ファンデリー、27年3月期は大幅増収増益へ、価格改定効果と「旬をすぐに」拡大が寄与

2026年9月8日 07:36

 ファンデリー<3137>(東証スタンダード)はヘルスケア総合企業として、健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD事業、ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」のCID事業、および周辺領域のマーケティング事業を展開している。27年3月期は構造改革効果や価格改定効果などにより大幅増収増益予想としている。第1四半期は概ね計画水準だった。第2四半期以降はMFD事業における価格改定効果やCID事業の売上拡大も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■ヘルスケア総合企業

 ヘルスケア総合企業として、健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD(Medical Food Delivery)事業、ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」宅配のCID(Cooking Immediately Delivery)事業、および周辺領域のマーケティング事業(食品メーカー等の企業向けマーケティング支援サービス)を展開している。

 26年3月期のセグメント別業績は、MFD事業の売上高(セグメント間内部売上高含む)が20億24百万円で営業利益(全社費用等調整前)が3億07百万円、CID事業の売上高が2億34百万円で営業利益が2億46百万円の損失、マーケティング事業の売上高が4億80百万円で営業利益が3億63百万円だった。

■健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD事業

 MFD事業は、健康冷凍食(冷凍弁当)の通販カタログ「ミールタイム」を医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から注文を受けて宅配する。製造は外部に委託している。従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指している。

 全国の医療機関や調剤薬局など約2万カ所の紹介ネットワークを通じた効率的な顧客獲得、専門性の高い栄養士による「ヘルシー食」「たんぱく質調整食」「ケア食」そして「パワーアップ食」など多様な健康食の開発やカウンセリングを強みとして、栄養士が顧客の疾病・制限数値・嗜好などに合わせてメニューを選び、定期的に届ける「栄養士おまかせ定期便」も提供している。製造は外部に委託している。

 26年3月期末のアクティブ会員数(過去1年以内に1回以上購入した会員数)は前期末比1169人減の2万4919人で、アクティブ会員の月間ARPU(26年3月期第4四半期、「月間売上高÷月内に1回以上購入した会員数」の3カ月平均)は767円増の1万247円だった。また定期コース会員数は249人減の5722人だった。

 なお医療機関・調剤薬局向け「ミールタイム・ポータル」を25年3月にスタートし、DXを推進している。26年2月にはサービス強化の一環として、食事宅配サービス史上初(同社調べ)となる栄養士による英語対応を開始した。また原材料費等の高騰に対して、26年6月1日注文分より「ミールタイム」の一部商品の価格改定を実施した。

 また26年9月発行の「ミールタイム」秋号より、植物性たんぱく質(Plant―based Protein)の比率を数値化した「PPスコア」の表示を開始する。近年の研究データから、植物性たんぱく質を多く摂取することで腎臓の負担を減らせる可能性があることが分かってきたため、たんぱく質の「質」が世界で注目されている。

■ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」のCID事業

 ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」宅配のCID事業は自社工場(埼玉工場)で製造する冷凍食の製造小売事業である。健康な身体はバランスの良い食事からという考えのもと、食の安心・安全にこだわり、国産食材100%であること、健康被害の恐れのある67種類の食品添加物を使用していないこと、食材ごとに異なる最適な加熱温度特許技術で1℃単位のコントロールを行っていること、冷凍工学に基づいた究極の特許冷凍技術で-70℃の瞬間凍結を行っていることなど、従来の冷凍弁当とは一線を画すクオリティの高さを特徴としている。

 管理栄養士が考えた栄養バランスや、特許加熱・冷凍による美味しさが特徴のメニュー構成である。コスト面では全国の生産者で構成する「旬すぐ共栄会」を通して、栄養価の高い旬の食材を収穫量が多く価格が下がる時期に仕入れる。商品力強化の面では21年12月に「AI旬すぐ」サービスを開始、21年1月に新ブランド「PREMIUM」シリーズを販売開始、22年12月に最高峰ブランド「SUPER PREMIUM」シリーズを販売開始した。

 24年3月にはNTT東日本グループのNTTアグリテクノロジーとの協業を発表した。最先端農業ハウスで収穫した規格外の野菜を使用してコラボ商品を製造・販売する。

 24年6月には小売店舗での販売を開始した。その後、スーパーマーケットでのリテール販売強化に向けて販路を積極的に開拓し、25年4月にイオングループ、ライフコーポレーション、オオゼキ、クイーンズ伊勢丹、三浦屋、コープデリグループ、エイチ・ツー・オー・グループのイズミヤおよび阪急オアシス、ユニバース、ナリタヤ、魚長、コープさっぽろ、イオングループの九州エリア、ドラッグストアmac、25年5月に近商ストア、Celest、JR東日本都市開発の「駅ナカ」4カ所、25年6月に極東ファディ、25年7月に高島屋の食料品宅配サービス、コープデリとの取引を開始した。また直近では26年5月に平和堂、明治屋、コープこうべ、サンエーなど、26年6月に成城石井との取引を開始した。

