ソニー「FX5」、7月22日に発表予定 リークでは5KオープンゲートとトリプルベースISOを搭載

2026年7月20日 21:35

ソニーは米東部時間7月22日午前10時(日本時間7月22日午後11時)に、Cinema Lineの新型とみられる「FX5」を発表する見通しだ。事前に出回っている仕様情報が正しければ、5KオープンゲートやトリプルベースISO、X-OCNの内部収録など、同社の小型シネマ機として大きな転換点になりうる。もっとも、現時点の詳細はリーク情報に基づいており、正式発表までは未確認として扱う必要がある。

■7月22日に発表見通し、価格は約84万円との情報

ソニーは3日後、FX3の後継と位置付けられる「FX5」を正式発表する予定だ。Sony Alpha Rumorsによると、発表は米東部時間7月22日午前10時、英国夏時間では同日午後3時に設定されている。日本時間では7月22日午後11時になる。

事前リークの仕様がそのまま出てくれば、FX5はソニーがこの5年で投入した小型シネマカメラの中でも、技術的な意味合いが特に大きい1台になる可能性がある。映像制作者が目にすることになりそうな主な新要素は、Cinema Lineとして初めての5Kオープンゲート収録、トリプルベースISO、そしてこれまでFX5のうわさ価格の10倍超のクラスでしか内部収録できなかったコーデックでのRAW収録だ。

今回の情報は、Sony Alpha Rumorsの継続的なリークを軸に、Imaging Resource、Digital Camera World、TechRadar、NotebookCheckが別個のレポートで補強している内容に基づく。それによると、FX5は新開発の1660万画素フルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと、次世代の画像処理エンジン「BIONZ XR2」、専用AIプロセッシングユニットを組み合わせる見通しだ。

1660万画素という解像度は2026年時点の基準では控えめに見えるかもしれないが、狙いは明確だ。フルサイズの積層型センサーで画素数を抑えることで各フォトサイトが多くの光を取り込めるようになり、トリプルベースISOの挙動や、公称16ストップのダイナミックレンジを支える設計になっているとみられる。

価格は米国で約5200ドル(約84万2400円、1ドル=162円換算)、欧州で5399ユーロと見込まれている。別売のモジュラー式電子ビューファインダーは約799ユーロとされる。これが事実なら、キヤノンのEOS C50(3899ドル、約63万1638円)や、ニコンのZR(2199ドル、約35万6238円)を上回る価格帯に位置付けられる。

ソニーの狙いは、こうした価格差を、技術的な初採用の組み合わせで正当化することにあるようだ。

■Cinema Lineで初めて5Kオープンゲートを小型機へ

オープンゲート収録は、納品時の16:9に合わせてセンサーをクロップするのではなく、3:2のネイティブ領域全体を使って記録する方式である。FX3が2021年2月に3899ドルで登場して以来、Cinema Lineのユーザーから継続的に要望が出ていた機能の1つだった。

キヤノンはすでにこの需要に応えており、EOS C50は3:2の7Kオープンゲートに対応する。EOS C80とC400もオープンゲートを備える。一方、ソニーではこれまで、オープンゲートはVENICEとVENICE 2に限られており、同社の業務用カメラ仕様では価格が2万ドル超の領域だった。

FX5は、この3:2の5Kオープンゲートを、約5200ドルのボディーに持ち込むとみられている。実運用ではこの撮像面積の差が効いてくる。ポストプロダクションでのリフレーミング、水平補正の余地の確保、球面レンズからアナモフィック風のワイドクロップを切り出す作業、さらに同じテイクから16:9、9:16、1:1を同時に展開するといった用途に使いやすくなる。

その代わり、Imaging Resourceの7月17日付プレビューによれば、8K収録、静止画モード、内蔵NDフィルターは搭載しない見通しだ。写真と動画の両立を狙うハイブリッド機ではなく、職業的なシネマトグラファー向けの道具として設計したことが、仕様から見えてくる。

