GoPro「MISSION 1 PRO ILS」は9月発売、Q2売上高は市場予想を約4650万ドル下回る

2026年8月13日 22:22

GoProは2026年第2四半期決算で売上高が前年同期比31%減少し、市場予想も約4650万ドル下回った。一方、レンズ交換式カメラ「MISSION 1 PRO ILS」を9月に発売し、iPhoneおよびiPad向けの新アプリ「Mission Monitor」も同月に提供する計画を明らかにした。

同社は事業売却を含む戦略的選択肢を検討しており、CEOのNicholas Woodmanは、そのプロセスが「後半段階」にあると説明している。ただし、買い手や取引形態、完了時期は公表されていない。製品の購入を検討する場合は、ハードウェアの機能だけでなく、ソフトウェアやクラウドサービスが今後も提供されるかという不確実性も考慮する必要がある。

■売上高は前年同期比31%減、市場予想も大幅に下回る

GoProが8月10日に発表した2026年第2四半期の売上高は1億500万ドル(約166億9500万円、1ドル=159円換算、以下同)で、前年同期比31%減となった。

市場予想は約1億5148万ドルで、実績はこれを約4654万ドル(約74億円)、率にして約30.7%下回った。「前年同期比31%減」と「市場予想を約31%下回った」は数値こそ近いが、それぞれ比較対象が異なる。

カメラのセルスルー(実売台数)は前年同期比38%減の約29万1000台だった。ハードウェア売上高は前年同期の約1億2640万ドルから約7600万ドルへ、約40%減少した。

MISSION 1シリーズは5月28日に小売店での販売が始まったため、第2四半期に販売実績が含まれたのは約1カ月である。したがって、第2四半期を「MISSION 1カメラが小売店で販売された初のフル四半期」とするのは正確ではない。

小売チャネルの売上高は前年同期比48%減の5800万ドルで、総売上高の56%を占めた。GAAPベースの純損失は前年同期の1600万ドルから5100万ドルへ拡大し、1株当たりでは0.30ドルの損失となった。非GAAPベースの純損失は3600万ドル、調整後EBITDAはマイナス2900万ドルだった。

なお、同四半期のGAAPおよび非GAAP損益には、関税の払い戻しによる1900万ドルの利益と、一部の部品購入契約に関連する1500万ドルの費用が含まれている。

■サブスクリプションとサービスは増収

ハードウェア事業が低迷する一方、サブスクリプションおよびサービス部門の売上高は前年同期比11%増の2900万ドルとなった。総売上高に占める割合は、前年同期の17%から28%へ上昇した。

同部門の売上高には、GoProのAIコンテンツライセンスプログラムによる200万ドルが含まれている。

カメラ購入者のうちGoProのサブスクリプションにも加入した人の割合を示すアタッチレートは、前年同期の54%から過去最高の69%へ上昇した。サブスクリプションのユーザー1人当たり平均売上高は、前年同期比9%増、前四半期比5%増となった。

ハードウェアの直販とサブスクリプション・サービス収入を含むGoPro.comの売上高は、前年同期比13%増の4700万ドルとなり、総売上高の44%を占めた。

一方、販売台数の多くを担う小売チャネルは大幅な減収となっている。決算説明会でMorgan Stanleyのアナリスト、Erik Woodringが製品認知について質問したところ、Woodmanは製品とその機能について消費者への説明を続ける必要があると認めた。

■「MISSION 1 PRO ILS」は9月発売

GoProは決算説明会で、同社初のレンズ交換式カメラ「MISSION 1 PRO ILS」を2026年9月に発売すると明らかにした。具体的な発売日は、現時点では公表されていない。

希望小売価格は699.99ドル(約11万1300円)で、条件を満たす既存のGoProサブスクリプション加入者向け価格は599.99ドル(約9万5400円)となる。

MISSION 1 PRO ILSは1インチセンサー、GP3プロセッサー、マイクロフォーサーズマウントを採用し、8K撮影とカメラ内電子式手ぶれ補正「HyperSmooth」に対応する。GoProは、300種類以上のマイクロフォーサーズレンズをサポートすると説明している。

