SpaceX、Starship第15回飛行で上下段のタワー回収へ 11月を目標
2026年10月24日 00:00
SpaceXは、大型ロケット「Starship」の第15回飛行試験(Flight 15)で、上段「Ship」と第1段ブースター「Super Heavy」の両方を発射塔で回収する計画だ。イーロン・マスクCEOは米国時間2026年10月20日の四半期決算説明会で、11月の実施を目標に掲げた。
両段のタワー回収に成功すれば、Starshipの完全再使用に向けた大きな節目となる。回収した機体の再飛行、さらに短期間で繰り返し運用する体制の確立へとつなげる考えだ。
■Flight 15で初の上段タワー回収へ
Starshipは、Super Heavyと宇宙船を兼ねる上段からなる、世界最大のロケットだ。Flight 15では、テキサス州の開発・打ち上げ拠点Starbaseで、発射塔「Mechazilla」の機械式アームを使って両段を受け止めることを目指す。
飛行情報サイトNext Spaceflightによると、使用予定の機体はBooster 22とShip 42だ。大型化した第3世代設計「V3」による4回目の飛行となり、Starbaseの第2発射台からの打ち上げが見込まれている。
NASASpaceflightが伝えた地上試験では、9月11~12日にShip 42を第2発射台のタワーアームで持ち上げ、回収後のように機体を支える作業が行われた。アームで保持した状態で、機体と地上設備をつなぐ接続アームの取り付けも試している。
Teslaratiによると、SpaceXは10月20日の説明会で上段回収のアニメーションも公開した。上段が水平姿勢で大気中を降下し、終盤に垂直姿勢へ移ってタワーへ接近した後、機体側面の回収用構造をアームで支える流れを描いている。
■回収から再飛行へつなぐ試験
SpaceXは2024年10月13日の第5回飛行で、Super Heavyのタワー回収に初めて成功した。その後、第7回、第8回飛行でも回収を達成している。上段はこれまで海上への着水を目標としており、Flight 15が初のタワー回収の試みとなる。
直前のFlight 14は2026年9月28日に実施された。SpaceXの発表によると、Starshipは初めて地球周回軌道に到達し、Starlink V3衛星26基を放出した。Super Heavyはメキシコ湾へ着水し、上段は北太平洋へ帰還した。
Flight 14では上昇中にエンジンの早期停止が起きたため、SpaceXは軌道上の滞在時間を短縮して上段を帰還させた。同社はこの飛行で得たデータを踏まえ、次の試験で上下段のタワー回収を目指す。
マスク氏は9月のAll-In Summitで、Flight 14が順調ならFlight 15で上段回収を試みると述べ、初回の成功確率を「少なくとも50%か60%」と見積もっていた。10月20日の説明会でも、成功する可能性の方が高いとの見方を示し、年末にかけて試験飛行を続ける方針を述べた。
■11月の打ち上げと、その先の高頻度運用
Teslaratiによると、マスク氏は10月10日にGiga Texasで開かれたX Takeoverで、約2000人の参加者を前に、次の飛行は約4~6週間後になるとの見通しを示した。感謝祭より少し前の打ち上げを予想しており、10月20日の説明会でも11月を目標とした。10月22日時点で具体的な打ち上げ日は公表されていない。
以前の暫定的な航空交通調整用の計画資料には、最短で10月19日以降という日程が示されていた。マスク氏はX Takeoverで、飛行ごとに機体の改良を進めており、今回もタンク内部での作業を伴う変更があると説明した。
同イベントでは、上下段の回収に続き、Flight 16で両段を再飛行させたいとの意向も示した。その後、Ars Technicaが報じた10月20日の説明会で、グウィン・ショットウェル社長兼COOは上段の再飛行を2027年初めに目指すと説明した。回収、点検、再飛行までの工程が、今後の打ち上げ頻度を左右する。
高頻度運用への期待も示されている。イタリアの通信社Italpressによると、NASA長官のジャレッド・アイザックマン氏はFox Newsで、2027年に向けてほぼ毎週の打ち上げが見られるようになるとの予想を述べた。マスク氏も9月29日、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOらと参加した米政府サイトAmerica.govの公開イベントで、2027年に週1~2回の飛行を見込むと語った。
FAAは2025年5月、Starbaseからの打ち上げを年間最大25回とする許可変更を承認した。2026年10月には、段階的に年間100回、さらに456回へ増やすSpaceXの提案について環境影響評価の手続きを開始している。SpaceXはフロリダ州のケネディ宇宙センターLC-39AでもStarship用の発射設備を整備しており、機体の再使用と複数拠点の整備を並行して進めている。
元記事: SpaceX Starship Flight 15 Plans to Catch Ship, Super Heavy