■トリプルベースISOは何を変えるのか

多くのシネマカメラはデュアルベースISOを採用する。これは、デジタル増幅を使わず、センサー側で信号対雑音比が最適化されるネイティブ感度を2つ持つ仕組みだ。FX3はS-Log3でISO 800と4000のデュアルベースISOを備える。これを超える感度ではデジタルゲインが加わり、ノイズも増えやすくなる。

キヤノンはEOS C400とEOS C80でトリプルベースISOを先行導入した。リークによれば、FX5のネイティブISOは800、4000、12800になるという。3つの値それぞれに別個のアナログ増幅回路経路が対応し、信号をデジタル的に増やすのではなく、ハードウェア側で別のゲイン経路を選ぶ構成になるとされる。

理屈の上では、FX5はネイティブISO 12800でも、ISO 800時と同等のクリーンな画質特性を維持できる可能性がある。露出の基準は大きく変わるが、暗所での運用における自由度は増す。

この3つ目のネイティブISOは、ドキュメンタリー、イベント収録、照明を十分に制御できない現場で特に意味を持つ。FX3ではベース感度の上限が4000であるため、高ISOでノイズを受け入れるか、照明機材を追加するかの選択を迫られる場面が少なくなかったからだ。

■X-OCN LTの内部収録が実現すれば意味は大きい

技術面で最も重要なリークは、内部RAW収録の仕様かもしれない。FX5はX-OCN LTで記録し、さらにFX5向けに開発された新たな圧縮階層「C1」「C2」も導入すると報じられている。これらはX-OCN LTより高圧縮でありながら、16bitリニアの品質を維持するとされる。

X-OCNは「extended tonal range Original Camera Negative」の略で、16bitのシーンリニアデータをMXFコンテナに収める圧縮RAW形式だ。シーンリニアとは、トーンカーブを当てる前の、センサーが受けた光に対する応答をそのまま保持する考え方である。16bitでは各色チャンネルあたり6万5536段階の階調を記録できる。10bitのProResは1024段階、12bit RAWは4096段階だ。16bitと10bitの差は階調解像度で64倍に相当し、白飛びしたハイライトの復元、つぶれたシャドーの持ち上げ、HDRマスタリングやVFX合成での扱いやすさに直結する。

FX5で新しいのは、フォーマット自体ではなく、その利用可能な価格帯である。これまでX-OCNの内部収録は、2万ドル超のカメラに限られていた。FX3で16bit出力をVFXパイプラインやACESカラーマネジメントのワークフローに載せたい場合、通常はAtomos Shogunのような2000ドル超の外部RAWレコーダーが必要で、リグは大型化し、消費電力や運用の複雑さも増していた。FX5は、その依存を取り除く可能性がある。

■ボディー設計はFX3に近く、思想はよりシネマ寄り

7月8日から9日にSony Alpha Rumorsが公開したリーク画像では、FX5はFX3に近い外形を保ちながら、やや厚みが増している。新しいセンサースタックや内部ハードウェアを収めるための変化とみられる。トップの操作ダイヤルと背面パネルはFX3より露出が増え、背面ではFX3のコントロールホイールが3つのボタンに置き換えられ、露出確認用のFalse Color専用ボタンも新設されている。

3.5型のバリアングル式タッチスクリーンは、FX3の3型より大きい。メニューも、FX3が引き継いでいた民生向けAlpha系メニューではなく、VENICE系のメニューシステムに切り替わる見通しだ。専用シネマカメラに慣れたクルーにとって、これは現場のワークフロー改善につながる可能性がある。

音声面も強化される。ソニーの別売XLRハンドルを組み合わせた場合、32bit float録音に対応するとされる。32bit floatでは、音声入力の非常に広いダイナミックレンジを扱えるため、現場収録の設定負荷を大きく下げられる。カードスロットはFX3系統を引き継ぎ、CFexpress Type AとSDのデュアルスロット構成になる見込みだ。

一方で、内蔵電子NDフィルターは非搭載とされ、FX6やFX9とは差別化される。外部SSD記録用ポートや、専用の静止画モードもない。こうした不在の要素は、FX5がハイブリッド機ではなく、用途を絞ったシネマ機として位置付けられていることを示している。

