相場展望6月29日号 米国株: オープンAIが大型IPO先送りで、AI相場失速⇒半導体関連株売り 日本株: 米国・超大型IPOでスペースXが軟調・オープンAIが先送り発表と、米国AI相場が失速し⇒日経平均に暗雲

2026年6月29日 16:48

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)6/25、NYダウ+71 ドル高、51,920ドル
 2)6/26、NYダウ▲44ドル安、51,876ドル

【前回は】相場展望6月25日号 米国株: 根拠なき熱狂・・NYダウだけが元気 日本株: 海外短期投機筋「売りたい強気」⇒ババ抜き相場の日経平均へ

●2.米国株: オープンAIが超大型IPO先送り発表で、AI相場失速⇒半導体関連株売り

 1)米国インフレが加速
  (1)個人消費支出物価指数が加速  4月    5月
   ・個人消費支出物価指数  +3.8%上昇 +4.1%上昇 3年1ヵ月ぶり高水準

   ・イラン攻撃でエネルギー価格上昇+18.3 +24.3

 2)マイクロ・テクノロジーの好決算発表6/24夕、米国株は一時+800ドル高と好感するも終値は+71ドル高と小幅高に終わる
  (1)マイクロン・テクノロジーの決算状況
            売上高    営業利益   純利益   1株当たり利益
    2025年3~5月 1兆5,100億円  3,508億円   3,048億円    270円
    2026年3~5月 6兆7,100   5兆3,900 4兆5,700     4,000
     前年同期比  4.44倍    15.36倍    14.99倍    14.81倍
 
    2027年6~8月 8兆9,000億円                 5,013円(見通し)

  (2)マイクロンの絶好業績発表にもかかわらず、NYダウへの波及は限定的にとどまり米国市場のモメンタム(勢い)に不透明感が漂う。

 3)オープンAIが超大型IPO先送り発表で、AI相場失速で半導体関連株は売り
  ・オープンAIのIPO先送り理由として、時価総額1兆ドルに届かないからとのこと。
  ・市場の弱さの影響で、6/26の米国主要株価指数はそろって下落した。 ⇒ 米国株式市場の天井を示唆した可能性を受け止めたかもしれない。

 4)トランプ関税の失敗・・関税は貿易赤字減の秘策も、貿易赤字は1年ぶりの高水準
  ・前月比▲27.4%拡大して▲1,058億ドル、予想▲850億ドルを上回る貿易赤字。

  ・トランプ関税は、「米国の貿易赤字縮小の切札」だったはず。しかし、トランプ関税の負担の多くは「値上げで米国民に跳ね返る」のが現状。

  ・トランプ関税の支払者は、(1)米国の輸入業者で、最終は(2)米国民である。トランプ関税は米国の輸入品の値上げとなって、米国貿易赤字拡大につながる。代替商品の他国からの輸入に切り替えられないためだ。現に、中国に高関税を課しても、中国以外の国から切り替えられない。関税を賦課されても、なお中国の商品が安く、価格競争力を有している。関税負担を値上げ転化しても、依然として中国商品に取って代る他国商品が現われないため、中国から買い続けるしかないのが現状だ。

  ・にもかかわらず、EUのデジタルサービス税導入なら即時100%関税と、声高にEUに圧力をかけるトランプ氏。

  ・トランプ関税が、米国のインフレ(物価高)に直結している。トランプ関税が、米国民を疲弊させていることに気が付かないトランプ氏。トランプ関税は、米国の貿易赤字拡大にも直結している。

 5)米国株式市場のモメンタム(勢い)に黄色信号が点滅した可能性があり、慎重に 
  ・マイクロン・テクノロジーが6/24 夕に発表した決算(前年同期比、売上+4.44倍、1株利益+14.81倍)にもかかわらず、6/26の米国株式主要株価指数は下落した。
    NYダウ      ▲0.09%安
    ナスダック総合   ▲0.24%安
    S&P500種     ▲0.05%安
    半導体株(SOX)  ▲5.29%安

