SpaceX「Crew-13」、Dragonの酸化剤漏れで延期 打ち上げは早くても9月下旬

2026年9月6日 17:14

SpaceXの有人宇宙船Dragonの推進系で酸化剤漏れが見つかり、NASAとSpaceXは国際宇宙ステーション(ISS)へ向かうCrew-13の打ち上げを延期した。NASAのミッション情報では、打ち上げは早くても2026年9月下旬とされている。

Crew-13にはNASAの宇宙飛行士2人のほか、カナダ宇宙庁とロスコスモスから各1人が参加する。カナダ宇宙庁のジョシュア・クトリクにとって初の宇宙飛行となり、NASAの商業有人飛行プログラムに参加する初のカナダ宇宙庁所属宇宙飛行士となる予定だ。

■Dragonの推進系で酸化剤漏れ

NASAは8月29日、通常の打ち上げ前整備の過程で、Crew-13に使用するDragonの推進系から酸化剤が漏れていることを確認したと発表した。当初はフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から、9月12日以降に打ち上げる予定だった。

NASAとSpaceXの合同チームは、追加試験と機体データの検証を進めている。必要な作業を完了したうえで、新たな打ち上げ目標日を決定する方針だ。

NASAは漏れが発生した具体的な部品、漏出量、酸化剤の種類を公表していない。Dragonの推進系は、軌道変更や姿勢制御など飛行中の重要な操作を担うため、原因の特定と機体の健全性確認が打ち上げの前提となる。

9月上旬に更新されたNASAのミッション情報では、打ち上げ時期は「早くても9月下旬」とされている。ただし、具体的な日時はまだ設定されていない。

■4人がISSの長期滞在任務へ

Crew-13には、NASAのジェシカ・ワトキンスが船長、ルーク・デラニーがパイロットとして搭乗する。カナダ宇宙庁のジョシュア・クトリクと、ロスコスモスのセルゲイ・テテリャトニコフがミッションスペシャリストを務める。

ワトキンスは2022年のCrew-4でISSに滞在し、宇宙で計170日を過ごした。Crew-13で再び飛行すれば、SpaceXのDragonで2回打ち上げられる初のNASA宇宙飛行士となる。

元海軍飛行士のデラニーにとっては、今回が初の宇宙飛行となる。NASAのラングレー研究センターでは研究パイロットとして、航空機を使った科学ミッションなどを支援してきた。

クトリクも初飛行で、NASAの商業有人飛行プログラムに参加する初のカナダ宇宙庁所属宇宙飛行士となる。カナダ空軍の大佐で、CF-18戦闘機のパイロットや実験飛行試験パイロットとして、40種類を超える航空機で4,000時間以上の飛行経験を持つ。2017年にカナダ宇宙庁の宇宙飛行士に選ばれた。

クトリクは当初、BoeingのStarliner-1に割り当てられていた。しかし、Starliner-1が無人の貨物飛行へ変更されたことを受け、2026年4月にCrew-13への参加が発表された。今回の飛行は、カナダ宇宙庁の宇宙飛行士によるISS長期滞在任務としては4人目に当たる。

ロスコスモスのテテリャトニコフも、今回が初の宇宙飛行となる。船舶用動力設備を専門とする技術者としての経歴を持ち、2023年にロスコスモスの試験宇宙飛行士に認定された。

■健康や長期宇宙飛行に関する研究を実施

4人はISS到着後、第75次長期滞在のメンバーに加わる。カナダ宇宙庁によると、クトリクの滞在期間は約6カ月を予定している。

Crew-13の乗組員は、心疾患やパーキンソン病に関係する研究の一環として、ヒトの幹細胞から作製した組織を調べる。こうした研究は、疾患モデルや医薬品試験の改善につながる知見を得ることを目指している。

このほか、長期宇宙飛行に向けた作物生産、宇宙滞在中にみられる血流の変化、乗組員の健康状態を把握する診断機器などの研究や実証にも取り組む予定だ。ISSの微小重力環境を利用し、地上とは異なる細胞や人体の変化を調べる。

■Crew-13は商業有人飛行の13回目の交代任務

Crew-13は、NASAの商業有人飛行プログラムにおけるSpaceXの13回目のISS乗組員交代任務である。有人試験飛行のDemo-2を含めると、同プログラムでDragonが宇宙飛行士を運ぶ14回目の飛行となる。

ミッションは当初、2026年11月の打ち上げを予定していた。NASAは米国側の乗組員交代ミッションの頻度を高めるため、打ち上げ時期を9月へ前倒ししていた。

打ち上げにはSpaceXのFalcon 9ロケットを使用し、ケープカナベラル宇宙軍基地の第40発射施設からISSへ向かう。酸化剤漏れに関する追加試験、データ検証、必要な整備が完了した後、NASAとSpaceXが新たな目標日を発表する。

■緊急退避車両にCybertruckを採用

Crew-13では、発射台で緊急事態が起きた際に乗組員を危険区域外へ運ぶ車両として、TeslaのCybertruckが初めて使われる予定だ。従来は耐地雷・待ち伏せ攻撃防護車両のMRAPが配置されていた。

Cybertruckへの変更はSpaceXが選択したもので、NASAとSpaceXは宇宙服と手袋を着用した乗組員が乗降や車両の操作を行えるかなど、緊急時に想定される条件への対応能力を評価した。打ち上げが延期された後も、この退避計画はCrew-13の運用に組み込まれている。

元記事: SpaceX Crew-13 Hold: Dragon Oxidizer Leak Delays First Canadian in Commercial Crew

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