別売のチルト式モジュラーEVFは、FX3で目立っていた不在を補うアクセサリーになるとみられる。装着はMulti Interface Shoe経由だが、その場合はホットシューを占有するため、対応するデジタル音声アクセサリーとの同時利用はできない。

■キヤノンEOS C50との比較が最大の焦点

キヤノンは2025年、FX3ユーザーを強く意識した3機種、EOS R6V、EOS R6 Mark III、EOS C50を投入した。特にEOS C50は、7Kオープンゲート、3200万画素センサー、Dual Pixel CMOS AF II、4K/120fpsを3899ドルで備えるコンパクトなフルサイズシネマ機として、真正面から競合する存在になっている。EOS C80とC400ではトリプルベースISOも加わり、ソニーが今回追いつこうとしている基準を示した。

ニコンZRは、RED Digital Cinema買収後の協業を背景にした製品で、新しいR3D NE形式による6K RAW収録、ISO 800と6400のデュアルベースISO、15ストップ超のダイナミックレンジを2199ドルで提供する。もっとも、この価格帯はFX5の直接競合というより、REDの色設計をより低価格で導入した別の入口と見るべきだろう。

FX5の位置付けを考えるうえで、最も重要な比較相手はEOS C50だ。フォームファクターの近さ、インディーから中堅プロダクションまでを狙う市場の重なり、そして発売時点で1301ドルの価格差がある。ソニー側の反論は、C50のRAWが12bitのCinema RAW Lightまでであること、7Kオープンゲートは備えるがフレームレートが低いこと、3200万画素センサーは低解像度の積層型設計とは最適化の方向性が異なることにある。

この1301ドル差を市場が受け入れるかどうかは、水曜日の正式発表でリーク仕様が確認されてから、より明確になるはずだ。Sony Alpha Rumorsに対して複数の初期テスターが一貫して伝えているのは、FX5はシネマ用途の道具としてFX3を大きく上回り、わずかに大きくなっただけのボディーで非常に優れた内部4K記録を実現している、という評価である。

■現時点の仕様は未確認、正式発表待ち

ソニーの公式発表は、米東部時間7月22日午前10時に予定されている。製品コード「WW308784」に関する中国の規制当局への届出があり、発表前リークに一定の公的な痕跡を与えている。米英の主要販売店では、B&H Photo、Adorama、WexUKを含め、予約ページの掲載も始まっている。

ただし、ここまで挙げた仕様はすべて発表前リークに基づくものであり、ソニーの正式発表までは未確認だ。価格も地域や構成によって変わる可能性がある。

■注目ポイントQ&A

●ソニーはいつFX5を正式発表する予定ですか?

発表は2026年7月22日午前10時(米東部時間)、英国夏時間では同日午後3時、日本時間では同日午後11時に予定されています。現時点で出ている仕様は発表前リークに基づくため、正式確認は発表を待つ必要があります。

●X-OCNの内部RAW収録は何を意味しますか?

X-OCNは、ソニーの16bitシーンリニア圧縮RAW形式です。これまで内部収録は2万ドル超の機種に限られていました。リーク通りなら、FX5は外部RAWレコーダーなしで、VFX合成やACESカラーマネジメントを前提にした16bitワークフローへ直接載せられる、より低価格な選択肢になります。

●トリプルベースISOとは何ですか?

センサーがデジタル増幅ではなく、専用のアナログ増幅経路で最適に動作するネイティブ感度を3つ持つ仕組みです。FX5ではISO 800、4000、12800と報じられており、暗所でもより低ノイズで撮影できる可能性があります。特にドキュメンタリーやイベント収録のように照明を制御しにくい現場で利点があります。

●競合機と比べてFX5の価格は高いのですか?

リーク価格の約5200ドルが正しければ、キヤノンEOS C50の3899ドルより1301ドル高く、ニコンZRの2199ドルより3001ドル高い計算です。その差は、16bit内部X-OCN、トリプルベースISO、VENICE系メニューなどで正当化される構図ですが、実際に評価されるかは正式発表後の検証次第です。

元記事: Sony FX5 Debuts Wednesday: Triple ISO and 5K Open Gate in Cinema Line for First Time

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