EU、GoogleにGeminiのAndroid囲い込み是正を命令 検索データ共有は2027年1月開始
2026年7月21日 20:30
欧州連合(EU)域内のAndroidスマートフォンにChatGPTやClaudeをインストールしても、現時点では通常のアプリとしてしか動作しない。ユーザーが明示的に起動する必要があり、離れた場所からの呼びかけを検知したり、画面を読み取ったり、メールやカレンダー内で操作したりすることはできない。一方、GoogleのGeminiは、ウェイクワードやホームボタンから起動し、画面上の情報を認識して端末内の複数アプリを操作できるOS機能として組み込まれている。
欧州委員会は2026年7月16日、デジタル市場法(DMA)に基づく2件の決定を正式に発表した。Googleに対し、Geminiのシステムレベルの優位性を構成するAndroid上の11のアクセスポイントを競合AIアシスタントにも開放するとともに、AIによる情報検索でGoogleの優位性を支える検索順位・クリックデータを、早ければ2027年1月から共有するよう求めている。
この決定は、2026年1月27日に始まった6カ月間の手続きを終結させるもので、法定期限である7月27日の11日前に採択された。単に「公正に扱う」ことを求める包括的な義務ではなく、Googleが実装すべき機能、共有対象となるデータ項目、適用する匿名化手法、アクセスを管理する監査基準まで定めた、デジタルプラットフォームに対する極めて具体的な規制介入である。
■Geminiが持つ「Android上の特権」とは
欧州委員会が開放を命じた内容を理解するには、通常のダウンロードアプリでは再現できないGeminiの機能を確認する必要がある。その優位性は、起動、コンテキスト、実行、リソースという4つのレイヤーに及ぶ。
第1の「起動レイヤー」では、GeminiはOSの音声検出層にウェイクワードを登録できる。この仕組みは通常のアプリ用サンドボックスより下層で常時動作する。ダウンロードしたアプリはこの層に登録できず、自身のサンドボックス内でしかマイクを利用できないため、原則としてアプリを開いている間しかユーザーの声を認識できない。Geminiにはホームボタンの長押しやナビゲーションハンドルも割り当てられている。これらはAndroidが指定されたシステムアシスタントに送るOSレベルのジェスチャーであり、その時点で開いているアプリには送られない。
第2の「コンテキストレイヤー」では、GeminiはGmail、Googleカレンダー、Googleドライブなどの構造化データを集約する端末内の集中型データストア「AppSearch」にアクセスできる。欧州委員会が「アンビエントデータ」と呼ぶ、端末のマイク、カメラ、画面、スピーカーからの継続的な情報も受け取り、ユーザーが現在行っていることに応じて能動的な提案ができる。Androidに関する最終仕様決定で確認されたところによると、サードパーティー製アプリが読み取れるのは自らのAppSearchインデックスだけで、集約されたデータストアにはアクセスできない。
第3の「実行レイヤー」では、GeminiはGoogle製アプリが直接提供する構造化APIを呼び出し、Gmailでメールを作成したり、カレンダーの予定を更新したり、写真を共有したりできる。「画面自動化」機能を使えば、バックグラウンドの仮想ウィンドウ内でアプリを操作し、ユーザーがその画面まで移動していない状態でも処理を実行できる。これに対し、サードパーティー製アプリは自身のサンドボックス内に制限され、別のアプリの内部エンドポイントを呼び出せない。
第4の「リソースレイヤー」では、Googleの端末内大規模言語モデル「Gemini Nano」が、端末のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)に優先的にアクセスできる。また、Androidの通常の電力管理によって推論処理を停止されないよう、バッテリー関連の制限も免除されている。サードパーティーの端末内モデルは、通常アプリ向けのリソース制限を受けながら、同じハードウェア資源を使わなければならない。
欧州委員会の拘束力ある仕様決定は、この4カテゴリーにまたがる11の機能を特定し、現在Geminiが利用している条件と同等の実効性を持つ条件で、適格なサードパーティー製AIアシスタントにも提供するようGoogleに命じた。大半の機能は次期メジャーリリースのAndroid 18で提供する必要があり、期限は2027年8月1日である。