ただし、「300種類以上をサポートする」という説明だけでは、個々のレンズにおける絞り制御、レンズ情報の記録、手ぶれ補正、周辺減光補正など、すべての電子機能が利用できるかまでは分からない。具体的なレンズとの互換性は、GoProが今後公開する対応情報を確認する必要がある。

同製品は耐候性を備えるが、防水ではない。水中で使用する場合には、別途ハウジングが必要となる。

■iPhoneとiPadをモニターにする「Mission Monitor」

GoProは、MISSION 1 PRO ILSの発売に合わせて、iPhoneおよびiPad向けアプリ「Mission Monitor」を9月にAppleのApp Storeで提供する計画も明らかにした。

公表された機能には、iPhoneまたはiPadでのライブプレビュー、フォーカス確認、フレーミング用の構図オーバーレイ、露出設定や撮影を行うための遠隔操作が含まれる。

MISSION 1 PRO ILSはマニュアルフォーカスを前提とするため、カメラ本体より大きな画面でピントや構図を確認できる機能は、映像制作時の使い勝手を高める可能性がある。

一方、アプリの価格、対応するiOSおよびiPadOSのバージョン、カメラとの接続方式、映像表示の遅延、MISSION 1 PRO ILS以外のGoPro製品に対応するかどうかは、現時点では公表されていない。

そのため、「別体のフィールドモニターを完全に置き換えられる」とまでは断定できない。実際の撮影での有用性は、接続の安定性や表示遅延、画質、対応端末などによって変わる。

■1インチセンサー使用時の画角に注意

MISSION 1 PRO ILSはマイクロフォーサーズマウントを採用する一方、撮像素子には標準的なマイクロフォーサーズセンサーより小さい1インチセンサーを使用する。

記事で示されているセンサー寸法を基にすると、標準的なマイクロフォーサーズ機のフルサイズ換算倍率が約2倍であるのに対し、MISSION 1 PRO ILSでは対角線比から約2.7倍となる。

そのため、同じマイクロフォーサーズレンズを使用しても、一般的なマイクロフォーサーズ機より画角が狭くなる。例えば、12mmレンズはフルサイズ換算で約32mm相当、25mmレンズは約68mm相当の画角になる計算だ。

広角撮影を重視する場合は、従来のマイクロフォーサーズ機での使用経験だけでレンズを選ぶと、想定より画角が狭くなる可能性がある。一方、望遠方向の画角を必要とする撮影では、この換算倍率が有利に働く場合もある。

HyperSmoothなどの電子式手ぶれ補正を有効にした場合には、補正用の余白を確保するため、記録時の画角がさらに変化する可能性がある。実際のクロップ量やモードごとの画角は、発売時の公式仕様で確認する必要がある。

MISSION 1シリーズはNAB Show 2026で、RedShark Best in Show、ProductionHUB Award of Excellence、CineD Best of Showのカメラ部門という三つの賞を受賞した。ただし、受賞実績は製品に対する業界評価の一つであり、市場での販売実績や長期的な製品サポートを保証するものではない。

■事業売却を含む戦略的選択肢を検討

GoProの取締役会は2026年5月、会社売却の可能性を含む戦略的選択肢の評価プロセスを承認した。

Woodmanは8月10日の決算説明会で、防衛、一般消費者向け、金融の各分野から関心が寄せられており、プロセスが「後半段階」にあると説明した。

ただし、具体的な買い手、取引形態、売却価格、取引完了時期は開示されていない。「後半段階」という説明だけを基に、売却が近く成立すると断定することはできない。

Houlihan Lokeyが財務アドバイザーを、Fenwick & Westが法務アドバイザーを務めている。GoProは戦略的見直しが進行中であることを理由に、2026年第3四半期および通期の業績見通しを示していない。

■継続企業に関する懸念は5月に開示

GoProは、2026年5月11日に提出した第1四半期のForm 10-Qで、継続的な損失、営業キャッシュフロー、債務契約への対応などを踏まえ、今後1年間にわたって継続企業として存続する能力に重大な疑義があると開示した。

さらに6月1日には、2025年の財務諸表を更新し、この継続企業に関する開示を反映した。監査法人PricewaterhouseCoopersの報告書にも、継続企業としての能力に関する説明段落が追加された。

