Samsungの新半導体工場「平沢P5」、装置導入に向け第1期クリーンルームの配管整備へ

2026年9月8日 11:57

Samsung Electronicsが韓国・平沢に建設する半導体工場「P5」で、第1期クリーンルームの一般配管工事が具体化した。韓国のHanyang ENGは2026年9月7日、Samsung C&Tとの工事契約を開示した。契約上の工事開始日は9月15日で、2027年9月30日までの実施を予定している。

今回整備するのは、半導体製造に必要な超純水、化学薬品、産業用ガス、冷却水などを各装置へ供給・排出する主要配管である。製造装置を据え付け、稼働させるための基盤となるため、配管工事の進捗はP5の設備導入時期を見通す上で重要な指標となる。

■1480億5900万ウォンの配管契約

Hanyang ENGが開示した契約は、「P5 Ph1一般配管1工区」の工事を対象とする。契約額は付加価値税を除いて1480億5900万ウォンで、同社の2025年連結売上高の13.24%に相当する。

契約日は2026年9月7日で、契約期間は同月15日から2027年9月30日までとなっている。契約締結後15日以内に契約額の10%が前払いされ、残る90%は工事の進捗に応じて請求・支払いが行われる。工事にはHanyang ENGの自社施工能力と外部人員の双方を活用する。

契約額や契約期間などの条件は、今後の工事の進行に応じて変更される可能性がある。施設の規模が変わった場合や追加工事が発生した場合には、契約額が修正されることもあり得る。

Hanyang ENGの担当者によると、一般配管は、半導体製造工程で使う超純水、化学薬品、産業用ガス、冷却水などを各生産ラインの装置へ安全に供給し、排出するための配管網を設置する工事である。今回の1工区は、初期段階の主要な幹線配管を指すという。

■主要配管は8~10カ月で大部分を施工

Hanyang ENGは、主要配管工事の大部分を約8~10カ月で終える見通しを示している。契約上の開始日を基準とすれば、主要部分の施工が進む時期は2027年春から夏にかけてとなる。

半導体工場では、超純水やガス、薬液、冷却水などを安定して供給できる環境を整えた上で、製造装置の据え付けや配管接続、調整を進める。個々の工事や装置搬入が一部並行する場合もあるが、主要なユーティリティー設備の整備は、生産ラインの立ち上げを支える基礎工程となる。

超純水は、ウェハーの洗浄などに使用するため、イオン、有機物、微粒子などを極めて低い水準まで取り除いた水である。一般配管には、この超純水のほか、工程で使う化学薬品や産業用ガス、装置の温度管理に必要な冷却水を扱う設備も含まれる。

こうした配管には、安定した供給だけでなく、汚染の防止や安全管理も求められる。特に薬液やガスを扱う系統では、製造工程や物質の特性に応じた専用設備と監視体制が必要になる。

■2028年の稼働を目指す平沢P5

P5は、Samsung Electronicsが平沢キャンパス第2団地に整備している新たな半導体生産施設である。同社はP5を「5ライン」と位置付け、2028年からの本格稼働を目指す方針を示している。

P5の具体的な製品構成や各工程への設備配分は、需要や市場環境を踏まえて決められる見通しである。韓国の業界報道では、メモリー半導体を中心とし、高帯域幅メモリー(HBM)を含む次世代製品の中長期的な供給力を高めるためのインフラになると伝えられている。

HBMは、複数のDRAMダイを積層し、広いインターフェースを通じて高いデータ転送性能を実現するメモリーである。AIアクセラレーターや高性能コンピューティング向けプロセッサと組み合わせて使われており、AI関連需要の拡大に伴って各社が生産能力の増強を進めている。

Samsung Electronicsは2026年2月、HBM4の量産と顧客向け出荷を開始したと発表した。P5についても、HBM4以降の製品に使われるDRAMなど、次世代メモリーの供給力を支える生産拠点としての活用が見込まれている。ただし、P5の最終的な生産能力や設備構成は公表されておらず、今回の配管契約だけから将来のHBM供給量を見積もることはできない。

■複数の専門業者が並行して工事

P5では、Samsung C&Tが施工を担い、複数の専門業者による工事を調整している。Hanyang ENGの契約により、第1期クリーンルームで主要配管を整備する事業者と工期が明らかになった。

配管工事は、建屋やクリーンルーム、空調、電力などの整備と連動して進められる。主要な工事を複数の専門業者が並行して担当することで、各設備を順番に施工する場合に比べ、工期を効率化できる可能性がある。一方、実際の設備導入時期は、建屋全体の完成度、装置の調達状況、製品計画などにも左右される。

P5を巡っては、AI向けメモリー需要の拡大に対応するため、Samsung Electronicsが建設と設備整備を進めていると報じられてきた。需要の変動に応じて製造装置を導入できるよう、建屋や基幹設備を先行して整える考え方も背景にある。

今回の契約は、こうした長期計画のうち、第1期クリーンルームの主要配管工事について、契約額、開始日、終了予定日が確定したことを示す。もっとも、契約締結日の9月7日時点では工事開始日前であり、配管工事そのものは9月15日から始まる予定である。

■Hanyang ENGの受注と業績

Hanyang ENGは、半導体やディスプレーの製造施設向けに、クリーンルームや高純度配管などの設計、調達、施工を手掛ける韓国企業である。Samsung C&Tとは過去3年間にも同種の契約実績がある。

同社の2026年上期の売上高は6960億600万ウォン、営業利益は508億ウォン、純利益は478億9000万ウォンだった。今回の契約額は前年の年間連結売上高の13.24%に当たり、同社にとって規模の大きい受注となる。

契約期間は約1年間に設定されているが、主要配管の大部分は8~10カ月で施工する見込みである。その後の追加工事や調整を含め、契約は2027年9月30日まで続く。P5の製造装置導入や稼働までには、配管以外にもクリーンルーム、電力、空調、製造装置の設置と調整など複数の工程が残る。

今回の開示によって確認できたのは、第1期クリーンルームの一般配管1工区について具体的な施工契約が成立したことだ。P5の第1期工事は、2028年の本格稼働を目指す計画の下で、製造インフラの整備段階へ進んでいる。

元記事: Samsung P5 Cleanroom Piping Starts: Contract Confirms Phase One Is Under Active Construction

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