米30年住宅ローン金利が7.28%、約3年ぶり高水準 6週連続で上昇
2026年10月2日 10:05
米国の住宅ローン金利が大幅に上昇し、約3年ぶりの高水準となった。住宅購入者の借入負担が一段と重くなるなか、変動金利型住宅ローン(ARM)や既存ローンの引き継ぎ、金利の買い下げなどを利用して借入金利を抑える動きも広がっている。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が10月1日に発表した週間調査によると、30年固定型住宅ローンの平均金利は7.28%となり、前週の7.03%から0.25ポイント上昇した。上昇は6週連続で、2023年11月以来の高水準。週間の上昇幅としては約4年ぶりの大きさとなった。
住宅ローン金利と連動性の高い米10年物国債の利回り上昇が背景にある。イランを巡る戦争に伴うエネルギー価格上昇によるインフレ懸念に加え、米国を含む主要国の政府債務に対する警戒などから国債が売られ、利回りが上昇している。
住宅価格が変わらなくても、住宅ローン金利が上昇すれば毎月の返済負担は増える。金利動向に敏感な購入希望者が市場から離れれば、残った買い手にとって競争が弱まる可能性がある一方、住宅取得能力そのものは低下する。
CNNによると、住宅購入者が必ずしも7%を超える金利を受け入れる必要はなく、条件次第では借入金利を低くする方法がある。ただし、初期費用の増加や将来的な金利上昇リスクを伴う場合もある。
選択肢の一つが、返済期間の短い住宅ローンである。15年固定型は一般に30年固定型より金利が低いが、元本を短期間で返済するため、毎月の返済額は大きくなる。
変動金利型住宅ローン(ARM)への関心も高まっている。米抵当銀行協会(MBA)のジョエル・カン副チーフエコノミストによると、ARMの金利は固定金利型より約0.8ポイント低く、住宅ローン申請全体に占める割合は10.3%と、2025年10月以来の高水準となった。
ARMは通常、最初の5年、7年または10年間は固定金利を適用し、その後は市場金利に応じて金利が変動する。チェース・ホーム・レンディングの部門ディレクター、ジェレミー・ルーク氏は「4〜5年後に転居や借り換えを予定している一部の借り手には適している可能性があるが、すべての人に適するわけではない」と述べた。
売り手が利用している住宅ローンを買い手が引き継ぐ「アサマブル・モーゲージ」を利用する方法もある。米連邦住宅局(FHA)、米退役軍人省(VA)、米農務省(USDA)が支援する住宅ローンなど、政府系ローンの多くは一定の条件を満たせば引き継ぎが可能で、売り手が低金利で借りていた場合、その条件を利用できる可能性がある。
一方、買い手が引き継ぐのは売り手の住宅ローン残高であるため、残高と住宅購入価格との差額を自己資金などで賄う必要がある。この差額が大きければ、多額の現金が必要になる場合がある。
借り手が契約時に追加費用を支払い、住宅ローン金利を引き下げる「バイダウン」も選択肢となる。恒久的なバイダウンではローン期間全体の金利を引き下げ、一時的なバイダウンでは当初数年間の借入コストを抑える。
ローンデポのチーフエコノミスト、ジェフ・ダーグラヒアン氏は、金利を下げるために貯蓄を使い過ぎるべきではないと指摘。「頭金などに資金を投入し過ぎ、住宅で必要なことや日々の生活に使えるお金がなくなるようなことは避けるべきだ」と述べた。
住宅購入者自身がバイダウン費用を負担しなくてもよい場合もある。住宅建設業者や売却を急ぐ売り手が、住宅ローン金利の引き下げを含む販売促進策を提供しているためだ。
全米住宅建設業者協会(NAHB)の9月調査では、販売促進策を利用している住宅建設業者の割合は66%と、8月の63%から上昇した。前年12月の67%以来の高水準だった。
政府系プログラムを利用できる購入者もいる。資格を満たす退役軍人はVA住宅ローンを利用できるほか、農村地域の一定の物件と借り手はUSDA住宅ローンの対象となる。一部の銀行や信用組合では、預金や投資など取引関係に応じて住宅ローン金利を引き下げるリレーションシップ・プライシングも提供している。