したがって、「同社が2026年6月から継続企業の前提に関する注記を行っている」という説明は厳密には正しくない。経営陣による開示は5月のForm 10-Qですでに行われ、6月に過去の財務諸表と監査報告書にも反映されたと整理するのが正確だ。

同社の第2四半期末の現金および現金同等物は約2730万ドルで、2025年末の4970万ドルから減少した。債務負担や今後の資金需要を考えると流動性には重大な不確実性があるが、公開されている現金残高だけから事業を継続できる具体的な月数を算出することはできない。

■Nasdaqの最低入札価格要件に抵触

GoProは2026年7月21日、同社のクラスA普通株式の最低入札価格が30営業日連続で1ドルを下回り、Nasdaqの上場規則に適合していないとの通知を受けた。

同社には、最低入札価格要件への適合を回復するため、通知日から180暦日の猶予期間が与えられている。適合を回復するには、原則として最低入札価格を1ドル以上に少なくとも10営業日連続で維持する必要がある。

この通知は、GoPro株のNasdaq Global Select Marketにおける上場または取引に直ちに影響するものではない。したがって、現時点で「上場廃止が決まった」と表現するのは誤りである。

■購入時は継続サービスの不確実性も考慮

既存のMISSION 1またはMISSION 1 PROについて、今回の決算発表によってカメラ本体の機能が直ちに変わるわけではない。Quikアプリ、クラウドサービス、ファームウェアなども、記事公開時点では提供されている。

ただし、GoProは継続企業としての能力に重大な疑義を開示し、事業売却を含む戦略的選択肢を検討している。将来の買い手がソフトウェア、クラウド保存、サブスクリプション、ファームウェア更新、保証などをどのように扱うかは公表されていない。

買収されれば現在のサービスが必ず維持されるとも、直ちに打ち切られるとも断定できない。カメラを独立した撮影機器として利用する場合と、クラウドやサブスクリプション機能に大きく依存する場合とでは、利用者が考慮すべきリスクが異なる。

同社は2026年の事業再編で世界の従業員を約23%削減する計画を進め、経費削減や消費者向け直販の強化にも取り組んでいる。過去最高となった69%のサブスクリプションアタッチレートはプラス材料だが、ハードウェア売上高の減少を補い、事業を安定させられるかは依然として不透明である。

■注目ポイントQ&A

●MISSION 1 PRO ILSの発売時期と価格は?

GoProは、MISSION 1 PRO ILSを2026年9月に発売すると説明しています。具体的な発売日はまだ公表されていません。希望小売価格は699.99ドルで、条件を満たす既存のGoProサブスクリプション加入者向け価格は599.99ドルです。

●Mission Monitorでは何ができますか?

iPhoneまたはiPadでのライブプレビュー、フォーカス確認、構図オーバーレイ、カメラの遠隔操作などが案内されています。一方、価格、対応OS、接続方式、映像表示の遅延、他のGoPro製品への対応状況は未公表です。

●300種類以上のMFTレンズをすべて同じように使えますか?

GoProは300種類以上のマイクロフォーサーズレンズをサポートすると説明していますが、すべてのレンズで電子制御を含む全機能が利用できるかは明らかにしていません。購入前に、使用したいレンズの個別の対応状況を確認する必要があります。

●1インチセンサーによってレンズの画角は変わりますか?

はい。記事に示されたセンサー寸法から計算すると、フルサイズ換算倍率は約2.7倍となり、一般的なマイクロフォーサーズ機の約2倍より画角が狭くなります。電子式手ぶれ補正を有効にすると、撮影モードによっては画角がさらに変わる可能性があります。

●継続企業に関する開示は何を意味しますか?

GoProの経営陣は、今後1年間にわたって継続企業として存続する能力に重大な疑義があると開示しています。ただし、これは事業停止や売却成立の時期が決定したという意味ではありません。追加資金、事業再編、戦略的取引などの結果によって状況は変わります。

●GoProはNasdaqから上場廃止になったのですか?

いいえ。最低入札価格が30営業日連続で1ドルを下回ったため、上場規則への不適合通知を受けましたが、通知による上場や取引への即時の影響はありません。GoProには適合を回復するための180暦日の猶予期間があります。

元記事: GoPro Mission 1 PRO ILS Confirmed for September Launch as Q2 Revenue Misses by $46M

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