■周辺領域のマーケティング事業

 マーケティング事業は健康食宅配サービスから派生した周辺事業として、食品メーカーなどへの健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、食品メーカーからの商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などを展開し、収益源の多様化を推進している。

■健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」

 日々の食事において塩分摂取量を適正に保つことの重要性を啓蒙し、日本全体の健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」も展開している。賛同企業として24年4月にイカリソース、24年5月に恩地食品、寿がきや食品、マエカワテイスト、もり、通宝、24年6月に大森屋、浅利佐助商店、24年9月に一正蒲鉾、オタフクソース、24年10月にカルビー、24年11月に山崎製パン、カゴメ、24年12月にはくばく、亀田製菓、大塚食品、25年2月に敷島製パンが新規加入し、25年2月末時点の賛同企業は46社、認定商品は110品となっている。

■27年3月期大幅増収増益予想

 27年3月期の業績(非連結)予想は、売上高が前期比15.4%増の30億27百万円、営業利益が42.8%増の1億87百万円、経常利益が71.0%増の1億27百万円、当期純利益が72.5%増の1億25百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.7%減の6億11百万円、営業利益が9百万円の損失(前年同期は4百万円)、経常利益が24百万円の損失(同10百万円の損失)、四半期純利益が25百万円の損失(同10百万円の損失)だった。MFD事業の原価率悪化に加え、マーケティング事業において大型案件がなかったため全体として減収・赤字だった。ただし概ね計画水準だった。

 MFD事業は売上高が0.5%減の5億円で、利益(全社費用等調整前営業利益)が27.0%減の63百万円だった。売上面は概ね堅調だったが、仕入コスト増加などで原価率が悪化した。定期コース会員数は前年同期比94人減少して5763人となった。紹介ネットワーク数は1万8919となった。前年同期比では123減少したが、前四半期比では437増加した。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が31.7%増の75百万円、利益が61百万円の損失(同68百万円の損失)だった。売上高の内訳は内部売上が45百万円、リテールが11百万円、ECが18百万円だった。内部売上の増加によって工場稼働率が上昇し、損失縮小した。

 マーケティング事業(健康食品通販カタログ「ミールタイム」および「ミールタイム ファーマ」の2誌による広告枠の販売、紹介ネットワークを活用した業務受託)は、売上高が7.2%減の81百万円、利益が6.9%減の59百万円だった。大型案件がなかったため減収減益だった。

 通期の業績予想については前回予想(26年4月30日付の期初公表値)を据え置いて、構造改革効果や価格改定効果などにより大幅増収増益予想としている。

 通期のセグメント別計画は、MFD事業の売上高が11.4%増の22億55百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が14.9%増の3億53百万円、CID事業の売上高(セグメント間の内部売上高含む)が15.3%増の2億70百万円で営業利益が2億89百万円の損失(前期は2億46百万円の損失)、マーケティング事業の売上高が20.6%増の5億80百万円で営業利益が15.7%増の4億20百万円としている。

 MFD事業については「ミールタイム」一部商品の価格改定効果(26年6月1日より改定)などにより増収増益を見込む。CID事業については26年6月からリテールチャネル営業部門を立ち上げるなど、小売店の新規開拓や商品開発を推進する。マーケティング事業も順調に拡大する見込みだ。

 第1四半期は減収・赤字だが概ね計画水準だった。また第2四半期以降はMFD事業における価格改定効果やCID事業の売上拡大も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、ファン株主2万人構想

 株主優待制度は、毎年3月31日現在で100株(1単元)以上保有株主を対象として、ハイブランド冷食「旬をすぐに」で利用できるお食事クーポン券を、保有株式数に応じて贈呈する。26年4月には株主優待制度の拡充を発表(詳細は会社HP参照)した。優待内容のお食事クーポンを増額し、27年3月末対象より適用する。

 なお25年1月には「ファン株主2万人構想」を発表した。ファンコミュニティ構築に向けて、株主試食会イベントの実施、株主優待制度の開始、株主アンケートの実施、管理栄養士による健康セミナー(株主懇親会)、流通株式比率増加への取り組みなどを推進する。26年5月には立会外分売を実施した。株式分布状況の改善、流動性の向上、および「ファン株主2万人構想」の実現に向けた株主数の増加を図る。

■株価は調整一巡

 株価(25年10月1日付で株式2分割)は反発力が鈍くモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。9月7日の終値は205円、今期予想PER(会社予想のEPS9円92銭で算出)は約21倍、前期実績PBR(前期実績のBPS23円27銭で算出)は約8.8倍、そして時価総額は約27億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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