米CEOの景況感が急悪化、6カ月先「悪化」41% 投資計画はなお維持
2026年10月17日 13:12
米大企業の経営トップの景況感が悪化している。米民間調査機関コンファレンス・ボードが15日発表した2026年第4四半期の「CEO信頼感指数」は46と、前四半期の52から6ポイント低下した。50を下回ると、経済状況を肯定的にみる回答より否定的な回答が多いことを示す。
調査はビジネス・カウンシルと共同で、9月21日から10月5日に131人の最高経営責任者(CEO)を対象に実施した。CEOの現在の経済・業界環境に対する評価のほか、今後6カ月の米経済や自社業界への見通しを調べている。
■6カ月先の景気「悪化」が41%
今後6カ月で経済状況が悪化すると予想したCEOは41%に達し、前四半期の19%から大幅に増えた。一方、改善を見込む回答は25%から13%に低下した。
現在の経済状況についても、6カ月前より「悪化した」と答えたCEOは37%と、前四半期の26%から増えた。「改善した」との回答は23%から19%に低下した。
コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は、第4四半期のCEO信頼感が2025年第2四半期以来の低水準となったと指摘。地政学的緊張の高まりや、調査期間中の原油価格上昇が背景にある可能性を挙げた。
エネルギー価格の上昇も企業の懸念材料となっている。特にディーゼル燃料はトラックや鉄道による物流、農業機械、建設機械などで広く使われており、価格上昇はサプライチェーンを抱える企業のコスト負担につながりやすい。
ピーターソン氏は米ニュースサイトAxiosに対し、「こうしたインフレ圧力が次々に生じ、CEOと消費者の双方の信頼感を押し下げている」と述べた。
■消費者心理も12年以上ぶりの低水準
企業経営者だけでなく、米消費者の景況感も悪化している。
コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数は9月に81.9となり、8月の88.6から6.7ポイント低下した。3カ月連続の低下で、12年以上ぶりの低水準となった。
CEOが警戒するリスクも強まっている。第4四半期の調査では、サイバーセキュリティー、人工知能(AI)・新技術、地政学を重要なリスクとする度合いが前四半期から上昇した。
AI導入に関する特別設問では、サイバーセキュリティー上の脅威が最大の懸念となった。Axiosによると、94%のCEOがサイバー脅威を主要なAI関連リスクとして挙げた。
■景況感悪化でも設備投資は維持
ただ、景況感の悪化が企業の設備投資計画の大幅な縮小にはつながっていない。
設備投資について53%のCEOが計画を変更しないと回答し、36%は増額を予定した。減額するとしたのは11%にとどまった。
雇用については、33%が人員を増やすと回答した。前四半期の34%からわずかに低下したものの、人員削減を見込む31%を上回った。36%は人員を維持するとした。
一方、KPMGが15日に発表した別のCEO調査では、米国のCEOの89%が今後3年間に従業員数を増やすと回答した。調査には米国のCEO 400人が参加した。
KPMG米国法人のティム・ウォルシュ会長兼CEOはAxiosに対し、企業が業務やプラットフォームにAIを取り入れることで「能力に余力が生まれる」と説明した。経営者はAIによって事業を拡大でき、それが人員増加につながるとの期待を持っているという。
足元ではインフレやエネルギー価格、地政学リスクへの警戒から米企業トップの景況感が悪化しているものの、設備投資や中長期的な雇用拡大への意欲はなお維持されている。