Ridge-i、営業利益約1.9倍で過去最高、SBIから約9.8億円のAI案件受注
2026年9月14日 08:11
(決算速報)
■今期営業利益15.1%増を計画、大型受注は通期予想に織り込み済み
Ridge-i<5572>(東証グロース)は、AIの活用コンサルティングから開発、保守運用までを手掛ける。9月11日発表の2026年7月期連結決算は、営業利益が前期比93.3%増の5.47億円となり、2025年7月期の2.83億円から約1.9倍に拡大した。生成AI案件の大型化と既存顧客からの継続受注が寄与し、売上高と営業利益は過去最高を更新。2027年7月期も営業利益15.1%増の6.30億円を計画する。
同日、資本業務提携先のSBIホールディングス<8473>(東証プライム)から約9.8億円のAI関連プロジェクトを受注したと発表した。3月に開示した案件の継続拡大で、SBIグループ全体のAIによる業務変革に向け、戦略立案と推進を支援する。プロジェクト期間は2026年8月から2027年7月まで。受注に伴う売上高は今期に全額計上する予定で、通期予想に織り込み済みである。受注額は今期売上計画の約30.6%に相当し、計画遂行を支える材料となる。
■営業利益率18.3%に改善、純利益には株式売却益も寄与
2026年7月期の売上高は前期比15.4%増の29.93億円、経常利益は91.2%増の5.56億円、親会社株主に帰属する当期純利益は191.9%増の4.07億円となった。営業利益率は10.9%から18.3%へ改善し、6月に引き上げた営業利益予想5億円も9.4%上回った。純利益にはスターミュージック・エンタテインメントの株式売却益0.88億円も寄与し、本業の収益拡大に一過性の利益が加わった。
主力のカスタムAIソリューション事業は、売上高が41.5%増の18.11億円、セグメント利益が213.3%増の5.06億円となり、前期の1.61億円から約3.1倍に拡大した。粗利率の高い大型・長期案件が増え、採用や研究開発などの費用増を吸収。既存顧客向け売上高も前期の8.79億円から12.44億円へ伸び、新規顧客の獲得と継続案件の拡大が両輪となった。
サービス別売上高は、AI活用コンサルティング・AI開発が14.52億円、AI保守運用が1.92億円。人工衛星データAI解析は大型案件が保守運用段階へ移った影響で1.66億円に減少した。一方、デジタルマーケティング事業は売上高10.0%減の11.82億円、セグメント利益66.7%減の0.40億円と苦戦。同事業を担う子会社の株式譲渡は7月に完了した。
■今期も増収増益へ、創研情報の損益が通期で寄与
2027年7月期の連結予想は、売上高前期比6.9%増の32億円、営業利益15.1%増の6.30億円、経常利益13.3%増の6.30億円、親会社株主に帰属する当期純利益10.4%増の4.50億円。予想EPSは104.28円、年間配当は前期に続き0円を見込む。営業利益率は計算上約19.7%となる。
今期はデジタルマーケティング事業の損益が連結対象から外れる一方、前期末の連結貸借対照表に組み入れたシステム開発会社の創研情報の損益が通期で寄与する。AI事業の売上計画32億円は前期比約77%増だが、創研情報の外部売上計画8億円を含む。単体売上計画は24億円で、前期実績18.11億円に対し約32.5%増。AI事業の増収計画には、既存事業の拡大とM&Aの寄与の双方が含まれる。
同社は創研情報のシステム開発人材を活用し、顧客の現場でAI導入・運用を支える体制を強化する。成長戦略は大型顧客との関係強化、戦略コンサルティング会社との連携、防衛・安全保障案件の獲得が柱。ただ、前期の単体正社員の純増は目標10人に対し5人にとどまった。需要を売上につなげるには、採用・育成と外部パートナーの確保が重要となる。
■成長投資を優先、株価評価は受注の収益化が焦点
単体の中期目標は、2029年7月期に売上高28億円、営業利益7億円、営業利益率25%。前期末の自己資本比率は82.5%、現金及び預金は35.58億円で、成長投資を支える財務基盤を持つ。成長投資を優先する一方、自己株式取得なども検討するとしているが、今回の取得決議はない。
9月11日には、取締役3人向けの有償ストック・オプションの発行も決議した。対象は7万5000株で、全行使時の増加株式数は発行済株式総数の約1.7%に相当する。行使価額は2893円で、単体売上高の目標達成などを行使条件とする。
決算発表前の9月11日終値は2879円、前日比14円安。年初来高値4090円(6月4日)を約29.6%下回る一方、年初来安値1952円(3月4日)からは持ち直した水準にある。同終値と最新予想EPSで算出したPERは約27.6倍、期末BPS856.99円に基づくPBRは約3.36倍、時価総額は約124.30億円。SBI案件の着実な売上計上と開発体制の拡充が、業績評価を高める焦点となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)