スペースX株の空売り急増、マスク氏の警告よそに比率32%
2026年7月22日 10:56
6月12日に米ナスダック市場で大型IPOを果たしたスペースX株への空売りが急増している。イーロン・マスク氏は、大規模な空売りを長期間維持する企業が生き残る可能性は「非常に低い」とけん制するが、空売り比率は1カ月前の5〜7%から32%に膨らんだ。
CNBCによると、現在、同社の市場で取引可能な株式の32%を空売り投資家が占めている。CNBCはS3パートナーズの推計を引用し、弱気の想定元本は約250億ドルに上ると付け加えた。1カ月前の5〜7%から大幅に増加したことになる。
S3パートナーズの調査責任者、マシュー・ウンターマン氏はCNBCに対し、「上場企業として初めてとなる決算発表や、その後のロックアップ期間満了など、複数の重要な材料を控え、空売り投資家が引き続き持ち高を積み増している」と述べた。
マスク氏はこうした弱気な見方を退けている。同氏は最近、SNSへの投稿で「われわれが目標を達成すれば、スペースXの価値は地球のほかのすべてを上回る」と述べた。
同社株はここ数取引日、下落が続き、新規株式公開(IPO)価格の135ドルを下回った。火曜日には反発し、午前10時52分時点で6%超上昇していた。
ただ、現在の状況は6月16日とは対照的である。同日のスペースX株は201.80ドルで取引を終えた。商業宇宙打ち上げ、衛星通信、新たな人工知能(AI)関連事業で同社が主導的地位にあるとの期待を背景に、株価はそれまで急騰していた。
株価の下落は、同社がナスダック100の構成銘柄に採用された後にもかかわらず起きた。指数連動ファンドが構成銘柄に合わせて同社株を組み入れたことで、パッシブ投資家による新たな買いが流入した。
こうしたパッシブファンドは、指数のリバランスに伴いスペースX株を購入する必要があった。通常であれば追加の買い圧力を生む動きである。しかし、見込まれていた需要は市場全体の売りを相殺するには不十分だった。多くの投資家が指数採用に先回りして、すでに持ち高を構築していた可能性を示している。
一方、大手投資銀行は先週、相次いで強気の投資判断で同社株の調査を開始した。モルガン・スタンレーは投資判断を「オーバーウエート」、目標株価を300ドルとした。バーンスタインは「アウトパフォーム」、目標株価239ドルで調査を開始した。RBCキャピタル・マーケッツも「アウトパフォーム」とし、目標株価を225ドルに設定した。UBSは「買い」で調査を開始し、12カ月の目標株価を210ドルとした。
アナリストは、スペースXが再利用型ロケット技術で明確な首位に立っているとみている。この競争優位により、同社はコストを引き下げながら商業打ち上げ市場を支配してきた。同時に、衛星インターネット網「スターリンク」も世界各地で拡大を続けている。
これに対し、調査会社モフェットネイサンソンは「中立」で調査を開始し、スペースXの将来の成長の多くはすでに株価に織り込まれているようだと指摘した。CFRAはさらに慎重な姿勢を示した。同社の華々しい市場デビュー後、期待が過度に楽観的になっているとの懸念から、投資家に同社株の売却を推奨した。