  ・下落率は小さいが、マイクロン決算発表と好環境のなかで下落したのに注目。半導体株指数(SOX)の下落率の高さが特に気になる。米国政治環境も悪化しており、米国株式市場全体を覆う暗雲を感じる。

  ・米国株式相場が天井に到達し、リスク過敏になった可能性がある。

●3.アップルがMacやiPadなど一斉値上げ、メモリー高騰を価格転嫁(ブルームバーグ)

●4.米国1~3月期GDP確報値は+2.1%増、個人消費は停滞も(ロイター)


■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)6/25、上海総合+9高、4,120
 2)6/26、上海総合▲93安、4,027

●2.中国工業部門利益で5月は+21%増も前月からは鈍化、製造業・輸出だのみ続く(ロイター)

 1)中国の景気回復は依然として脆弱で、長引く不動産不況と根深い構造的不均衡が中国国内経済活動の重しとなっている。特に過剰生産能力と厳しい競争に苦しむ業種で再編が加速している。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)6/25、日経平均+3,191円高、72,366円             (日経新聞)
 2)6/26、日経平均▲3,005円安、69,360円             (日経新聞)

●2.日本株: 米国・超大型IPOでスペースXが軟調・オープンAIが先送りと、日経平均に暗雲

 1)日経平均は6/22・6/25の高値を巡り激しい攻防戦
  (1)日経平均の推移         前日比
    ・6/22  72,353円     +1,103円高
     6/24     69,174   ▲3,179円安
     6/25  72366       +3,191円高
     6/26     69,360   ▲3,005円安
    ・上下のブレが大きい。市場が不安定になってきた可能性がある。

 2)米国オープンAIの新規株式公開(IPO)の2027年への延期を検討との報道
  ・大口投資家のソフトバンクG(SBG)の株価は6/26、▲14%あまり下落。SBGは、2年3ヵ月ぶりの大幅安。
  ・オープンAIのIPO延期は、急成長の人工知能(AI)企業の先行き不透明感を増していることを裏付けしている可能性がある。

 3)スペースXの株価、ついに6/24 に上場来安値 ⇒ 相場の転機となるか? 注目
  (1)スペースXの上場来の株価
    6/12  160.95ドル 新規上場、公募価格135ドル比+19.2%高
    6/15  192.50  +19.6%高
    6/16  201.80  +4.8%高
    6/17  191.82  ▲4.9 %安 
    6/18  185.00  ▲3.5%安
    6/19  祝日「奴隷解放記念日」で休場
    6/22  154.60  ▲16.4%安
    6/23  156.11  +0.97%高・・一時147.11ドルを付けた
    6/24  154.54  ▲1.00%安
    6/25  153.00  ▲0.99%安・・高値から▲24.18%下落
    6/26  153.23

  (2)株式上場に当たって、「売り規制」があるなかでの株価上昇に注意   
   ・このため、「売り規制」が緩められると、株価下落要因となる。

  (3)スペースXが米国「ナスダック100指数」に7/7から採用、
   1.「ナスダック100指数」は、金融分野をのぞく米国大手企業100社で構成される株価指数。
   2.株価指数に採用されると、スペースX株は買われ、株価は上昇する可能性が高い。
   3.ただ、6/12のIPOにより、従業員などの売りが規制されている。
    ・6/16の株価高値201.80ドルは、そのような状況下で付けた高値である。
    ・スペースXの従業員の報酬は「株式」で支払われている割合が多いため、規制緩和で従業員などからの大量の株売りが予想される。

 4)日経平均寄与上位5銘柄の状況
  (1)6/25、日経平均+3,191円高、寄与上位5銘柄+2,588円高、占有率81.10%
   ・寄与上位      寄与額    上昇率    株価上昇幅
    アドバンテスト  +1,134円高  +15.06%高  +4,700円高
    東京エレクトロン + 547    +7.78    +5,440
    ソフトバンクG  + 419    +7.90    +521
    キオクシア    + 266 +12.27   +11,350
    ファーストリテイ + 222    +3.38    +2,760
     合計      +2,588円高