ただし、複数のAIサービスがそれぞれのウェイクワードへ同時に反応できる「常時動作するウェイクワードの並行検出」だけは、Android 19まで延期され、期限は2028年8月1日となる。これは決定に関する独立した法的分析でも示されている。
■検索データの独占を打破するデータ共有義務
2件目の決定は、Googleが持つ別の構造的かつ持続的な優位性を対象としている。欧州委員会の検索データ仕様決定によると、Google検索はEU検索市場で90%を超えるシェアを数十年にわたって維持してきた。
この集中によって、競合企業が独力では獲得できない自己強化型のデータセットが生み出されている。そこには、ユーザーが入力した検索クエリ、クリックした検索結果、選ばなかった結果、選択時点における各結果の掲載順位が含まれる。検索技術者が「暗黙的な関連性フィードバック」と呼ぶもので、ユーザーに明示的に尋ねることなく、どの結果が有用だったかをランキングシステムに伝えるシグナルとなる。
このフィードバックの仕組みを十分な品質で構築するには、支配的な規模で長年にわたりユーザーの操作データを蓄積する必要がある。新たに検索市場へ参入する企業は、独占的な市場地位の結果として形成された同等のデータセットを、自力で蓄積することができない。
7月16日に採択された仕様決定により、Googleは2027年1月から、匿名化されたクエリ本文、言語や端末種別などのメタデータ、検索結果に表示されたURL、ユーザーのクリック操作、検索順位データを、適格な競合検索エンジンおよびAIチャットボット事業者と共有しなければならない。提供条件には、公正、合理的かつ非差別的な価格設定、いわゆるFRAND条件が適用される。
価格には、共有データの準備、保存、送信に必要なGoogleの増分コストと、合理的な資本利益のみを含められる。この価格算定方式は、再交渉までの5年間固定される。
共有対象となる事業者の範囲は、6カ月間の手続きで特に争われた点の一つだった。Googleの当初の遵守案では、固有の検索クエリの90~100%がデータセットから除外され、AIチャットボット事業者は対象から完全に外されていた。欧州委員会は、この案では潜在的な利用者との2年間の対話を経ても、実質的な利用につながらなかったと判断した。
最終決定では、欧州経済領域(EEA)で検索と同等の情報取得機能を提供するAIチャットボット事業者について、実質的な経済活動に関する審査と制裁対象の確認を通過すれば、明示的に対象へ含めることになった。これには、ライブのWebコンテンツを取得・統合して事実に関する質問へ回答する機会が増えているOpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeも直接関係する。
■ユーザー保護とセキュリティをめぐる対立
行動データを大規模に共有しながら個々のユーザーを特定できないようにすることは、技術的に最も難しい課題である。欧州委員会は、この問題に対応するため、多段階の匿名化プロセスを指定した。
まず、Googleのユーザー名やIPアドレスなど、直接的な識別子を削除する。氏名、パスワード、住所などの希少な語句を含むクエリも除外する。さらに、各ユーザーのクエリについて、所在地、端末種別、クエリ言語が同じ少なくとも1,000人のグループに属することを求める「k-匿名性」の基準を適用する。
一般的なクエリでは共通属性がより大きな規模で集約されるため、実際にはユーザーの95%が少なくとも2万9,000人のグループに入るとされる。技術的対策に加えて契約上の制約も設けられ、データ受領者はデータを受け取る前と、その後毎年、独立機関によるISAE 3000監査を受けなければならない。個人の再識別を試みることは禁止され、データの保持期間は13カ月を上限とする。
Androidの11機能のうち、画面自動化、端末内の構造化連携、システム連携、集中型データへのアクセス、コンテキスト認識型インテリジェンスという5機能については、Googleがプライバシー・セキュリティ基準に基づく、客観的かつ非差別的な適格条件を設定できる。Googleは2027年2月1日までに認証条件案を公表し、同年5月1日までに最終条件を確定する必要がある。5月1日から申請を受け付け、受領後4週間以内に審査を終えなければならない。
