株主提案101社に増加、アクティビスト提案は過去最多 企業統治改革が加速
2026年6月24日 13:40
大和総研は17日、2026年6月に開催される定時株主総会における株主提案の集計速報を発表した。提案を受けた企業は101社となり、過去2番目の高水準を記録した。
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中でもアクティビスト(物言う株主)による提案は52社に達し、過去最多となった。資本効率の改善や株主還元を求める声が強まっている実態が、集計結果から浮き彫りになった。
調査によると、株主提案を受ける企業数はここ数年で急激な増加傾向を示している。今回の101社という水準は、過去最多を記録した前年の2025年に肉薄する多さだ。業績自体は堅調でも、PBR(株価純資産倍率)が低迷している企業が標的にされるケースが増加している。
■株主還元の強化や経営陣への要求が目立つ
株主から突きつけられた提案内容で最も多いのは、株主還元の抜本的な強化に関する要求である。
具体的には、配当金の大幅な増額や大規模な自己株式の取得を求める議案が多数を占めている。企業が内部に蓄えた余剰資金を、成長投資や投資家への還元に回すよう促す狙いがある。
次いで多いのが、社外取締役の選任や現経営陣の解任などに関する人事案である。経営の透明性向上やガバナンス体制の改善を求める声が目立っている。
アクティビストが独自の社外取締役候補を推挙し、経営への監視機能を強化する動きが出ている。
また、不祥事の発生や長期的な業績低迷に苦しむ企業には、経営陣の退任を迫る厳しい議案も出ている。投資家が企業の統治能力に対して不信感を募らせている状況がうかがえる。
■2023年からの東証の要請が追い風に
アクティビストからの提案が急増している背景には、東京証券取引所による市場改革の動きがある。
東証は2023年3月に、上場企業へ向けて資本コストや株価を意識した経営の実現を要請した。PBRが1倍を割る企業などには、改善に向けた具体策の開示を求めている。
2023年の東証の要請が、現在も株主からの要求を正当化する強力な大義名分として機能している。投資家側はこれを根拠に、資本効率の低い企業へ積極的な働きかけを行っている。
企業側の提示する中期経営計画などが不十分だと判断されれば、株主提案へ踏み切る構えだ。
さらに、国内の機関投資家も議決権行使の基準を年々厳格化する動きを見せている。アクティビストの提案に対して、一般の機関投資家が賛同して賛成票を投じるケースも増えつつある。
■下旬の総会ピークに向け委任状争奪戦も
企業側も株主からの要求に対し、受け身の対応にとどまらず、迅速な対応を迫られている。
総会での対立を避けるため、事前に会社側から増配や自社株買いを発表する企業も相次いでいる。水面下の対話でアクティビストと合意に達し、事前に提案が取り下げられる事例も散見される。
投資家との建設的な対話が、これまで以上に経営の要となっている。17日の速報発表を受け、6月下旬に控える株主総会のピークに向けて、各地で激しい委任状争奪戦が展開されると予想されている。
仮に総会の場で株主提案が否決されたとしても、一定数の賛成票が集まれば経営陣への大きな重圧となる。企業には、その場しのぎの対応ではなく、持続的な企業価値向上への道筋を示すことが求められる。
総会終了後も、市場からの厳しい評価は継続していくこととなる。(記事:りょう448・記事一覧を見る)