米軽油価格が最高値 トランプ氏、ロシア石油施設への攻撃停止求める
2026年9月15日 11:15
米国のドナルド・トランプ大統領は13日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ドローンによるロシアの製油所など軽油関連施設への攻撃を停止するよう求めた。米国では軽油の全米平均価格が1ガロン当たり6.23ドルに上昇し、過去最高を更新している。
アイルランドを訪問していたトランプ大統領は記者団に対し、ウクライナによる攻撃が軽油不足を引き起こし、「世界に打撃を与えている」と主張した。
「ゼレンスキー大統領がしなければならないことが1つある。ロシアの軽油関連施設を破壊するのをやめなければならない」と述べ、「ほかの標的を攻撃するのは構わないが、軽油は狙うべきではない。軽油不足を引き起こしているからだ。これは中東ではなく、ロシアとウクライナで起きていることが原因だ」と語った。
全米自動車協会(AAA)によると、14日時点の軽油の全米平均価格は1ガロン当たり6.2301ドルとなった。前年同日は3.6923ドルで、1年間で約69%上昇した。前日は6.2040ドル、1週間前は5.9015ドルだった。
ウクライナはここ数カ月、長距離ドローンなどを使い、ロシア領内の石油施設や物流インフラへの攻撃を強めている。ロシアの燃料生産は打撃を受け、国内各地でガソリンなどの不足が発生した。ロシア政府は国内供給の安定化に向け、軽油の輸出禁止措置を9月末まで延長している。
ウクライナはロシアの大手インターネット通販会社ワイルドベリーズとオゾンの物流施設も攻撃対象としている。ウクライナ国防省は8月、ワイルドベリーズの大型物流拠点15カ所を攻撃した後、オゾンの物流施設に攻撃対象を広げたと発表した。
ウクライナ側は、軍民両用物資を保管する施設への攻撃によってロシア軍の物流を妨げ、同国経済に圧力を加えることが目的だと説明している。ゼレンスキー大統領は、攻撃対象となったワイルドベリーズの施設がドローン部品や航法装置などをロシア軍に供給していたとして、攻撃を正当化している。
ロシアの石油関連施設への攻撃は精製能力を低下させ、国内の燃料不足につながった。一方、米国を含む世界的な軽油価格の上昇には、ウクライナ戦争に加え、イランを巡る戦争による原油供給や輸送への懸念も影響している。CNBCは、両地域での戦争に伴う供給混乱が米国の軽油価格を過去最高に押し上げたと報じた。
ゼレンスキー大統領は、ロシア国内への攻撃を、ウクライナに対する継続的な空爆から自国を守るための戦略と位置付けている。ウクライナでは、ロシアによるドローンやミサイル攻撃が繰り返され、エネルギー施設、鉄道、企業、住宅などが被害を受けている。
ゼレンスキー大統領は13日の交流サイトへの投稿で、ロシアが直近1週間に約2,100機のドローン、1,700発近い誘導滑空爆弾、各種ミサイル78発をウクライナに使用したと明らかにした。
同大統領は「昨夜から今朝にかけて、エネルギー施設、鉄道、企業、一般の住宅が攻撃を受けた」と述べ、南部オデーサもミサイルとドローンによる攻撃を受けたと説明した。
ウクライナ東部では、ロシア軍が要衝クラマトルスク方面に徐々に接近し、ウクライナ軍の東部防衛線を構成する一連の要塞都市への圧力を強めている。ロシア軍の進軍は依然として遅く、多大な損失を伴っているものの、同年春にウクライナ軍が領土を奪還したことで高まった楽観論は後退している。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)によると、ロシア軍が8月に占領したか部隊を浸透させたウクライナ領は約123.53平方キロメートルだった。前年同月に占領した約505.55平方キロメートルの4分の1程度にとどまる。
このうち、ロシア軍が陣地を固めるか占領したことを確認できた地域は約90.35平方キロメートルだった。これに対し、ウクライナ軍が同月に奪還した地域は少なくとも約129.81平方キロメートルと推定されている。
CNNが引用した西側情報機関の推計では、ロシア軍の損失は月間約4万人に上る。ISWは、ウクライナ軍参謀本部の発表に基づき、ロシア軍が8月に4万2,020人の人的損失を出したとしている。ロシア軍の緩慢な前進が大きな人的代償を伴う一方、段階的な進軍によってウクライナ東部の防衛拠点にかかる圧力は強まっている。