アメックス、米国で事業者向け高利回り預金を開始 Gusto連携の給与計算も2027年初めに

2026年9月19日 08:48

American Express(アメックス)は2026年9月15日、米国で事業者向け高利回り普通預金口座「American Express Business Savings」の提供を開始した。年率2.95%で、最低残高要件と月額維持手数料を設けない。既存のBusiness Checkingと一体的に管理できるほか、2026年後半には対象カードの還元金を当座預金口座へ入金できる機能、2027年初めにはGustoを利用した給与計算機能を追加する計画だ。

新たな給与計算機能やAIを活用した分析機能は将来の提供計画であり、利用可能になる時期や機能は変更される可能性がある。給与計算機能は月額制となる予定だが、具体的な料金は発表されていない。

■Business Savingsの概要

American Express Business Savingsの年率は、提供開始日の2026年9月15日時点で2.95%だ。金利は変動制で、口座開設の前後を問わず予告なく変更される場合がある。最低残高要件や月額維持手数料はない。

口座はFDIC加盟のAmerican Express National Bankを通じて提供される。利用者はオンラインまたはアメックスのアプリから、ACH送金、電信送金、小切手による入金を追加料金なしで利用できる。当日扱いのACH送金は1回10ドルとなる。

当日ACHは、米東部時間の営業日午前0時から午後2時45分までに手続きを行った場合、原則として同日午後6時までに着金する。実際に資金を利用できる時期は受取側金融機関によって異なり、定期送金と国際送金は対象外だ。

Business CheckingとBusiness Savingsの両方を持つ利用者は、口座間で即時かつ無料の資金移動ができる。両口座は一つの申し込み手続きで同時に申請することも可能で、アメックスのカード商品とともにオンラインやアプリから管理できる。

新規にBusiness Checkingを開設する顧客は、所定の条件を満たすと3万5000ポイントのMembership Rewardsを受け取れる場合がある。この特典には適用条件がある。

■余剰資金の活用を意識した商品設計

アメックスが2026年7月30日から8月4日にかけて、中小企業の財務意思決定者1165人を対象にオンラインで実施した調査では、82%が「事業の余剰資金を預金口座でもっと有効に活用できる」と回答した。調査全体の誤差はプラスマイナス3ポイントだ。

同じ調査では、93%が銀行や金融関連のツールを円滑に連携させたいと回答した。Business Savingsは金利だけでなく、普通預金、当座預金、カードを同じオンライン環境で扱える仕組みを商品の柱としている。

Business Checkingと外部の会計ソフトや銀行口座を連携させる機能も用意される。これにより、資金移動や取引情報の更新を一つの環境にまとめやすくする。

■カードの還元金を当座預金口座に入金

アメックスは2026年後半、Graphite Business Cash Unlimited Cardで獲得したReward Dollarsを、American Express Business Checkingへ直接入金できる機能を導入する予定だ。交換比率は1対1となる。

Graphite Business Cash Unlimited Cardは、対象となる購入に対して一律2%のキャッシュバックをReward Dollarsとして付与する。現在はステートメントクレジットやAmazon.comでの支払いに利用できるが、新機能の導入後はBusiness Checkingへの入金も選択肢に加わる。

このReward Dollarsは、Business Checkingの新規口座開設特典などで付与されるMembership Rewardsとは異なる還元制度だ。今回発表された直接入金機能の対象は、Graphite Business Cash Unlimited Cardで獲得するReward Dollarsである。

決済カードの還元金を同じブランドの銀行口座に移せるようにすることで、アメックスはカードと銀行サービスの結び付きを強める。利用者にとっては、還元金を事業資金として当座預金口座へ直接戻せることが実用上の利点となる。

■Gusto連携の給与計算を2027年初めに提供へ

アメックスは、Gustoの技術を利用した給与計算機能をBusiness Checking内に追加する。2027年初めからBusiness Checkingの顧客に順次提供する計画だ。

利用者はアメックスのBusiness Checking上で給与計算サービスへの登録、管理、給与支払いを行えるようになる。アメックスは、給与計算業務を正確かつ迅速に進め、法令順守を支援する機能として位置付けている。

給与計算機能には、AIを利用して給与関連データを確認するための分析ツールも組み込む予定だ。アメックスの調査では、81%が今後の給与支払額をより把握しやすくしたいと回答し、65%が今後12カ月に給与計算プロセスを効率化することを優先課題として挙げた。

給与計算サービスは月額料金で提供される。中小企業向けアメックスカードの会員は、所定の条件を満たした場合、Business Checkingに毎月クレジットを受け取れる予定だ。具体的な月額料金、クレジットの金額、適用条件は発表されていない。

■銀行サービスの拡充を進めるアメックス

アメックスはBusiness CheckingとBusiness Savingsを「American Express Business Banking」としてまとめ、事業者が預金口座とカードを一つの環境で扱える体制を整える。

競合環境では、Capital Oneが2026年1月にBrexを現金と株式を組み合わせた約51億5000万ドルの取引で買収すると発表し、同年4月7日に取引を完了した。企業向けカード、支出管理、銀行サービスを一体化する競争は、フィンテック企業と大手金融機関の双方に広がっている。

アメックスの2026年第2四半期決算では、利息費用控除後の総収益が前年同期比10%増の196億ドルとなった。カード会員の利用額は為替調整後で9%増え、過去3年間で最も高い伸び率を記録した。

純利益は前年同期の28億8500万ドルから31億1000万ドルへ増加した。希薄化後1株当たり利益は前年同期比11%増の4.53ドルとなり、アメックスは2026年通期の収益成長率見通しを10%へ引き上げた。

Business Savingsは単独の高利回り預金商品であると同時に、当座預金、カード還元、給与計算を段階的に結び付ける事業者向け金融サービスの一部となる。現時点で利用できるのは預金口座と既存のBusiness Checkingとの連携で、Reward Dollarsの直接入金とGustoによる給与計算は今後追加される予定だ。

元記事: American Express Business Savings Launches with Loyalty Perk Fintech Banks Cannot Match

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