Googleは決定に対して直ちに具体的な異議を示した。Googleでグローバル・アフェアーズ担当プレジデントを務めるケント・ウォーカー氏は7月16日、この決定によって、何百万人もの欧州市民を守る重要なプライバシーとセキュリティの防護策が損なわれる恐れがあると述べた。
同氏は、十分な匿名化が施されず、ユーザーの認識や同意もないまま、欧州市民の私的な検索内容がなじみのない企業に開示される可能性があると警告した。Androidについても、既存の安全対策を伴わずに外部アプリへ機密性の高い強力な端末権限を与えることは、端末のセキュリティを脅かすと主張した。また、AI時代にはセキュリティの基本原則が従来以上に重要になるとの、EUのサイバーセキュリティ機関ENISAの警告にも言及した。
米シンクタンクのR Street Instituteが7月15日に公表した独立分析は、Googleの反論と欧州委員会の説明のどちらでも十分に解消されていない構造的な対立を指摘した。DMAが求める相互運用性は、攻撃対象領域の最小化、セキュア・バイ・デフォルトの製品提供、製品セキュリティに対するライフサイクル全体での責任を企業に求めるEUサイバーレジリエンス法と、直接緊張関係にあるという。
適格なサードパーティー製AIサービスに、従来は重大な攻撃対象になり得るとして制限されてきた画面取得やアプリ横断操作の機能を与える場合、2つの義務は反対方向に作用する。
欧州委員会の決定は、競合によるアクセスを妨害したり、その品質を低下させたりする口実として用いない限り、相応の技術的保護措置を講じることを認めている。一方、承認されたサードパーティー製サービスが後に侵害された場合に誰が責任を負うのか、画面読み取りやアプリ横断操作へのアクセスを認める前にどのような技術的要件を満たすべきかは規定していない。規制上の仕様と、それを実効あるものにするセキュリティ監査体制との間に残る隔たりが、Googleの実装計画で解決すべき技術上の課題となる。
■DMA「第8条第2項」という新たな規制手法
今回の仕様決定は、2023年5月にDMAが適用開始されて以来、より広いテクノロジー規制分野で注目されてきた、質的に異なるEUの執行措置である。
従来のDMA手続きでは、「原則としての相互運用性」や「公正な条件でのデータアクセス」といった比較的抽象度の高い約束が中心だった。今回の決定を異なるものにしているのは、第8条第2項の仕組みそのものである。
事前規制として定められた包括的な義務について、遵守に必要な対応をめぐって実質的な争いが残る場合、欧州委員会は仕様策定手続きを開始できる。この手続きでは、6カ月の法定期間内に、具体的なデータ項目、指定された匿名化手法、FRAND価格の算定方式、数値基準を伴う適格条件、指定された監査基準など、実装レベルの技術仕様を決定する。これらは別途の違反決定を待たず、直ちに拘束力と執行力を持つ。
欧州委員会は2026年1月27日に2件の仕様策定手続きを開始し、同年4月に予備的見解を公表した。最終決定は法定期限の7月27日より11日早い7月16日に採択された。
英国の通信・デジタル市場規制を専門とする弁護士ロブ・ブラットビー氏は、欧州委員会の対応を「注目すべき規律」と評価した。同氏は、英国の競争・市場庁(CMA)が欧州委員会の決定より9カ月前にGoogleを検索およびモバイルプラットフォームで「戦略的市場地位」を持つ企業に指定したものの、同等のデータアクセス権やAndroidの相互運用性要件をまだ設けていないとも指摘した。
この違いは、英国市場向けに製品を開発するAI事業者や検索事業者にとって重要である。DMAに基づく権利はEEA向けのサービスに適用されるため、英国のみで提供されるサービスは今回の決定による恩恵を直接受けられない。
CMAによるモバイルプラットフォームの外部誘導義務に関する直近の意見募集は7月28日まで、NFCアクセスに関する情報募集は7月21日までとされている。いずれも、EUで拘束力を持つことになったAI相互運用性・検索データ決定より対象範囲が狭い。
2025年後半にDMAの実施に関する欧州委員会との協力取り決めに署名した日本の規制当局と、Googleに検索インデックスデータを競合へ共有するよう命じたメータ判事の2025年9月の判断を受け、反トラスト法上の救済手続きを進めている米司法省(DOJ)も、支配的なAIプラットフォームへの「公正なアクセス」を具体化する事例として、ブリュッセルの技術仕様を注視している。
■誰が、いつGoogleのデータとAndroid機能を利用できるのか
