UFO・超常現象に特化した「Spark」登場、ジャック・オズボーンらが共同設立
2026年9月1日 13:00
ジャック・オズボーンらが、UAP(未確認異常現象)や超常現象、意識、古代史、健康などを扱う動画配信サービス「Spark(SPARK TV)」を立ち上げた。米政府がUAP関連資料を相次いで公開するなか、関連作品を一つのサービスに集約し、継続的に視聴したい層の獲得を目指す。
■UAPから意識、健康まで扱う専門配信サービス
Sparkは、ジャック・オズボーン、映像制作者のセレナ・DC、ドキュメンタリー監督のマイケル・マッツォーラが共同で設立した動画配信サービスである。映画、シリーズ、オリジナル番組、インタビュー、調査番組などを配信している。
公式サイトでは、UFOと情報公開、意識、超常現象、サイケデリックス、古代の謎、ヒーリング、バイオハッキング、健康、人間の可能性などを主要分野に掲げている。UAPだけに特化するのではなく、未知の現象や人間の心身をめぐる幅広いテーマを一つの配信先にまとめる構成だ。
オズボーンは2026年8月、UFO分野の新しいポッドキャストをSpark向けに準備しており、そこに多くの力を注いでいると明らかにした。UFOや超常現象を扱う映像作品は独立系の制作が中心になりやすいとして、Sparkでは制作面にハリウッドの知見を持ち込み、関連コンテンツを一つの場所に集約したい考えを示している。
Sparkはウェブのほか、App Store、Google Play、Roku、Amazon Fire TVなどに対応している。公式サイトでは、広告付きプランと広告を抑えた上位プランを案内している。
■米政府が未解決のUAP資料を段階的に公開
Sparkの始動と時期を同じくして、米政府はUAP関連資料の公開を進めている。米戦争省は、国家情報長官室の支援を受け、連邦政府が保有する未解決のUAP記録や歴史資料を調査、機密解除して公開する「PURSUE」を運営している。
最初の資料群は2026年5月8日に公開され、同年8月7日までに第5弾が追加された。資料は複数省庁にまたがり、歴史的な文書、画像、動画、目撃報告などで構成される。公開ページでは、公開日、所管機関、資料の種類などを基に記録を検索できる。
PURSUEに収録されているのは、政府が観測内容の性質を確定できていない事例である。未解決である理由には、判断に必要なセンサーデータや裏付け情報が不足している場合も含まれる。資料の公開は、それぞれの現象について特定の起源や説明を認定したことを意味するものではない。
こうした資料の増加は、映像や文書を確認したうえで、背景や複数の解釈を知りたい視聴者の需要を生み出す。Sparkは、UAPを扱うドキュメンタリーや調査番組をまとめて提供することで、その関心を継続的な視聴につなげようとしている。
■AARO報告が示す「未確認」と「未解決」の意味
米政府でUAPの調査を担当する全領域異常解決局(AARO)は、2025会計年度の年次報告書で、2024年6月2日から2025年5月30日までを中心に319件の報告を受けたと明らかにした。これにより、AAROが保有する報告は計1870件となった。
319件のうち114件は同報告書の対象期間中に解決され、気球、鳥、衛星、航空機、無人航空システム、ロケットの打ち上げ、有人ジェットパックなど、通常の物体や活動に起因すると評価された。過去に受理したものを含めると、同期間中に計370件が解決された。
一方、191件は判断に必要なデータが不足しているため、追加情報や分析技術の進展を待つ「アクティブ・アーカイブ」に移された。さらに9件は、情報機関や科学技術分野の専門家による追加分析が必要と判断された。
AAROは、解決した事例から外国の高度な敵対技術や画期的な技術を示す証拠は確認されなかったとしている。また、米政府または民間組織がUAP由来の物質を回収、利用したことを示す証拠もないと報告した。
ここでいう「未確認」や「未解決」は、観測対象の正体を現在の資料だけでは特定できないという分類である。公開資料を扱う番組には、目を引く映像や証言だけでなく、データの量や品質、既知の現象による説明の可能性を区別して伝える姿勢が求められる。
■映像制作の経験を持つ3人が共同設立
