ディスコが中間配当186円に増額―東京精密と収益力・投資額を比較

2026年10月25日 13:30

 ディスコは10月22日、2027年3月期の中間配当を1株186円に増額した。半導体ウエハーの切断・研削装置で競合する東京精密と、収益力や最低投資額、株主還元を検証する。

 10月23日の終値は、ディスコが4万9,290円、東京精密が1万5,520円だった。100株の購入に必要な資金は、それぞれ約493万円、約155万円となる。東京証券取引所が望ましいとする投資単位の上限50万円を、両社とも大きく上回っている。

 ディスコの2027年3月期中間期(2026年4-9月)は、売上高が前年同期比32.1%増の2,571億円、営業利益が同47.9%増の1,166億円、最終利益が同43.7%増の804億円だった。売上高営業利益率は45.4%に達し、高い収益力を示した。

 生成AI向け半導体やHBMでは、ウエハーを薄く削り、チップごとに切り分ける精密加工の重要性が高まる。ディスコはダイシングソーやグラインダに加え、加工に使う砥石などの消耗品も手掛けており、装置の稼働後も需要が発生する点が強みだ。

 同社は10月22日、中間配当を従来予想の171円から186円へ引き上げた。前年同期の129円からは57円増える。一方、期末配当と2027年3月期の通期業績予想は未定としている。同社は需要予測の難しさから、業績予想を原則として1四半期先まで開示しており、需要変動を慎重に見極める姿勢も投資判断の材料となる。

 東京精密も、半導体ウエハーの切断・研削装置を手掛ける。さらに、ウエハー上の半導体の電気特性を検査するプロービングマシンや、自動車・航空機部品などに使われる精密測定機器も展開している。

 2027年3月期第1四半期(2026年4-6月)は、売上高が前年同期比18.9%増の367億円、営業利益が同29.2%増の59億円だった。売上高営業利益率は16.1%となった。同社は8月4日、通期の売上高予想を1,815億円から1,890億円、営業利益予想を400億円から440億円へ引き上げた。

 年間配当予想も8月4日、従来の276円から304円へ28円増額した。中間配当152円、期末配当152円の会社予想で、前期実績の年間262円を42円上回る。10月23日の株価を基準にした予想配当利回りは約2.0%となる。

 ディスコは精密加工装置と消耗品に集中し、高い利益率を持つ。東京精密は加工装置に加えて検査装置と精密測定機器を展開し、最低投資額がディスコより約338万円低い。両社ともAI半導体需要の恩恵が期待される一方、設備投資の減速や中国市場、為替の変動には注意が必要だ。

 ディスコは中間期の利益成長と配当増額、東京精密は最低投資額の低さと通期増益・増配予想が特徴となる。投資先を選ぶ際は、買いやすさだけでなく、収益性、事業構成、半導体需要の持続性を確認したい。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)

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