro Maxが3度とされる。vivoは両機種のメイン・望遠カメラについて、CIPA規格に基づく7段相当の補正効果を掲げる。角度は補正できる動きの範囲、段数は所定の試験条件で得られる手ブレ補正効果を表す。
Pro Maxは「vivo ZEISS Telephoto Extender Gen 2 Ultra」を装着することで、光学系の焦点距離を35mm判換算400mm相当へ拡張できる。両機種は200mm相当のGen 2にも対応する。いずれも別売の光学アクセサリーで、装着後にカメラアプリの対応機能を有効にして使用する。
■4K・240fpsとLog動画を強化
両機種は4K・240fpsのネイティブ動画記録に対応する。高いフレームレートで記録することで、動きの速い被写体をスローモーションで見せる編集に利用できる。4K・120fpsの被写体追尾や、自動で画角を調整する動画機能も用意する。
vivoは最大17EVのダイナミックレンジを訴求し、Cinematic Pro Log Videoで明部から暗部までの階調を記録する。17EVの利用条件は撮影モードや色のスタイルによって異なり、欧州向け発表では動画の「Golden」「Vivid」を適用する場合などを案内している。
中国向け発表では、10bit・4:2:2のAPV符号化と、ACES(Academy Color Encoding System)に対応する制作工程も紹介した。ACESは撮影機器や編集工程の間で色を扱うための仕組みで、Log素材のカラーグレーディングに活用する。
Pro Maxの中国向け製品説明には、動きのある写真を記録する「8KネイティブLive」も掲載されている。同社はこの機能をOTA更新で提供し、1~10倍の撮影範囲に対応すると案内する。通常の動画撮影とは別に、短い動きを含む写真表現を楽しむ機能だ。
■バッテリーとカラーは地域別に確認
Pro Maxのバッテリー容量は、中国版が8000mAh、一部の国際版が7800mAh、欧州向けが6750mAhとなる。スペイン向け仕様では、6750mAhは標準容量で、定格容量は6570mAhと記載されている。
Proは中国版や欧州向け発表で6510mAhを掲げる一方、オーストリアの公式製品ページは5300mAhと案内する。両機種とも最大90Wの有線充電と40Wのワイヤレス充電に対応し、実際の充電電力は使用条件などに応じて変化する。
Pro MaxのディスプレイはLTPO方式で、GSMArenaによるとHDR10+とDolby Visionに対応する。欧州向けカラーは、ProがSunny WhiteとMoonlit Black、Pro MaxがStarry GrayとMoonlit Blackだ。
比較対象として挙げる2025年発売のGalaxy S25 Ultraは、2億画素の広角カメラと5000万画素の光学5倍望遠を搭載し、バッテリーは5000mAhとなる。同年発売のiPhone 17 Pro Maxは4800万画素・100mm相当の4倍望遠を備え、8倍の光学品質ズームに対応する。MacRumorsによると、バッテリー容量は物理SIM対応版が4823mAh、eSIM専用版が5088mAhだ。
X500 Proシリーズでは、内蔵の望遠カメラと外付け光学系を組み合わせる撮影方法が選択肢になる。持ち歩きやすさを重視するなら6.36インチのPro、望遠の画素数や400mm相当への拡張を重視するならPro Maxという違いがある。駆動時間を比較する際は、販売地域のバッテリー仕様と、写真・動画撮影を含む使用条件を併せて確認したい。
■データの取り扱いと中国法
vivoは中国・東莞に拠点を置く。欧州向けデータポリシーでは、中国のvivo Mobile Communicationをデータ処理に責任を持つ組織として示し、欧州経済領域の代表者としてスペインのvivo Mobile Communication Iberiaを記載している。
同ポリシーによると、使用する機能やサービスに応じ、端末・アプリの情報、利用状況、位置情報、ログなどが生成される。写真、録音、顔・指紋の特徴情報などは、通常は端末内で処理すると説明している。クラウド機能や遠隔サービスを有効にした場合には、サーバーにもデータが保存される。
中国の国家情報法第7条は、組織と公民に対し、法に従って国家情報活動を支持・援助し、協力する義務を定める。データ安全法第35条も、国家安全の維持や犯罪捜査のためのデータ取得について、所定の厳格な承認手続きを経て法に従って行い、関係する組織・個人が協力すると規定している。
サイバーセキュリティ法には、重要情報インフラの運営者が中国国内で収集・生成した個人情報や重要データの国内保存、国外提供時の安全評価などの規定がある。vivoの欧州向けポリシーも、適用法や司法・政府当局からの適法な要求に基づくデータ開示を定めている。
利用者は、位置情報やアプリの権限、クラウド同期、利用状況の共有設定を確認し、必要な機能に応じて設定を選べる。購入時には、販売国向けのデータポリシーと、利用するクラウド・アプリそれぞれの条件を確認することが実用的な手順となる。
■アジア展開と購入時の確認事項
欧州向けの発表ラインアップはProとPro Maxの2機種だ。標準モデルのX500はアジア向けにも展開しており、マレーシアの専門メディアLowyat.NETは10月27日、同国で3機種の予約受け付けが始まったと報じた。
発売前には認証情報も公開された。The Tech OutlookはマレーシアのSIRIMに3機種が登録されたと報じ、Gadgets 360はタイのNBTCでProとPro Maxの認証を確認している。Android Authorityは、vivoが示した展開予定国にインド、タイ、マレーシアなどが含まれると報じた。
ドイツではvivo公式ストアとAmazonの公式ストアが販売窓口となる。日本から購入を検討する場合も、販売国・型番ごとの仕様、保証の対象地域、修理窓口を確認したい。カメラ用アクセサリーや購入特典の内容まで含めて、各市場の販売条件を比較する必要がある。
元記事: Vivo X500 Pro and Pro Max Launch in Europe: 2nm Chip, ZEISS APO Cameras, Data Law Warning