トランプ氏のロシア産ディーゼル輸入容認、共和党4上院議員も反発 超党派で撤回要求

2026年10月13日 10:47

 米共和党の上院議員4人と民主党議員3人は、トランプ政権がロシア産ディーゼル燃料の米国への輸入を期限付きで認めたことに反発し、措置の撤回を求めた。米財務省外国資産管理局(OFAC)は10月9日、ロシア産ディーゼルの販売や輸送、荷揚げ、米国への輸入などに関連する一定の取引を2027年4月7日まで認める一般許可を発行した。

■共和党4人を含む7上院議員が撤回要求
 共和党のスーザン・コリンズ、リサ・マーカウスキー、ジョン・カーティス、トム・ティリスの4上院議員と、民主党のジーン・シャヒーン、リチャード・ブルーメンソール、ロン・ワイデンの3上院議員は11日、共同声明を発表した。

 7議員は「議会は2022年、米国の資金がプーチン氏によるウクライナへの残虐な戦争を支えるのを防ぐため、ロシア産エネルギーの輸入を明確に禁止した」と指摘した。

 さらに「ロシアがウクライナへの侵略を終え、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への脅威をやめるまで、米国はロシアから石油を輸入すべきではないという議会の意思は明確だった」とした。

 その上で、トランプ政権によるロシア産ディーゼル輸入の容認は「同法に真っ向から反する」と批判。「政権は議会との協議を行わず、法律が求める決定の根拠についての説明も提出していない」と主張した。

 声明は「ロシアがウクライナ市民を殺害し続ける中、米国がプーチン氏に資金面での生命線を与えるべきではない。政権は直ちに方針を転換しなければならない」と結んだ。

 米議会が2022年に成立させた「ロシア産石油輸入停止法(Ending Importation of Russian Oil Act)」は、ロシア産の石油などエネルギー製品の米国への輸入を原則禁止している。輸入禁止を終了する場合には、大統領が議会に認定を提出することや、その前に上下両院の関係委員会と協議することなどを定めている。

■ロシア、ディーゼル30万トン超を直ちに供給へ
 ドナルド・トランプ米大統領は9日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との電話協議後、ロシアが30万トンを超えるディーゼル燃料を米国と世界市場に直ちに供給することで合意したと明らかにした。

 さらに11月中に50万トン、その後直ちに100万トンを供給するとした。ロイター通信によると、トランプ氏はこれに加え、ロシアの製油所の状況を踏まえ、さらに300万トンを「短期間のうちに」供給すると説明した。

 OFACが同日発行した一般許可135号は、ロシア産ディーゼルの販売、輸送、荷揚げ、輸入に関連し、従来の対ロシア制裁で禁止されていた一定の取引を2027年4月7日午前0時1分(米東部時間)まで認める。

 ただし、米金融機関にあるロシア中央銀行、ロシア国民福祉基金、ロシア財務省の口座からの引き落としは認めておらず、ロシアに対する金融制裁全般を解除する措置ではない。

■ゼレンスキー氏「戦争への投資」と批判
 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もロシア産ディーゼルを巡る米国の措置を批判した。
 ゼレンスキー氏は9日、「ロシアに石油製品の販売を認めることは、終わらせなければならない戦争を長引かせるための投資だ」と述べた。

 10日には、ロシア軍がウクライナ南東部ザポリージャの住宅を滑空爆弾5発で攻撃したとして、「ロシアはディーゼル輸出に対する制裁解除への感謝を、この攻撃で示した」と批判した。

 トランプ氏は11日、ロシアとウクライナの間でエネルギー関連施設への攻撃を停止する「エネルギー停戦」が成立したと表明した。

 ゼレンスキー氏はウクライナ側として相互のエネルギー停戦を支持する姿勢を示す一方、ロシアによる攻撃が続いていると主張した。

 12日にオンラインで参加したワルシャワ安全保障フォーラムでは、トランプ氏の発表後にもロシア軍がキーウやハルキウのエネルギー関連施設を攻撃したと指摘。「トランプ大統領が発表したエネルギー停戦にロシア側の違反があった」と述べた。

 ゼレンスキー氏は、米ロ間の協議について具体的な内容を引き続き待っているとも述べた。ロシア大統領府も同日、エネルギー停戦に関する協議は続いているとして、ロシアとウクライナの間で正式な停戦が成立したとの確認はしていない。

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