エヌビディア、2028年度は70%増収見通し―アップル・アルファベット超えの米テック売上高2位視野
2026年8月28日 09:55
エヌビディアは、人工知能(AI)向け需要の拡大を背景に、年間売上高で米主要テクノロジー企業の2位に浮上する可能性が出てきた。同社は2028年1月期の売上高が前年度比約70%増えるとの見通しを示しており、市場予想を前提にするとアップルとグーグル親会社アルファベットを上回る規模に達する可能性がある。
エヌビディアのコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は、2027年1月期第2四半期決算の説明会で、2028年1月期の売上高が約70%増加するとの見通しを示した。LSEGがまとめたアナリスト予想の平均である約44%増を大きく上回る。
米CNBCによると、ウォール街が予想する2027年1月期売上高約3960億ドル(約63兆円)に70%の増収率を当てはめると、2028年1月期の売上高は約6730億ドル(約107兆円)となる。この水準に達した場合、市場予想に基づく比較ではアップルとアルファベットを上回り、米主要テクノロジー企業ではアマゾン・ドット・コムに次ぐ規模になる可能性がある。
異例の長期見通しは、急速な事業拡大が続いた第2四半期決算に続いて示された。7月26日までの第2四半期の売上高は962億ドル(約15兆3000億円)と、前年同期比106%増、前四半期比18%増となった。AI半導体を含むデータセンター部門の売上高は過去最高の890億ドル(約14兆1000億円)で、前年同期比117%増えた。非GAAPベースの希薄化後1株利益は2.22ドルだった。
エヌビディアは第3四半期の売上高を1080億ドル(約17兆2000億円)、上下2%と予想している。この見通しには、中国向けデータセンター用コンピューティング製品の売上高を織り込んでいない。
ロイター通信によると、同社はAIインフラへの投資継続と、次世代プラットフォーム「Vera Rubin」の立ち上がりによる恩恵を受けている。一方、AIデータセンター建設に伴うハードウエア需要の拡大を背景に、メモリーなどの部品不足が成長の制約となっている。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け説明会で、「需要は70%をはるかに上回っている」と述べた。そのうえで、現在確保できる供給量を踏まえれば、70%の増収を確信を持って実現できるとの認識を示した。
エヌビディアが約1年先の年度について売上高成長率を示すのは異例である。フアンCEOは、顧客が将来必要とするコンピューティング能力をこれまで以上に把握できるようになったと説明した。また、エヌビディアの製品供給に必要な土地、電力、サプライチェーンなどを担う提携先にも、同じ需要見通しを共有する必要があると述べた。
顧客層も、生成AI投資の初期段階をけん引した大手クラウド事業者以外へ広がっている。エヌビディアは、地域のAI事業者、ネオクラウド企業、スタートアップ、一般企業などから成る「ACIE」分野が顧客基盤の中で存在感を高めていると説明している。データセンター部門の売上高のうち、大手ハイパースケーラー以外の顧客からの売上高はおよそ半分を占める。
エヌビディアは、こうした顧客によるAIインフラ整備を支える資金調達にも関与している。同社は8月10日、アポロ、ブラックロック、ブラックストーン、ブルックフィールド、ゴールドマン・サックス、KKRと戦略的提携に関する覚書を締結したと発表した。各社が独立したコンピューティング向け資金調達プラットフォームを設け、長期的に5000億ドル(約79兆6000億円)を超える第三者資本をAIインフラ整備に動員することを目指す。
同社の成長規模は通期決算にも表れている。2026年1月期の売上高は前年度比65%増の2159億ドル(約34兆4000億円)となり、データセンター部門の売上高は1973億ドル(約31兆4000億円)に達した。最新の見通しは、売上高の基盤が大幅に拡大した後も、2028年1月期には増収率が再び加速すると会社側がみていることを示している。