米エヌビディア株、次の上昇材料は株主還元か―アップル型の評価上昇に期待

2026年8月29日 02:07

 米半導体大手エヌビディアは人工知能(AI)ブームを象徴する銘柄として急成長してきた。今後は巨額の現金を株主に還元する取り組みが、株価の新たな上昇材料になる可能性がある。

 Yahoo Financeが紹介した米証券会社エバーコアISIの分析によると、エヌビディアは配当と自社株買いを拡大することで、株価評価を下支えできる可能性がある。株主還元の拡大に伴って株価収益率(PER)が上昇したアップルと同様の展開を想定したものだ。エヌビディアが中核のAI事業で高成長を続ける一方、株主還元を大幅に増やしていることが背景にある。

 エヌビディアは2027年1月期第2四半期に、過去最大となる約260億ドルを株主に還元した。Yahoo Financeによると、このうち約200億ドルが自社株買い、約60億ドルが四半期配当だった。

 同社の四半期配当は現在、1株当たり0.25ドルである。2026年5月に、それまでの0.01ドルから25倍に引き上げた。

 エヌビディアによると、第2四半期末時点で自社株買い枠は約990億ドル残っていた。次回の四半期配当は1株当たり0.25ドルで、9月10日時点の株主を対象に10月1日に支払う予定である。

 アップルとの比較が注目されるのは、エヌビディアでも、例外的な成長率をどこまで維持できるかという投資家の懸念を背景に、PERが低下する局面が生じていたためだ。

 エバーコアISIのマーク・リパシス氏は、アップルのPERが約5年間にわたって低下した後、株主還元の拡大に伴って2015年ごろから上昇に転じたと指摘した。同氏は、エヌビディアでも株主還元の増加がPERの上昇につながる可能性があるとみている。

 エヌビディアには、株主還元を支える高い収益力がある。2027年1月期第2四半期の売上高は前年同期比106%増の962億2100万ドルとなった。非GAAPベースの希薄化後1株利益は2.22ドルだった。データセンター部門の売上高は117%増の890億ドルに達し、生成AIやエージェント型AIなどの高度な処理を支えるコンピューティング基盤への需要が続いていることを示した。

 業績はYahoo Financeがまとめた市場予想も上回った。市場予想は非GAAPベースの1株利益が2.09ドル、売上高が923億ドルだった。エヌビディアは今後も高成長が続くとの見通しを示した。

 2027年1月期第3四半期については、売上高を1080億ドルのプラス・マイナス2%と予想した。金額に換算すると、おおむね1058億〜1102億ドルとなる。予想通りなら、四半期売上高が初めて1000億ドルを超える。

 同社は、この見通しに中国向けデータセンター用コンピューティング製品の売上高を織り込んでいない。

 急増する売上高と潤沢なフリーキャッシュフローに加え、株主への分配拡大が進めば、エヌビディア株にはAI市場の成長期待とは別の投資材料が加わる可能性がある。

 エヌビディアの株主還元方針は、2026年に入って大きく変化した。同社は5月、四半期配当を1株当たり0.01ドルから0.25ドルに引き上げるとともに、期限を設定しない800億ドルの自社株買い枠を追加した。

 Yahoo Financeによると、経営陣は2026年中にフリーキャッシュフローの50%以上を株主に還元する方針を示している。Yahoo Financeは、第2四半期までの還元額が年初来のフリーキャッシュフローの60%に相当すると伝えた。

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