マルマエ、半導体需要拡大を追い風に業績好調、精密部品・機能材料の両事業が成長牽引

2026年10月19日 07:53

 マルマエ<6264>(東証プライム)は、精密部品事業(マルマエ)として半導体・FPD製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、機能材料事業(25年4月に子会社化したKMAC)として半導体スパッタリングターゲット用超高純度アルミニウム製品などを展開している。26年8月期は大幅増収増益で期末配当を上方修正した。精密部品事業(マルマエ)の半導体分野が大幅に伸長したほか、KMACの通期連結も寄与した。そして27年8月期も大幅増収増益・増配予想としている。グループ全体として半導体分野の受注が過去最高となる見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価(26年4月1日で株式2分割)は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■半導体関連の精密部品事業と機能材料事業を展開

 精密部品事業(マルマエ)として半導体・FPD製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、および機能材料事業(KMAC)として半導体スパッタリングターゲット用超高純度アルミニウム製品などを展開している。

 なおKMACの株式取得にあたって25年4月に設立したSPC(特別目的会社)のKMXを、26年1月1日付で吸収合併した。26年9月には、アルバックテクノが表面処理事業の一部として同社出水事業所(本社)内で行っているアルミ表面処理事業を譲り受けた。

 また作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月に第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。

 26年8月期は、精密部品事業(マルマエ)の売上高が91億18百万円で営業利益(全社費用等調整前)が22億87百万円、機能材料事業(KMAC)の売上高が113億16百万円で営業利益がのれん償却額1億91百万円および顧客関連資産償却額1億96百万円控除後で18億48百万円だった。分野別の売上高は、精密部品事業の半導体分野が75億51百万円、FPD分野が11億27百万円、その他分野が4億64百万円、機能材料事業のIT器材(半導体・FPD製造用ターゲット材向け消耗材、CVD工程向け消耗品材料、アルマイト処理など)が35億89百万円、半導体装置部材(半導体エッチング装置用の真空チャンバーなど)が23億80百万円、基礎素材(電解コンデンサ用・HDD用の高純度アルミなど)が53億56百万円だった。

■消耗品受注拡大による安定成長を推進

 25年7月に策定した中期事業計画「Fusion2028」では、グループ経営方針に「素材と加工の技術力で社会に貢献する」を掲げ、グループ中期経営戦略は新素材・新技術の創出による顧客ニーズ取り込み、消耗品受注拡大による安定成長とした。

 最終年度28年8月期の目標数値については、半導体関連の市場環境が想定以上に急拡大しているため、26年8月21日付で上方修正して売上高320億円、営業利益82億円、連結ROIC25%(従来の目標値は売上高250億円、営業利益56億円、ROIC15%)としている。

 28年8月期セグメント別目標(修正後)は、精密部品事業の売上高が145億円(半導体分野が125億円、FPD分野が15億円、その他分野が5億円)で営業利益が47億円(営業利益率32%)、機能材料事業の売上高が175億円(IT器材分野が40億円、半導体装置部材分野が65億円、基礎素材分野が70億円)で営業利益が39億円(営業利益率20%)としている。従来目標に対して精密部品事業の売上高を25億円、機能材料事業の売上高を45億円、それぞれ上方修正した。

 株主還元の方針は据え置いて、年間30円を最低配当額(通期最終損益赤字時は再検討)として、配当性向35%以上を目標とする。

 また中長期的な取り組みとしてサステナビリティ戦略を推進する。太陽光・蓄電池導入などによりサプライチェーン全体でのGHG削減に取り組むほか、人材・ガバナンス面ではエンジニア育成、全社的リスク管理強化などを推進する。

 25年2月には、国際的な環境非営利団体CDPによる2024年度の気候変動に関する調査において、中小企業向け評価(SME)で最高スコアとなる「B」スコア(マネジメントレベル)を取得した。22年度には「D」スコア(情報開示レベル)、そして23年度には「C」スコア(認識レベル)を取得しており、着実なスコアの向上を実現している。26年3月には、みずほ銀行と「Mizuho Eco Finance」契約を締結した。26年6月には、日興リサーチセンターが実施する「統合報告書評価」において、非財務部門の「優秀賞」に選出された。

■27年8月期も大幅増収増益・増配予想

 26年8月期の連結業績(KMACを通期連結、26年2月20日付で上方修正、26年6月11日付で2回目の上方修正)は売上高が前期比79.2%増の204億34百万円、営業利益が99.8%増の41億30百万円、経常利益が105.5%増の39億04百万円、親会社株主帰属当期純利益が157.6%増の34億64百万円だった。

