Oracleが追加の人員削減、再編費用は28億ドルに拡大 AIインフラ投資と並行
2026年9月16日 20:08
Oracleで9月14日、米国などの従業員に早朝の解雇通知が届き、新たな人員削減が始まったと報じられた。同社はその直前、AI技術の導入を一部に含む2026年度再編計画を約7億ドル拡大し、推定総費用を約28億ドルとすることを明らかにしている。今回の削減人数は公表されていない。
■早朝に届いた解雇通知
Business Insiderなどの報道によると、影響を受けた従業員は9月14日早朝、職務がより広範な組織変更の一環として廃止され、同日が最終勤務日になるとの通知を受けた。Oracleは今回の人員削減について公式なコメントを発表しておらず、対象となった部門や地域、人数の全容も明らかになっていない。
通知には、Oracleの現在の事業上の必要性を検討した結果、職務を廃止することを決めたとの説明が記されていた。従業員は、退職関連の書類を受け取るために私用メールアドレスを登録するよう求められ、社内のコンピューター、メール、ボイスメール、ファイルへのアクセスが停止されることも伝えられた。
一部の従業員は、通知を確認する前に社内システムへのアクセスを失ったと投稿している。午前6時ごろに「Oracle Leadership」名義のメールが届いたとの報告もあり、3月31日に実施された人員削減と似た通知方法だったという。ただし、こうしたシステム停止の時刻や影響範囲について、Oracleによる公式な説明はない。
■再編計画を7億ドル拡大
Oracleが9月11日に米証券取引委員会へ提出した2027年度第1四半期の四半期報告書によると、同社は2026年8月31日以降、今後実施を見込む追加措置を反映するため、2026年度再編計画を約7億ドル拡大した。
同計画の推定総費用は、8月31日時点で最大約21億ドルとされていた。今回の追加によって、現在の見積もりは約28億ドルとなる。費用の中心は従業員の退職関連費用で、契約終了費用なども含まれる。
2027年度第1四半期に計上した再編費用は1億6700万ドルだった。2026年度通期には18億4000万ドルを計上しており、前年度の3億7400万ドルから大幅に増加している。
Oracleは再編計画について、業務効率を高めるための組織変更や、事業部門内でのAI技術の導入などを進めるものだと説明している。同社の年次報告書は、AI技術の導入や展開が人員削減につながっており、今後も削減につながる可能性があると記載している。
■従業員数は1年間で約13%減少
Oracleの世界全体の従業員数は、2025年5月末の約16万2000人から、2026年5月末には約14万1000人へ減少した。差は約2万1000人で、前年から約13%の減少となる。
この人数は各年度末の従業員数の差であり、全員が特定の一度の人員削減で解雇されたことを示す数字ではない。Oracleは人員構成の変化について、経営体制や製品の変更、業績上の問題、戦略転換、企業買収、AI技術の導入など、複数の要因を挙げている。
同社は年次報告書で、再編が業務の混乱や一時的な生産性低下を招く可能性にも言及した。特定職種で十分な技能を持つ従業員が不足することや、組織内に蓄積された知識が失われること、従業員の士気や定着に影響することをリスクとして挙げている。
■クラウドインフラ売上高は121%増
人員削減と再編計画の拡大は、OracleがクラウドとAIインフラ事業で急成長を記録するなかで進められている。
9月10日に発表された2027年度第1四半期決算では、売上高が前年同期比30%増の193億ドルとなった。クラウド売上高は62%増の116億ドルで、このうちOracle Cloud Infrastructureを中心とするIaaSの売上高は121%増の74億ドルだった。普通株主に帰属するGAAPベースの純利益は60%増の47億ドルとなった。
契約済みだがまだ売上高として認識していない残存履行義務は、前年同期比2090億ドル増の6640億ドルに達した。Oracleによると、第1四半期には300億ドルを超えるAIクラウド契約を新たに獲得し、850メガワット分のデータセンター容量を追加した。
一方、第1四半期の設備投資額は285億ドルに達し、フリーキャッシュフローは54億ドルのマイナスとなった。OracleはAIサービスの需要に対応するため、データセンターやGPUを含むクラウド基盤への大規模な投資を続けている。
■成長投資と組織再編が同時進行
Oracleは2026年度に設備投資として557億ドルを支出した。前年度の212億ドルから大幅に増えており、2027年度については顧客からの払い戻し対象となる設備投資を含め、最大950億ドル規模を見込んでいる。
急増する契約を売上高につなげるには、データセンターを建設し、顧客が利用できる計算資源を供給する必要がある。今回の人員削減と再編計画の拡大は、こうした資本集約型のクラウドインフラ事業を拡大する一方で、既存事業を含む人員と費用の構成を見直す動きのなかで実施されている。
ただし、個々の人員削減によって得られる資金が特定のデータセンターやGPUの調達に直接充てられるとの説明は、Oracleから示されていない。また、今回の削減人数や地域別の内訳、2026年度再編計画の具体的な終了時期も公表されていない。
元記事: Oracle Hits Workers With Second Wave of 6 AM Emails as Restructuring Bill Climbs to $2.8B