2件の決定に基づくアクセスは無条件でも自動的でもない。画面自動化、端末内の構造化連携、システム連携、集中型データへのアクセス、コンテキスト認識型インテリジェンスという、特に機密性の高い5つのAndroid機能を利用したいAIアシスタント開発者は、新設される「適格AIアシスタント・プログラム」の認証を受ける必要がある。Googleは、この条件を2027年2月までに公表しなければならない。
検索データを利用したい検索エンジンまたはAIチャットボット事業者は、EEA内で設立され事業を行っている必要がある。さらに、2年以上の事業実績があるか、事業開始から2年未満の場合は5,000万ユーロを超える資本を持ち、かつEU域内の月間ユーザーが5万人以上であることを求める実質的経済活動の審査を通過しなければならない。制裁対象や第三国リスクに関する審査、毎年の独立監査も必要で、データは無償ではなくFRAND価格で提供される。
零細・小規模・中規模企業は、常に厳格な増分コスト方式の価格区分を利用できる。この基準を上回り、最大でGoogle検索の営業利益率に相当する上乗せ価格が適用され得るのは、DMAのゲートキーパーに匹敵する規模の極めて大きな受益者だけである。価格体系は再交渉まで5年間固定されるため、申請者は安定した計画期間を確保できる。
競合企業にとって実務上の問題となるのは、欧州委員会が詳細に定めた基準そのものではなく、Googleが管理する認証・審査体制である。規則が確定していても、Googleがこの体制を使ってアクセスを遅らせる可能性は残る。DMA第8条第9項により、重要な事実関係が変化した場合、欧州委員会は手続きを再開できる。Googleの遵守状況の報告義務は、少なくとも2028年まで続く。
イェール大学の経済学者でブリューゲルのシニアフェローでもあるフィオナ・スコット・モートン氏は、Android仕様に関する7月1日公表のワーキングペーパーで、決定が採択どおりに執行されれば、競合AIが真の端末レベルサービスとして機能するために必要な4カテゴリーのアクセスポイントを正しく特定したことになると論じた。
その直接的な結果として、欧州全体でAIイノベーションが実質的に増加するとも予測している。AIの商業的成功が、開発者がすでに流通経路を支配しているかどうかではなく、製品自体の優劣に左右されるようになるためである。
■今後のタイムラインと不履行時の巨額制裁金
いずれかの決定に違反した場合、Alphabetには世界年間売上高の最大10%の制裁金が科される可能性がある。近年の売上高に基づけば、350億ドル(約5兆6,700億円、1ドル=162円換算)を超える可能性がある。最初の期限に間に合わず、行動上の是正も行われない場合は、定期的な日次制裁金が追加される。
EU一般裁判所への上訴は可能で、広く予想もされている。しかし、DMAの執行体系では、上訴によって遵守義務が自動的に停止するわけではない。Appleのゲートキーパー指定をめぐる事件、T-1079/23、T-1080/23、T-214/24で2026年7月8日に示された手続き上の原則は、指定されたゲートキーパーが上訴中も義務を履行しなければならず、DMA上の義務を抽象的な形で争うことはできないと確認した。
期限はすでに定められている。Alphabetは2026年8月末までに適格性に関する申請書式を欧州委員会へ提出し、潜在的な利用者に権利を知らせるWebページを公開しなければならない。2026年9月までに、ライセンス契約のひな型とテスト用データサンプルを用意する必要がある。
2027年1月までに検索データの価格提示を確定し、共有データへのアクセスを開始する。2027年8月1日までに、11機能のうち、常時動作するウェイクワードの並行検出を除く機能を、Android 18で適格な競合事業者へ提供する。最後に残る同時ウェイクワード検出は、Android 19で2028年8月1日までに提供する。
欧州の規制当局が、この詳細さで技術的な遵守状況を監査する能力を持つかどうかは、DMAの事前規制モデルが実際に約束どおりの成果を上げるかを左右する試金石となる。ブリュッセルの取り組みを見守ってきた各国の規制当局が、採用すべきモデルと評価するのか、それとも規制上の野心と執行の現実との隔たりを示す教訓とみなすのかも、今後明らかになる。
■注目ポイントQ&A
●2027年8月までにEUのAndroidユーザーにとって何が変わりますか?
