MacBook Air M4が799ドル、Dell XPS 13は699ドル 米国のレイバー・デーセールを検証

2026年9月3日 00:48

米国では9月7日のレイバー・デーに向け、家電量販店やメーカーがノートPC、スマートフォン、テレビなどのセールを展開している。MacBook Air M4の799ドル(約12万8000円)やDell XPS 13の699ドル(約11万2000円)など、通常価格を下回る商品が見つかる一方、メモリ価格の上昇を受けてメーカー希望小売価格そのものを引き上げる動きも広がっている。

割引率だけで判断せず、値上げ前の価格や過去の実売価格、下取りや通信契約の条件まで確認することが、例年以上に重要なセールとなっている。なお、以下の価格とキャンペーンは米国市場向けであり、日本での販売価格や利用条件とは異なる。

■AI需要が押し上げるメモリ価格

AIサーバーの増設が続くなか、AIアクセラレーターに搭載される広帯域メモリ(HBM)の需要が急拡大している。HBMはDRAMダイを積層して大量のデータを高速に転送するメモリで、一般的なPC用DRAMより多くの製造能力を必要とする。

Micronの説明では、同じ容量を同じ技術世代で製造する場合、HBM3EはDDR5のおよそ3倍のウェハー投入量を消費する。メーカーがHBMの生産を増やすほど、PCやスマートフォンなどに使われる従来型DRAMの供給にも圧力がかかりやすい構造だ。

DRAM市場ではSamsung Electronics、SK hynix、Micronの大手3社が大半を占めるが、中国のCXMTなどもシェアを伸ばしている。このため、大手3社だけで世界のDRAM生産の95%以上を占めるという見方は、現在の市場構成を正確には表していない。

OpenAIはSamsungおよびSK hynixとの提携を通じ、将来的に月90万枚規模のDRAMウェハー投入を目標としている。これは確定した購入量ではなく、AIインフラの拡大に対応して両社が目指す生産能力の規模を示したものだが、AI関連需要の大きさを象徴している。

価格上昇は完成品メーカーのコストにも表れている。HPは2026年第1四半期の決算説明で、同社製PCの部材原価に占めるメモリの割合が、前四半期の約15~18%から約35%へ上昇するとの見通しを示した。

Gartnerは2026年のDRAM価格が年間で125%、NANDフラッシュ価格が234%上昇すると予測し、意味のある価格緩和は2027年後半まで見込みにくいとしている。また、メモリとSSDのコスト上昇によって低価格PCの採算性が悪化し、500ドル未満のエントリーPC市場は2028年までに姿を消すとの見方を示している。

■MacBook Air M4は799ドル、過去最安値ではない

Best Buyでは、13インチMacBook Air M4の16GBユニファイドメモリ、256GB SSDモデルが799ドルで販売されている。2025年の発売時にAppleが設定した999ドルから200ドル安い。

同モデルは13.6インチのLiquid Retinaディスプレイ、M4チップ、12MP Center Stageカメラを備え、本体を閉じた状態でも最大2台の外部ディスプレイに接続できる。799ドルの基本構成に搭載されるGPUは8コアであり、10コアGPUは上位構成となる。

もっとも、M4搭載MacBook Airは2026年3月にM5モデルが登場したことで旧世代製品となった。さらに、同じ16GBメモリ、256GB SSD構成は2025年のサイバーマンデーにAmazonで約738ドルまで値下がりしている。このため、799ドルは発売時価格から見れば大幅な値引きだが、過去最安値ではない。

購入時には、旧世代であることと256GBというストレージ容量を踏まえて判断したい。文書作成、ウェブ閲覧、動画視聴、一般的な業務には十分対応できるが、大容量の写真や動画、開発環境を本体に保存する用途では、外部ストレージや上位構成も検討対象になる。

■Dell XPS 13は699ドルから

Dellの2026年モデル「XPS 13」は、米国のDell直販サイトで699.99ドルから販売されている。対象となる学生は599ドルから購入できる。

基本構成は13.4インチの2.5Kタッチディスプレイ、Intel Core 5 320、8GBのLPDDR5Xメモリ、512GB SSDを搭載する。CNC加工のアルミニウム筐体を採用し、約1キログラム、厚さ12.7ミリという携帯性も特徴だ。

8GBメモリはウェブ閲覧や文書作成などの基本用途には対応するが、複数の業務アプリや多数のブラウザータブを同時に使う場合には余裕が少ない。メモリは基板に実装され、購入後の増設を前提にできないため、長期間使用するなら16GB構成も比較したい。

日本ではXPS 13が15万4800円から販売され、16GB構成も用意されている。米国の学生向け価格をそのまま日本で利用できるわけではないため、日本の読者は国内販売価格、保証、キーボード配列を含めて比較する必要がある。

