ソニー、PS5向け無料ライブTVを米国で開始―広告主にはゲーマー層への接点
2026年9月2日 23:08
ソニー・ピクチャーズ テレビジョンは2026年8月31日、PlayStation 5(PS5)向けの無料広告付き映像サービス「Live TV on PS5」を米国で開始した。100以上のライブチャンネルとオンデマンド番組を、PS5の「メディア」タブから視聴できる。
利用にサブスクリプション契約や別のアプリのダウンロードは不要だが、PlayStationアカウントとの接続が必要となる。カナダへの展開が検討されているほか、2026年後半にはBRAVIAへの拡大も予定されている。日本での提供予定は発表されていない。
■PS5から直接視聴できる無料広告付きサービス
Live TV on PS5は、広告収入によって運営される無料広告付きストリーミングテレビ、いわゆるFASTに位置付けられる。PS5のホーム画面で「メディア」タブを開き、Live TV on PS5のアイコンを選択してPlayStationアカウントでログインすると利用できる。
視聴にあたっては、PlayStationアカウントを使ってSony Pictures COREのアカウントを作成するか、既存のSony Pictures COREアカウントとの接続が必要になる。PlayStation Plusへの加入や追加機器は必要ない。
サービスを運営するソニー・ピクチャーズ テレビジョンは、PS5の中に映像コンテンツの視聴先を直接設けることで、ゲーム利用者と広告主を結び付ける新たな接点をつくろうとしている。広告配信には、コネクテッドテレビ向け広告技術を手掛けるPublicaとPubMaticが参加している。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントでコンシューマー・プラットフォーム&サービス部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるピーター・ウッドは、PlayStationの利用者について、ゲームや動画を楽しむ一方、ほかのコネクテッドテレビ環境には頻繁に現れない可能性があると説明している。Live TV on PS5は、こうした利用者に広告主が接触する機会にもなる。
■映画、アニメ、スポーツなど100以上のチャンネル
開始時点では、映画、テレビ番組、アニメ、スポーツ、ニュース、天気、ゲーム、eスポーツ、ドキュメンタリー、ポッドキャストなど、100以上のライブチャンネルとオンデマンド番組が用意される。番組編成や提供内容は地域によって異なる場合があり、今後変更される可能性もある。
映画分野では、MovieSphere by Lionsgate、50 Cent Action、FilmRise Free Movies、Sony One Horror Hits、Cinevaultなどを提供する。配信作品には『ハンガー・ゲーム』『エリジウム』『ハンコック』『バイオハザード:ザ・ファイナル』『エスケープ・ルーム2:決勝戦』などが含まれる。
テレビ番組では、『コミ・カレ!!』『ザ・シールド ルール無用の警察バッジ』『ヘルズ・キッチン』『ウォーキング・デッド』『Forensic Files』『Unsolved Mysteries』『Deal or No Deal USA』『Fear Factor』『アイスロード・トラッカーズ』などを取り上げる。『コミ・カレ!!』と『ザ・シールド』には、それぞれの作品に特化したチャンネルも設けられる。
スポーツとニュースでは、FOX Sports、NASCAR、NBC Sports Now、UFC、NFL Channel、ABC News Live、NBC News Now、Fox Weather、LiveNOW from FOXなどが参加する。NFL Channelは、試合当日の番組や試合の再放送、オリジナル番組などを24時間編成する無料チャンネルだ。
このほか、Amazon MGM Studios、ESPN、Lionsgate、AMC Global Media、A+E Global Media、Radial Entertainmentなどがコンテンツパートナーに名を連ねている。Spotifyのスポーツ・カルチャーメディア「The Ringer」や、トーク番組「Hot Ones」、サッカー関連のFutcrunchなど、従来のテレビ番組以外のコンテンツも組み込まれる。
■Crunchyrollのアニメとeスポーツ独占チャンネル
アニメ分野では、ソニー傘下のCrunchyrollがLive TV on PS5専用のチャンネルを提供する。『ブラッククローバー』に特化したチャンネルと、複数話をまとめて編成する「Box Sets」チャンネルが独占チャンネルとして用意される。
番組ラインナップには『僕のヒーローアカデミア』『NARUTO -ナルト-』『HUNTER×HUNTER』『美少女戦士セーラームーン』『DEATH NOTE』なども含まれる。ソニーが保有するアニメ事業とPlayStationの利用者基盤を組み合わせられる点は、同サービスの特徴の一つとなる。
eスポーツ分野では、eCLUTCHがLive TV on PS5の独占チャンネルとして北米市場に進出する。ゲーム機上のサービスであることを生かし、一般的な映画やニュースに加えて、ゲーム利用者との親和性が高い番組をそろえる構成だ。
■広告主に新たな視聴者との接点
Live TV on PS5は、PS5をゲーム機としてだけでなく、無料映像コンテンツの視聴先としても利用してもらう狙いがある。動画配信アプリを別途開くことなく、PS5のメディア画面から無料番組へ移れるため、ソニーはコンテンツを見つけて視聴するまでの手間を減らせるとしている。
広告主にとっては、従来のテレビやほかのコネクテッドテレビサービスでは接触しにくいPlayStation利用者へ広告を届ける機会になる。ソニーは広告が利用者にとって関連性のあるものになるよう配慮する方針を示している。
もっとも、100以上のチャンネルが用意されることと、PS5利用者がそれらを継続的に視聴することは別の問題だ。映画やドラマを好きな時間に選ぶオンデマンド視聴が定着するなか、ライブチャンネルをどの程度利用してもらえるかが今後の焦点となる。
Live TV on PS5はライブチャンネルだけでなく、無料のオンデマンド映画や番組も組み合わせている。スポーツやニュースのようにライブ編成と相性のよい分野に加え、作品別チャンネルやアニメ、ゲーム関連番組を用意することで、PS5利用者が繰り返し訪れる視聴先を目指す。
■カナダとBRAVIAへ拡大、日本での提供は未定
サービス開始時点の対象は米国のPS5利用者である。ソニーは次の展開先としてカナダを挙げているが、具体的な開始日は明らかにしていない。さらに地域を広げる可能性についても検討を続けるとしている。
ソニー・ピクチャーズ テレビジョンは、Live TV on PS5の映像サービスを2026年後半にBRAVIAへ拡大する計画も示している。実現すれば、PS5を所有していない世帯にも対象を広げることになる。
日本向けのPlayStation公式サイトや公式ブログでは、2026年9月1日時点でLive TV on PS5の国内提供予定は発表されていない。このため、日本のPS5では現時点で利用できず、今後の提供地域拡大に日本が含まれるかも未定である。
元記事: Live TV on PS5 Launches Free: Sony Now Collects Gaming Profiles in Return