日本国土開発、国土強靱化で進むV字回復と低PBR是正の行方

2026年6月23日 17:50

 日本国土開発(コード:1887)の業績回復が鮮明だ。同社は2026年5月期の通期営業利益予想を従来の50億円から60億円(前期比158.8%増)、純利益を40億円(同200.1%増)へと大幅に上方修正した。

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 第3四半期累計時点で営業利益はすでに52億7500万円に達する一方で、株価指標はPBR0.61倍前後と解散価値を大きく下回る。

 本格化する国土強靱化投資を追い風に、中堅ゼネコンとしての稼ぐ力の持続性と、過小評価是正の行方を追う。

■採算重視の「選択受注」による黒字定着

 日本国土開発は、2024年5月期に不採算工事等で94億円の営業赤字を計上したが、翌期に黒字転換。今期は売上高1360億円(前期比10.3%増)、営業利益60億円を見込み、V字回復を印象づけた。

 牽引役は、主力・土木事業での徹底した選択受注だ。重機を生かした大規模造成やダム工事に集中し、粗利率を改善。株主還元も今期は1円増の年間23円配当(予想利回り4%台後半)とする。

 第3四半期末の連結自己資本比率は43.5%(前期末比3.6ポイント低下)となったが、DOE(株主資本配当率)を収益回復を前提に2.5%水準から段階的に3.0~3.5%水準へ引き上げる方針を掲げ、資本効率の改善と株主還元の拡充を図る。

■国策の追い風とディスカウントの背景

 マクロの追い風は、政府の「第1次国土強靱化実施中期計画」だ。

 5年間で20兆円強を見込む同計画は、複数年度の執行が明確化され、地方インフラ需要が底上げされる。人手不足下、大手が敬遠する数十億~100億円規模の案件で、同社の重機施工ノウハウは高い価格転嫁力を発揮する。

 それでもPBRが0.6倍台に沈むのは、過去の大幅赤字への警戒感と資本効率への懐疑が市場に残るためだ。足元の回復が「構造的変化」だと証明し、投資家のトラウマを払拭できるかが問われる。

■「ROE8.0%」達成への課題と再評価の条件

 中期経営計画(2026年5月期~2028年5月期)では、最終年度に「営業利益90億円、ROE8.0%」を掲げる。初年度の上方修正で好発進したが、今後は資材高や労務費の吸収、自治体の発注遅延リスクへの対応が必須となる。

 試金石は今年7月の本決算発表と次期ガイダンスだ。特需への依存ではなく、本業の収益性が資本コストを恒常的に上回ったと市場が確信した時、ディスカウント是正が本格的に動き出す。(記事:今福雅彦・記事一覧を見る

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