セレナ・DCは制作会社Elysium Mediaの創設者で、Sparkの構想を立ち上げた人物である。意識、スピリチュアリティ、UFO、超常現象などに関心を持つ視聴者に向け、従来よりも現代的で映像品質の高いサービスをつくることを目指したという。
マッツォーラは、UAPを題材にしたドキュメンタリー「Unacknowledged」や「Close Encounters of the Fifth Kind」を監督した。こうした分野での制作経験を持つ創設者が参加することで、Sparkは既存作品の配信に加え、独自番組や調査コンテンツの制作にも重点を置く。
オズボーンも10年以上にわたり、超常現象を扱うテレビ番組に出演してきた。「Haunted Highway」「Portals to Hell」「The Osbournes Want to Believe」「Jack Osbourne's Night of Terror: UFOs」などを通じて築いた経験と知名度を、新サービスの企画や認知拡大に生かす。
■健康やバイオハッキング分野にも拡大
Sparkの対象はUAPや超常現象に限られない。2026年4月には、身体の動きやセルフケアを扱うHuman Garageと、健康・ウェルネス番組を制作する12番組の契約を結んだと発表した。
この提携により、サービスは健康、バイオハッキング、身体能力といった分野にもコンテンツを広げる。Human Garageが掲げる健康上の主張については番組ごとに検証が必要だが、契約自体はSparkが総合的な「未知と人間の可能性」を扱うサービスを志向していることを示している。
意識研究も、Sparkが掲げる主要テーマの一つである。意識が脳の活動からどのように生じるのかは、神経科学と哲学にまたがる研究課題であり、デイヴィッド・チャーマーズが提起した「意識のハード・プロブレム」もその議論を整理する枠組みとして知られる。
ロジャー・ペンローズとスチュワート・ハメロフが提唱したOrch-OR理論は、神経細胞内の微小管と量子的な過程を意識に結びつけようとする仮説である。意識の仕組みを説明する確立した理論ではないものの、意識研究が物理学、神経科学、哲学を横断するテーマであることを示す一例にはなる。
米政府も1970年代から1990年代にかけて、遠隔透視を情報収集に利用できるかを検討する研究に関与した。関連資料は後に機密解除されたが、1995年の外部評価は、遠隔透視が実用的な情報活動に役立つことを裏付けられないと結論づけた。政府が研究したという事実と、対象となった能力の有効性が確認されたことは分けて捉える必要がある。
■専門サービスとして問われるキュレーション
Sparkの特徴は、総合配信サービスにも点在するUAP、超常現象、意識、健康関連の作品を、一つのテーマ体系の中で探せるようにした点にある。公式サイトでは、既存のドキュメンタリーに加え、オリジナル番組、インタビュー、調査作品、フィクションも扱っている。
UAPを題材にした映像市場では、政府関係者ら34人へのインタビューで構成されたドキュメンタリー「The Age of Disclosure」が2025年11月にAmazon Prime Videoでレンタル・購入向けに配信され、注目を集めた。同作が示した主張の多くは出演者の証言に基づくため、証言内容と独立して確認された事実を区別する必要があるが、UAPを扱う長編映像への関心の大きさを示す事例になった。
Sparkにとって重要になるのは、関心を引く作品をそろえることだけではない。政府資料、制作者や出演者の主張、科学的な仮説、娯楽としての演出を区別し、視聴者がそれぞれの位置づけを理解できる形で提示できるかが、専門サービスとしての価値を左右する。
オズボーンが準備しているUFO分野のポッドキャストは、2026年8月末の時点では配信開始が確認されていない。今後、独自番組をどこまで充実させ、複数分野にまたがるコンテンツを分かりやすく整理できるかが、総合配信サービスとの差別化を図るうえでの焦点となる。
元記事: Jack Osbourne’s SPARK TV Opens as Pentagon Drops Biggest UFO Archive in History