日本郵船が上場来高値―海運株の上昇は続くか、商船三井・川崎汽船と比較

2026年8月26日 14:37

 日本郵船は2026年8月21日、一時7137円を付け、株式分割を考慮した上場来高値を更新した。商船三井と川崎汽船も上昇し、海運株への注目が再び高まっている。海運大手3社の決算から、株価上昇が続く条件を探る。

 海運株を押し上げているのは、中東情勢の緊迫化に伴う海上運賃上昇や、業績の拡大と株主還元への期待だ。一方、運賃市況や為替、燃料価格の変動は利益を左右する。株価が高値圏にあるだけに、今後は各社の収益力の違いを見極めたい。

 日本郵船の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比21.1%増の7276億円、経常利益が27.3%増の712億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が33.5%増の671億円だった。通期の同利益は2400億円を予想している。年間配当の会社予想も従来の200円から240円へ引き上げた。

 商船三井の第1四半期は、売上高が7309億円、経常利益が521億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が610億円だった。連結子会社の決算期変更に伴って、一部の連結子会社について6カ月分の損益を取り込んでいるため、前年同期との単純比較ができない。通期の同利益は2400億円、年間配当は前期比5円多い205円を予想している。

 川崎汽船の第1四半期は、売上高が前年同期比17.1%増の2868億円、経常利益が10.9%増の240億円となった。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は21.9%減の233億円だった。通期の同利益は1350億円、年間配当は120円を予想している。上限1300億円の自己株式取得も進めている。

 3社はいずれも、共同出資するONEを通じたコンテナ船事業のほか、自動車船、ドライバルク船、エネルギー輸送などを展開しているが、事業構成や市況変動の影響度には違いがある。日本郵船は足元の増益と年間配当予想の引き上げ、商船三井はLNG船などの安定収益、川崎汽船はコンテナ船市況への感応度が注目点となる。

 今後は運賃の推移に加え、中東情勢や航路の正常化時期、円相場や燃料価格、新造船の供給、株主還元策を確認したい。運賃が高水準を維持できても、船舶の供給増によって需給が緩めば利益を圧迫する可能性がある。海運株の上昇が続くかは、市況の追い風を継続的な利益につなげられるかに左右されそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る

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