■AcerとLenovoのセール対象モデル

Best Buyでは、Ryzen 7 7730U、16GBメモリ、512GB SSDを搭載する15.6インチのAcer Aspire Go 15が、通常価格699.99ドルから549.99ドル(約8万8000円)に値下げされている。Ryzen 7 7730Uは最新世代のプロセッサーではないものの、一般的なオフィス作業やウェブ利用を想定した構成だ。

Acer Chromebook Plus Spin 714は、Intel Core Ultra 5 115U、8GBメモリ、256GB SSD、14インチのタッチディスプレイを搭載する2-in-1 Chromebookである。実売価格は変動しており、9月初めのBest Buyでは669ドルとなっているため、原則799ドルから599ドルへの値下げという情報は現在の販売ページと一致しない。

Lenovo IdeaPad Slim 3xは、Snapdragon X、16GBメモリ、512GB SSD、15.3インチのタッチディスプレイを搭載したCopilot+ PCだ。Lenovo直販では通常価格として示される1199.99ドルから699.99~799.99ドルに値下げされた構成が確認できる。

Snapdragon Xを搭載するWindows PCは省電力性を特徴とする一方、Arm版Windowsで動作する。一般的なアプリの多くは利用できるが、購入前には業務で必要な周辺機器、ドライバー、古い業務ソフト、仮想化環境などの対応状況を確認したい。

■スマートフォンの「無料」は長期の請求割引

米通信事業者が掲げるスマートフォンの「無料」や大幅値引きは、多くの場合、端末価格を24~36カ月間の請求額控除で相殺する仕組みだ。対象プランへの加入、新規回線の追加、対象端末の下取りなどが条件となり、期間途中で回線を解約すると残りの控除を受けられなくなることがある。

T-MobileではiPhone 17 ProやPixel 11を対象としたキャンペーンが実施されている。ただし、iPhone 17 Proの割引額や下取り条件は料金プランによって異なり、どの端末でも無条件に全額が相殺されるわけではない。

Galaxy Z Fold8シリーズについても、Best Buyでは下取りを組み合わせた割引が案内されているが、最大1200ドル引きとギフトカードの組み合わせは予約期間中のキャンペーンだった。レイバー・デー時点では、新品のGalaxy Z Fold8 Ultraが300ドル引き、良好な状態のオープンボックス品が最大600ドル引きとなるなど、条件が変わっている。

キャリアを変更する可能性がある人や、対象となる高額プランを必要としない人は、請求額控除の総額だけでなく、契約期間中の通信料金を含む総支払額とSIMフリー端末の価格を比較した方がよい。

■Amazonデバイスは値上げ前価格との比較を

Amazonは2026年8月、米国でEcho、Kindle、Fire TV、eeroの一部製品を値上げした。Echo Dotは49.99ドルから79.99ドル、16GBのKindleは109.99ドルから149.99ドル、Kindle Paperwhiteは159.99ドルから199.99ドル、Fire TV Stick 4K Maxは59.99ドルから84.99ドルへ上昇した。

Amazonはメモリとストレージ部品の大幅なコスト上昇を理由に挙げている。レイバー・デーの値引きが適用されても、値上げ前の通常価格を下回るとは限らない。このため、現在の希望小売価格だけでなく、8月以前の実売価格とも比較する必要がある。

AmazonのAIインフラ投資がメモリ不足の主因であると断定することはできない。AIデータセンター全体の需要拡大がメモリ需給に影響している一方、個々の企業の投資額と特定の消費者向け製品の値上げを直接の因果関係で結ぶには、より詳しい供給契約や調達量の情報が必要になる。

■テレビと家電も価格履歴を確認

Best Buyのレイバー・デーセールは9月7日まで開催される。テレビ、PC、スマートフォン、家電などが対象で、在庫数が限られる商品もある。

LGの65インチ有機ELテレビ「OLED evo C6」は、米国で通常価格2699.99ドルから1200ドル引きの1499.99ドル(約24万円)となっている。2026年モデルで、α11 AI Processor 4K Gen3や最大165Hzの可変リフレッシュレートに対応する。

一方、テレビや家電のセールでは、画面サイズや型番、販売元、設置サービスの有無によって価格条件が大きく変わる。「最大○ドル引き」や「最大50%引き」という表示だけでなく、購入する型番の実売価格と過去の販売価格を確認したい。

■値引き率より実売価格と条件を確認

今回のセールでは、実際に通常価格を下回る商品がある一方、旧世代製品の在庫処分、値上げ後の希望小売価格を基準とした割引、下取りや長期契約を条件とするキャンペーンが混在している。

Amazonの商品であればCamelCamelCamelなどの価格追跡サービスを使い、過去の実売価格を確認できる。メーカー直販や家電量販店についても、複数の販売店や価格追跡記事を照合し、比較対象となる構成、容量、型番が同じかを確認することが重要だ。

元記事: Labor Day 2026: MacBook Air M4 Hits $799 as AI Memory Locks In Higher Price Floors

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