CJ大韓通運、実注文を扱う物流ラインにヒューマノイド2台を投入 韓国業界初と発表

2026年9月7日 00:18

韓国の物流大手CJ大韓通運は、実際の顧客注文を処理する物流センターの梱包工程に、双腕型ヒューマノイドロボット2台を投入した。2025年に実施した現場実証から実運用へ移行し、作業中に蓄積するデータをAIの学習に利用する。

現在の担当作業は箱への緩衝材の投入に限られる。同社は今後、ピッキング、仕分け、検品、梱包などへ適用範囲を段階的に広げ、1台で複数工程を連続して処理できる汎用物流ヒューマノイドの開発を目指す。

■実注文を扱う梱包工程に2台を投入

CJ大韓通運は2026年9月3日、京畿道龍仁市楊智にあるオリーブヤング物流センターの梱包工程に、双腕型ヒューマノイドロボット2台を配置したと発表した。ロボットは梱包ラインを流れる箱の内部に緩衝材を入れ、その後の工程を経て商品が顧客に出荷される。

同社は今回の取り組みを、韓国の物流業界でヒューマノイドを実際の業務工程に適用した初の事例としている。2025年後半には軍浦フルフィルメントセンターで物流現場への適用可能性を検証しており、今回は試験用の作業ではなく、実際の顧客向け物流を扱う工程に範囲を広げた。

実運用から得られるデータをAIの学習へ戻し、ロボットの作業精度や、商品・作業環境の変化への対応力を継続的に高める計画だ。導入台数は2台で、現時点では緩衝材投入という限定された作業を担っている。

■多品種を扱う物流現場への適応を狙う

物流センターでは、形状、寸法、材質の異なる多様な商品を扱い、注文内容によって作業条件も変化する。コンベヤーや固定型ロボットは特定工程で高い処理能力を発揮する一方、新たな作業を追加する際に設備や作業空間の変更が必要になる場合がある。

人に近い腕や上半身の構造を持つヒューマノイドは、人間を基準に整えられた既存の作業空間や設備を利用できる。そのため、専用設備を工程ごとに設置する方式を補い、異なる作業へ展開しやすい技術として期待されている。

今回のロボットが担当する緩衝材の投入でも、箱や内容物の状態に応じて動作を調整する必要がある。CJ大韓通運は、こうした実際の作業データを収集し、認識や動作判断を改善するための学習に活用する。

■視覚・センサーデータを扱うRFMを開発

CJ大韓通運は、ロボットの「頭脳」に当たるロボット・ファウンデーション・モデル(RFM)の高度化を進めている。RFMは、カメラから得る視覚情報や各種センサーのデータなどを用いて周囲の状況を認識し、実行する動作を判断するためのAIモデルである。

同社は、物流現場で取得した作業データに加え、シミュレーションで生成した仮想データも学習に利用する。これにより、新しい商品や作業環境に対する対応力を高め、現場で新たに得られたデータを再び学習へ反映する循環を構築する考えだ。

RFMが基盤となるAIの一種であることは公表されているが、モデルの具体的な構造、学習データ量、認識精度、処理速度などの詳細は明らかにされていない。今回の発表でも、ロボットの作業サイクル、連続稼働時間、人による介入頻度など、実用性を比較するための性能指標は示されていない。

■ロボティズやリアルワールドなどと協業

ロボットのハードウェアではロボティズ、ロボットハンドではエイディンロボティクス、RFMではリアルワールドがCJ大韓通運と協力している。同社は、人間に近い精密な操作を目指すロボットハンドの開発を含む政府支援の研究開発事業にも参加している。

CJ大韓通運は2025年11月、リアルワールドと物流用RFMの共同開発に関する業務協約を結び、同社の資金調達にも戦略的投資家として参加した。両社は物流現場で得られるピッキング、仕分け、梱包などのデータを使い、ロボットハンドを制御するAI技術の開発と現場検証を進める方針を示している。

ヒューマノイドにつながる身体構造と、視覚やセンサー情報を基に動作を選ぶRFMを組み合わせることで、人向けに構成された物流施設に対応しながら、複数工程へ利用範囲を広げる狙いがある。

■ピッキングや仕分け、検品へ段階的に拡張

CJ大韓通運は、今回の緩衝材投入を出発点として、商品ピッキング、仕分け、検品、梱包など、より複雑な作業へ適用範囲を広げる計画だ。最終的には、1台のロボットが複数の物流工程を連続して処理する汎用物流ヒューマノイドを目標としている。

ただし、各作業への展開時期や追加導入台数、投資額、処理能力の目標は公表されていない。現在の取り組みは、2台のロボットを実際の梱包工程に組み込み、限定された作業から運用データを蓄積する段階にある。

韓国では製造業従業員1万人当たりの産業用ロボット数が1220台と、国際ロボット連盟の集計で世界最高となっている。製造業で蓄積されてきたロボット活用の経験を、多品種の商品を扱う物流分野へどのように展開できるかが、今後の焦点になる。

元記事: CJ Logistics Runs Humanoid Robots on Live Packaging Lines in Korean Warehouse First

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