   ・寄与上位6~10位は、イビデン+106円、村田製作所+64円、太陽誘電+64円、TDK+46円、ディスコ+42円。日経平均押し上げ高は6~10位合計で+322円。1~10位合計で+2,910円、日経平均上昇の91.19%を占める。

   ・米国東部時間6/24夕に決算を発表したマイクロンの好収益が、日本・半導体関連株に与えたインパクトは驚くほど大きかった。

   ・海外短期筋の先物・現物買いに、売り方の買い戻しや個人投資家の買いも加わって日経平均は+3,191円高となったと思われる。

  (2)6/26、日経平均▲3,005円安、寄与上位5銘柄▲2,237円安、占有率74.44%
   ・寄与上位      寄与額    下落率    株価下落幅
    アドバンテスト  ▲835円安  ▲9.64%安   ▲3,460円安
    ソフトバンクG  ▲718    ▲12.53     ▲892  
    キオクシア    ▲274    ▲11.24     ▲11,670
    東京エレクトロン ▲243    ▲3.21 ▲2,420
    TDK       ▲167    ▲8.52     ▲333
     合計      ▲2,237円安

   ・マイナス寄与上位6~10位は、イビデン▲159円、村田製作所▲85円、太陽誘電▲68円、フジクラ▲61円、ファナック▲55円。日経平均押し下げ額は6~10位で、▲428円安。1~10位合計で▲2,665円安、日経平均下落幅の88.68%を占めた。

   ・AI・半導体関連の値がさ銘柄で、大幅な上昇&下落をするという不安定な流れが目立つ。リスク懸念が増加している。

 5)米国・超大型IPOでスペースXが軟調・オープンAIが先送りと、日経平均に暗雲
  (1)米国株の上昇が鈍化するかな、日経平均は軽快に上昇してきた。

  (2)しかし、スペースXの株価軟調、オープンAIの株式公開先送りとなり、冷や水を浴びせられた格好になった。

  (3)日経平均の上昇率が大きかっただけに、反動安が気にかかる。注意深く対応したい。

  (4)ただ、海外短期投機筋は多額の買い残高を有しているため、簡単には日本市場から逃げられない。時間を掛けて、買い⇒売り⇒買い⇒売りと日経平均を高値維持しながら持ち高を減らしてしていくものと思われる。

  (5)したがって、大幅安の後には買いを入れてくるとみる。そのような相場展開となりそうだ。ただ、米国株式相場は次第に重くなってきているように見受けられる。いつまでも、日本株が米国株を引き離して、上昇し続けるとは思えない。

●3.国際決算銀行(BIS)は6/28発表の年次報告書で、注意を要する「弱点」として、

 (1)AIバブル崩壊
 (2)インフレ
 (3)高水準の公的債務がもたらす財政の危険を挙げ、ショックを増幅させかねない潜在的金融の脆弱性が潜んでいると指摘した。(日本証券新聞)

●4.中国・商務省、軍民両用品の輸出管理リストに日本の20の企業・団体を追加(ロイター)

 1)20の企業・団体は、防衛研究所、コマツ、富士通の子会社などが含まれる。
 2)日本の「再軍備」の野心が理由だとしている。
 3)中国企業は事前の承認なしに、これらの企業・団体に販売できなくなる。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4385 メルカリ     業績好調
 ・4523 エーザイ     業績好調
 ・6503 三菱電機     業績堅調

【追伸】お読みいただいてきました「相場展望」は6/29号で投稿終了となります。財経新聞社さまのおかげで掲載していただきましたが、運営方針の変更とのことです。長きにわたりご愛読いただき、ありがとうございました。

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