2027年8月1日までに、EU域内のAndroidスマートフォンは、ChatGPTやClaudeなどの競合AIアシスタントにも、現在Geminiが事実上独占しているものと同等のシステムレベルのアクセスを提供する必要があります。ユーザーはGoogle以外のAIを音声起動アシスタントとして設定し、ウェイクワード検出、ホームボタンからの起動、画面読み取り、アプリをまたいだタスク実行などを利用できるようになります。それまでは、これらの機能はGeminiに制限された状態が続きます。GoogleはAndroid 18で対応し、2027年8月1日の期限までに実装しなければなりません。
●OpenAIやAnthropic以外の企業もGoogleの検索データにアクセスできますか?
はい。適格基準は幅広く設定されていますが、無条件ではありません。EEAでオンライン検索エンジンまたは検索機能を持つAIチャットボットを運営する事業者は、実質的経済活動に関する審査を通過すれば対象になります。
具体的には、2年以上の事業実績があるか、2年未満の場合は5,000万ユーロを超える資本を持ち、かつEU域内で月間5万人以上のユーザーを持つ必要があります。さらに、制裁対象・リスクに関する審査、毎年の独立監査を受け、FRAND条件による増分コストベースの料金を支払わなければなりません。中小企業は基準となる増分コスト区分を利用できます。欧州の小規模なAIスタートアップも申請できますが、データを処理して製品に活用できるインフラを持つかどうかは、別の事業上の問題となります。
●この変更によってAndroidデバイスのセキュリティリスクは高まりますか?
この点については結論が出ていません。Googleは、画面読み取りやアプリ横断操作といった強力な権限を適格なサードパーティー製AIサービスへ開放すると、端末メーカーが深いシステムアクセスを認める前に行ってきたセキュリティ審査を迂回することになり、端末の安全性を脅かすと主張しています。また、EUのサイバーセキュリティ機関ENISAによる、セキュリティの基本原則が重要だとする警告にも言及しています。
R Street Instituteの分析は、DMAの相互運用性義務と、攻撃対象領域の最小化を企業に求めるEUサイバーレジリエンス法との構造的な対立も指摘しています。欧州委員会は相応の技術的保護措置を認めていますが、サードパーティー事業者が満たすべき具体的なセキュリティ基準や、承認後にサービスが侵害された場合の責任の所在は明確になっていません。2027年2月までに案が示されるGoogleの認証プログラムが、実効性のある要件を設けるのか、それともアクセスを遅らせる仕組みとして機能するのかが焦点となります。
●今回の決定は、これまでのEUによるGoogleへの規制と何が違うのですか?
過去のEU競争法上の決定には、2018年のAndroidをめぐる制裁金など、過去の特定の違反を認定して制裁を科すものがありました。2018年の制裁金は当初43億4,000万ユーロで、その後41億ユーロとなり、2026年7月にGoogleの最後の上訴が棄却されたことで確定しました。
今回の仕様決定は、包括的かつ継続的な義務を、6カ月の法定期間内に実装レベルの詳細な技術仕様へ変換した点で構造的に異なります。欧州委員会は、共有すべきデータ項目、匿名化手法、価格算定方式、監査基準、11機能からなる遵守項目を具体的に指定し、法的拘束力を持つ技術実装仕様に相当するものを策定しました。
重要なのはGoogleに何を求めたかだけではなく、どのような手法で求めたかです。従来の反トラスト手続きでは数年を要する対応を6カ月で具体化したこの方式は、英国CMA、日本の規制当局、Google検索をめぐる独自の手続きを進めている米国の規制当局からも検討対象になるとみられます。
元記事: EU Orders Google to Break Gemini’s Android Lock-In: Search Data Sharing Starts January