ブラウプンクト、IFA 2026でレトロカーオーディオを披露 CAN連携対応の「Wolfsburg 648」も

2026年9月7日 00:30

旧車や比較的新しい欧州車のカーオーディオを交換する際は、純正のステアリングスイッチや駐車支援表示などを引き続き利用できるかが重要になる。ブラウプンクトは、2026年9月4日にベルリンで開幕したIFA 2026で、車両のCANバスと連携できる「Wolfsburg 648」や、往年の外観に現代的な機能を組み込んだレトロカーオーディオを展示した。

このほか、ネオジム磁石を採用した薄型スピーカー、デュアルレンズ式リアカメラ、2027年の製品化を見込む折りたたみeバイクの試作機なども披露している。

■車両機能と連携するWolfsburg 648

ホール22のブラウプンクトブースでは、「Frankfurt Stereo」「Frankfurt Stereo Classic」「Wolfsburg 648」のカーオーディオ3機種が展示されている。なかでもWolfsburg 648は、2008年ごろ以降のフォルクスワーゲン、シュコダ、セアトの車両を想定したモデルである。

近年の自動車では、ステアリングスイッチや駐車支援装置、空調などの車載機器が、CAN(Controller Area Network)と呼ばれる車載通信ネットワークを通じて情報をやり取りしている。CANはボッシュが開発した通信方式で、現在はISO 11898シリーズとして国際標準化されている。

純正カーオーディオを市販の製品へ交換すると、製品や車両、接続方法によっては、ステアリングスイッチや車両情報の画面表示を利用できなくなることがある。このため、後付け製品では車種に対応したCANインターフェースなどが必要になる場合がある。

Wolfsburg 648は、純正ステアリングリモコンの操作に加え、イグニッション、照明、車速信号、Park Distance Control、空調情報などを取り込めるCAN接続に対応する。ブラウプンクトの製品情報ではCAN接続はオプションとされており、実際に利用できる機能や必要な接続部品は車種や仕様によって異なる。

本体には7インチのタッチディスプレイを搭載する。有線とワイヤレスのApple CarPlayおよびAndroid Auto、Bluetooth、USB、AV入力に対応し、FM、AM、DAB/DAB+のチューナーも備える。アンプの定格は4Ω時に4チャンネル各45Wとしている。

DAB+は欧州やオーストラリアなどで普及しているデジタルラジオ方式で、日本や米国では放送方式や提供状況が異なる。輸入して使用する場合は、カーオーディオ本体だけでなく、利用地域の放送規格や対応周波数も確認する必要がある。

■往年の外観に現代的な機能

Frankfurt StereoとFrankfurt Stereo Classicは、クラシックカーや比較的新しい旧型車、いわゆるオールドタイマーやヤングタイマーを対象とした製品である。ポルシェやサーブ、フィアットなど、幅広い車種のダッシュボードになじむ外観を意識している。

Frankfurt Stereoは、クロームの縁取りを施した黒い金属製フロントパネルと黒い回転ノブを採用する。Frankfurt Stereo Classicは、アイボリー色のノブと波形のクローム仕上げを組み合わせ、1960~1970年代のカーオーディオを思わせる外観とした。

両機種のデジタルディスプレイは、アナログラジオ風の周波数目盛り表示に切り替えられる。選局操作に合わせて画面上の針が動くため、現代的な表示装置を使いながら、往年の計器に近い雰囲気を演出できる。

機能面ではFM、AM、DAB+の受信に加え、Bluetoothによる音楽再生とハンズフリー通話、USB、AUX入力などに対応する。Frankfurt Stereoは、1970年代のカーオーディオに近い寸法や操作感を意識しながら、スマートフォンとの接続機能を組み込んでいる。

■ネオジム磁石を採用した薄型スピーカー

IFA 2026では、新しい「CLASSIC」スピーカーシリーズも披露された。同軸型の「CLASSIC 100 Cx」「CLASSIC 130 Cx」「CLASSIC 165 Cx」と、コンポーネント型の「CLASSIC 130 Cs」「CLASSIC 165 Cs」の計5モデルで構成される。

CLASSICシリーズはネオジム・鉄・ホウ素磁石を採用し、取り付け奥行きを34.7~44.4mmに抑えている。強い磁力を得られるネオジム磁石を利用することで、磁気回路の小型化と薄型設計につなげた。

取り付けスペースが限られる車両では、スピーカーの奥行きが交換の可否を左右することがある。薄型化によって、車体や内装の加工を抑えながら取り付けられる車種の拡大が期待できる。ただし、実際の適合性は車両側の取り付け穴や周辺部品との位置関係によって決まる。

各モデルは、コーティングしたセルロース製振動板、ラバーエッジ、金メッキ端子、4Ωインピーダンスを採用する。マットブラックのグリルには、現在のブラウプンクトロゴとレトロ調のワードマークを選べる仕様が用意される。

コンポーネント型の2モデルには、独立した25.5mmシルクドームツイーターとクロスオーバーネットワークが付属する。モデルによって最大出力は最大120W、周波数帯域は60Hz~20kHzとしている。