 精密部品事業(マルマエ)の半導体分野が大幅に伸長したほか、25年4月より新規連結した機能材料事業(KMAC)の通期連結も寄与した。なお特別利益には補助金収入(サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金)10億13百万円を計上した。

 精密部品事業(マルマエ)は売上高が18.3%増の91億18百万円、営業利益(全社費用等調整前)が25.4%増の22億87百万円だった。分野別の売上高は半導体分野が23.1%増の75億51百万円、FPD分野が12.4%減の11億27百万円、その他分野が62.3%増の4億64百万円だった。半導体分野は半導体工場の高稼働と製造装置市場の回復に伴って好調に推移した。半導体分野の四半期別売上高は第1四半期が15億11百万円、第2四半期が18億02百万円、第3四半期が19億30百万円、第4四半期が過去最高の23億07百万円だった。FPD分野は減収だが、四半期別には第1四半期が2億04百万円、第2四半期が2億32百万円、第3四半期が3億67百万円、第4四半期が3億22百万円と回復傾向である。

 機能材料事業(KMAC)は売上高が113億16百万円、営業利益がのれん償却額1億91百万円および顧客関連資産償却額1億96百万円控除後で18億48百万円(前期は25年4月~8月の5カ月分を連結、売上高36億94百万円、営業利益3億49百万円)だった。分野別の売上高はIT器材(半導体・FPD製造用ターゲット材向け消耗材、CVD工程向け消耗品材料、アルマイト処理など)が35億89百万円、半導体装置部材(半導体エッチング装置用の真空チャンバーなど)が23億80百万円、基礎素材(電解コンデンサ用・HDD用の高純度アルミなど)が53億56百万円だった。売上面では、IT器材は超高純度ターゲット材が横ばいだが、CVD向け消耗材の増加が加速した。半導体装置部材は市場拡大に伴って真空チャンバーが急拡大した。基礎素材は電解コンデンサ用・HDD用素材が好調だった。損益面では基礎素材においてアルミ相場上昇効果が剥落したが、半導体装置部材の損益が改善した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が42億44百万円で営業利益が7億01百万円、第2四半期は売上高が44億66百万円で営業利益が8億67百万円、第3四半期は売上高が53億12百万円で営業利益が10億76百万円、第4四半期は売上高が64億12百万円で営業利益が14億86百万円だった。

 27年8月期の連結業績予想は、売上高が前期比37.0%増の280億円、営業利益が57.4%増の65億円、経常利益が61.4%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が21.2%増の42億円としている。半導体製造装置関連の受注拡大が牽引して大幅増収増益予想である。

 セグメント別の計画は、精密部品事業(マルマエ)の売上高が前期比42.6%増の130億円で営業利益が70.5%増の39億円、機能材料事業(KMAC)の売上高が32.6%増の150億円で営業利益が40.7%増の26億円としている。売上高の内訳は精密部品事業の半導体分野が48.1%増の111億80百万円、FPD分野が17.7%増の13億30百万円、その他分野が11.4%増の4億90百万円、機能材料事業のIT器材が7.0%減の33億40百万円、半導体装置部材が131.5%増の55億10百万円、基礎素材が15.0%増の61億50百万円である。

 精密部品事業の半導体分野は顧客からの増産要請に対応すべく能力増強投資に注力する。FPD分野はOLED関連が好調に推移する見込みだ。機能材料事業のIT器材はターゲット素材の下期減少を見込むが、低利益率案件の選別を進める。半導体装置部材は顧客からの増産要請に対応すべく能力増強投資に注力する。基礎素材は下期に小口素材の減少を見込むが、HDD向けとコンデンサ向けの需要が高水準に推移する。

 グループ全体として半導体分野の受注が過去最高となる見込みであり、設備投資計画を増額して増産対応を推進する。なお顧客からの増産要請が強いが、生産能力増強ベースが追いつくか不透明なため、今回の計画には顧客要求を完全には織り込めていないとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお26年8月期の配当については26年10月9日付で期末2円上方修正した。26年4月1日付の株式2分割換算後で比較すると、26年8月期は年間47円(第2四半期末19円、期末28円)で、前期の年間20円(第2四半期末7円50銭、期末12円50銭)に対して27円増配となる。配当性向は35.5%である。27年8月期の配当予想は前期比5円増配の年間52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。連続増配で予想配当性向は35.1%となる。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6カ月以上継続保有株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)については、26年4月1日付の株式2分割に伴って変更し、毎年8月31日現在で6カ月以上継続して2単元(200株)以上の保有株主を対象として、QUOカード2000円分を贈呈する。26年8月期末より適用した。

■株価は調整一巡

 株価(26年4月1日で株式2分割)は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。10月16日の終値は2007円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS148円06銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS594円77銭で算出)は約3.4倍、そして時価総額は約570億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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