【決算分析】米デルの2027年度Q2は売上高58%増、AIサーバー好調で通期見通しを上方修正

2026年9月2日 23:08

米デル・テクノロジーズ(Dell Technologies)は9月1日、2027年度第2四半期(2026年5-7月期)の決算を発表した。売上高と1株当たり利益が市場予想を上回っただけでなく、AI最適化サーバーの受注残は950億ドル(約15兆2000億円)に拡大した。インフラ部門の営業利益率も15.0%へ上昇し、AIサーバーの急成長が利益率を圧迫するとの懸念に対して、今四半期は明確な改善を示した。

■売上高は58%増、調整後EPSは203%増

2026年7月31日までの第2四半期の売上高は469億7100万ドル(約7兆5155億円)となり、前年同期比58%増加した。希薄化後1株当たり利益(EPS)は6.34ドルで273%増、非GAAPベースの希薄化後EPSは7.04ドルで203%増となった。

市場予想との比較では、調整後EPSが7.04ドルとなり、LSEGがまとめた予想の4.92ドルを上回った。売上高も469億7000万ドルで、予想の449億2000万ドルを上回っている。

全社の売上総利益は98億3000万ドルで前年同期比80%増加し、売上総利益率は前年同期の18.3%から20.9%へ上昇した。営業利益は53億8500万ドルで204%増え、営業利益率も6.0%から11.5%へ改善した。

■AIサーバー受注残は950億ドルに拡大

AI最適化サーバーの売上高は164億100万ドル(約2兆6242億円)となり、前年同期から倍増した。Dellは四半期中に609億ドル(約9兆7440億円)のAIサーバーを受注し、期末の受注残は過去最高の950億ドルに達した。

前四半期のAIサーバー売上高は161億ドル、受注額は244億ドル、受注残は513億ドルだった。第2四半期は売上高の伸びが比較的小幅にとどまる一方、受注額が出荷・売上計上額を大きく上回り、将来の納入対象となる注文が一段と積み上がった。

受注残は将来の需要規模を示す重要な指標だが、売上高を計上する時期や最終的な利益率まで一律に確定するものではない。製品構成、部品価格、納入時期、顧客側のデータセンター整備状況などが、売上への転換ペースや採算に影響する。

■ISGの営業利益率は15.0%へ改善

AIサーバーを含むインフラストラクチャ・ソリューションズ・グループ(ISG)の売上高は317億8200万ドルとなり、前年同期比89%増加した。営業利益は47億8100万ドルで225%増え、営業利益率は前年同期の8.8%から15.0%へ上昇した。

前四半期のISG営業利益率は10.5%だったため、今四半期は4.5ポイント改善したことになる。AI最適化サーバーがISG売上高の半分を超える規模に達する中でも、部門全体では利益率の低下ではなく上昇が確認された。

AIサーバーでは、高価なGPUやメモリ、ネットワーク機器など外部調達部品の比重が大きい。Dellはこれらをサーバー、ストレージ、ネットワーク、電源、液冷設備、管理ソフトウェアと組み合わせ、検証済みのラックスケールシステムとして提供する。

利益率を考えるうえでは、AIサーバー単体の販売量だけでなく、従来型サーバー、ネットワーク、ストレージ、導入支援などを組み合わせたISG全体の構成が重要になる。第2四半期はAI以外のインフラ製品も拡大し、部門全体の利益成長を支えた。

■従来型サーバーとストレージも増収

従来型サーバーおよびネットワーク製品の売上高は105億3100万ドルで、前年同期比122%増加した。伸び率ではAI最適化サーバーの100%増を上回っている。

Dellのジェフ・クラーク最高執行責任者(COO)は、AIやエージェント型AIの処理を支えるために、大規模なCPU演算能力を必要とする顧客が増えていると説明した。GPUを中心とするAIシステムの拡大が、汎用CPUサーバーやネットワーク製品の需要にも波及している形だ。

ストレージ売上高は48億5000万ドルで26%増加した。AIの学習や推論では大量のデータを保存、転送する必要があるため、サーバーと併せてストレージを販売できるかどうかは、DellがAI関連需要から得る売上と利益の幅を広げるうえで重要となる。

ISG以外では、PCなどを扱うクライアント・ソリューションズ・グループ(CSG)の売上高が150億3400万ドルで20%増えた。法人向け売上高は22%増の131億9200万ドル、個人向けは7%増の18億4200万ドルだった。CSGの営業利益は42%増の11億4200万ドル、営業利益率は7.6%となった。

■メモリ価格上昇への対応は引き続き焦点

ISGの利益率は第2四半期に大きく改善したものの、サーバー用メモリをはじめとする部品価格の上昇は今後も採算を左右する要因となる。

市場調査会社TrendForceは、2026年第3四半期のサーバー用DRAM契約価格が前四半期比13~18%上昇すると予測している。メモリ市場では供給不足が続く一方、一部のクラウドサービス事業者が複数年の長期供給契約を結んでおり、契約条件によって値上がりの影響には差が生じるとみられている。

Dellは部品価格の上昇に対応して販売価格の改定を進めている。今回の通期売上高見通しには、投入コストの上昇に伴う価格引き上げの影響も含まれている。このため、売上高の増加だけでなく、価格改定後も出荷量を維持できるか、利益率とキャッシュフローを確保できるかが今後の注目点となる。

■通期のAIサーバー売上高予想を740億ドルへ

Dellは2027年度通期の売上高見通しを従来の1670億ドルから1920億ドル(約30兆7200億円)へ引き上げた。非GAAPベースの希薄化後EPS予想も17.90ドルから25.50ドルへ上方修正した。

AI最適化サーバーの通期売上高予想は600億ドルから740億ドル(約11兆8400億円)へ引き上げた。前年からは約3倍となる見通しだ。上期のAI最適化サーバー売上高は325億3300万ドルであり、通期予想を達成するには下期に約414億7000万ドルの売上計上が必要となる。

第3四半期については、売上高を490億ドル(約7兆8400億円)、GAAPベースの希薄化後EPSを6.10ドル、非GAAPベースを6.50ドルと予想している。

■利益成長とキャッシュフローの差にも注意

第2四半期の純利益が前年同期比255%増の41億3300万ドルとなった一方、営業活動によるキャッシュフローは13%減の22億2500万ドルだった。急速な売上拡大に伴って、在庫や売掛金など運転資本に必要な資金が増えていることが背景にある。

Dellは第2四半期に自社株買いと配当を通じて43億ドルを株主へ還元した。利益と受注残が急拡大する中、受注を実際の製品、売上高、現金収入へ転換するまでの資金負担も今後の決算を評価するポイントになる。

■次世代のPowerEdge XE8812も準備

Dellは、NVIDIAのVera Rubin NVL4アーキテクチャーを採用する次世代サーバー「Dell PowerEdge XE8812」を発表している。OCP標準を基礎とする「Dell PowerRack 9100」で、1ラック当たり最大144基のGPUに対応する予定だ。

XE8812はCPUとGPUを直接水冷するファンレス設計を採用し、300キロワットを超える電力供給に対応する。Dellは2027年初めの世界提供開始を予定している。

AIインフラが高密度化するほど、サーバー本体だけでなく、ラック設計、電源、冷却、ネットワーク、システム管理を一体で提供する能力の重要性が高まる。こうした統合領域を受注拡大だけでなく継続的な利益へ結びつけられるかが、DellのAIサーバー事業を評価する次の焦点となる。

元記事: Dell Q2 Earnings Test: Record AI Backlog Meets Its First Margin Reckoning

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