■ワイヤレスリモコンとデュアルリアカメラ

カーエレクトロニクス分野では、ワイヤレスステアリングリモコン「RC-26」も展示された。ステアリングコントロール入力を備えたブラウプンクト製カーオーディオに対応する、9ボタン式のプラグアンドプレイ製品である。

デザインは、同社が1980~1990年代に展開したRC 05からRC-10までのリモコンシリーズを意識した。純正ステアリングスイッチを備えていない車両でも、ステアリング周辺にオーディオ操作用のボタンを追加できる。

バン、ミニバス、キャンピングカー向けには、2基のカメラを備える「RVC 5.2 HD」を用意する。各カメラの向きを個別に調整でき、画角45度のカメラで遠方を、画角115度の広角カメラで車両直後を映す構成である。

近距離用カメラには、無効化可能な赤外線照明と自動ナイトモードを搭載する。距離の異なる2つの範囲を同時に確認しやすくすることで、車体の大きな商用車やキャンピングカーでの後方確認を支援する。

■2027年型折りたたみeバイクの試作機

ブラウプンクトは、2027年世代の20インチ折りたたみeバイクとして、「FIENE」と「HENRI」の試作機を展示した。都市部での移動やレジャーでの利用を想定したモデルである。

両モデルは、取り外し可能な36V・10.5Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載し、重量は約22kgとなる。1回の充電による航続距離は最大80kmとしているが、試作機段階でのメーカー公称値であり、走行条件やアシスト設定などによって変化する。前後のカーゴラックもオプションとして計画されている。

上位仕様に位置付けられるFIENEは、スマートフォンアプリとのBluetooth接続、トルクセンサー、シマノ製油圧ディスクブレーキ、高さを調整できるシートポストを備える。

トルクセンサーは、ペダルに加わる力を検知し、その大きさに応じてモーターのアシスト量を調整する。ペダルの回転を検知する方式に比べ、踏力の変化をアシストへ反映しやすいことが特徴である。FIENEとHENRIの量産仕様モデルは、2027年の投入が見込まれている。

■クラウドを使わない乳児向けセンサー

車両関連製品以外では、ドイツのskyteam smart solutionsがブラウプンクトのライセンスを受けて展開する「BodyTag」も紹介された。乳児の衣服やおむつ周辺に装着し、健康状態を把握するための情報をスマートフォンへ送る小型センサーである。

BodyTagは、心拍数、血中酸素飽和度、体温、心拍変動などを測定し、Bluetooth Low Energyでスマートフォンと直接接続する。データはスマートフォンに保存され、Wi-Fiカメラ、継続的な映像配信、クラウドストレージを必要としない設計となっている。設定した範囲を測定値が外れた場合は、アプリで通知を受け取れる。

同製品は医療機器ではなく、測定値は健康状態を把握するための補助情報と位置付けられている。医療上の監視や診断を代替する製品ではない。

■ル・マン参戦車をブースに展示

ブラウプンクトのブースには、イタリアのレーシングチームIron Lynxが使用する「#79 Mercedes-AMG LMGT3」も展示された。同車はFIA世界耐久選手権とル・マン24時間レースへの参戦車で、ブースはレースのピットを思わせる構成となっている。

ブラウプンクトは2025年にIron Lynxとの提携を開始した。2026年もFIA世界耐久選手権で協力を続けるとともに、提携対象を欧州ル・マン・シリーズへ拡大している。

ブラウプンクトの取締役Frank Goergenは、Mercedes-AMG LMGT3と最新製品を同じブースに展示することで、品質、精度、性能という両者に共通する価値を表現したと説明した。

Iron Lynxのチーム代表兼CEO、Andrea Picciniも、ブラウプンクトとの提携を発展させ、ル・マン24時間レースに参戦した車両をIFAで展示できることへの喜びを示した。

■製品カテゴリーごとに異なるライセンシー

現在のブラウプンクトは、ブランド管理会社established.incが商標を管理し、製品カテゴリーや地域ごとに複数の企業へライセンスを供与する形で事業を展開している。

IFA 2026に出展した車載マルチメディア製品と折りたたみeバイクは、主にドイツ・ハーメルンに拠点を置くEvo-Salesが手がけている。同社はブラウプンクトのライセンスに基づき、これらの製品の開発や販売を担う。

一方、BodyTagはskyteam smart solutionsが製造・販売するライセンス製品である。このように、ブラウプンクトの名称を冠した製品でも、製品カテゴリーによって製造・販売事業者が異なる。

保証期間、修理窓口、アプリの提供主体、サポート条件なども製品ごとに異なる可能性がある。購入時には、ブランド名だけで判断せず、対象製品の製造・販売事業者と適用される保証条件を確認する必要がある。

ブラウプンクトの展示場所は、Messe Berlinのホール22、スタンド125である。IFA 2026は2026年9月8日まで開催される。

元記事: Blaupunkt at IFA 2026: Retro Radios With CAN Bus Integration Debut in Berlin

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