ワコム Research Memo(5):次世代の技術開発や新ユースケースの開拓に向け、数々の技術・資本提携を実現

2026年6月11日 15:35

*15:35JST ワコム Research Memo(5):次世代の技術開発や新ユースケースの開拓に向け、数々の技術・資本提携を実現
■ワコム<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0672700?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><6727></a>のトピックス

1. 技術・資本提携の推進
中期経営計画「Wacom Chapter 4」の戦略軸に沿った取り組みとして、同社グループが持つデジタルペンの技術価値や各要素を「ペンとインクの統合体験」として市場実装するため、次世代の成長エンジンとなる技術開発に向け、積極的な投資や提携を推進している。2026年3月期については4社との技術・資本提携に取り組み、合計20.7億円を出資した。具体的には、2025年4月に業務用モニター上でのインク体験といった新しいユースケースを開拓するためSYNCORE TECHNOLOGY.,LTD.(米国ソフトウェア企業)に3億円の出資を行ったほか、2025年5月には医療現場のメディカルワークフローにおける「かく」体験の共創のためHoloeyes(株)に1億円を出資した。また、2025年10月には東北大学とのジョイントベンチャーである(株)TOWALabを設立した(出資額0.1億円)。東北大学スマートエイジング棟内に拠点を構え、脳と心の健康づくりを目的としたデジタルアート教室「とわらぼ」を展開し、アートと脳科学で高齢化社会における社会課題の解決に取り組む。さらに2026年3月には、共創型事業というコンセプトを掲げ、地域コミュニティ貢献による共創を基盤に電力及び環境分野でのITシステム事業及びコンサルティング事業を主軸とする(株)リクロスエクスパンション(以下、リクロス)を100%子会社化した(取得価額16.6億円)。AI時代の成長に向けた次のステップに進むため、リクロスの強みである事業開発・展開力を活用し、事業展開の加速化を図るねらいである。2026年5月にはリクロスとともに、酒類販売・配達の「なんでも酒やカクヤス」を運営する(株)ひとまいると共同で、配送・店舗業務のDXに手書きデータを取得・処理するデザインインク技術を活用した実証実験を公表した(2026年7月開始予定)。手書き入力を活用した店舗DXの推進や配送業務における安全・健康管理の高度化※に取り組むとともに、「ハード販売+サービス」による収益モデルを実現し、同類ユースケースでの標準化及び横展開を目指す。

※ ドライバーの筆跡データをデジタルインク技術で収集・解析し、筆圧や速度の変化などから疲労や体調変化の兆候を把握する可能性を検証する。

2. 新インプット技術USM の基礎開発完了
USM(Universal Sensor Module)は、EMRペンとタッチの両方を同一センサー上で駆動し、EMRペン専用のセンサー搭載が不要となるほか、従来と同じEMRペンが使えるところに特長がある。ユーザー及び顧客にとっては、本体の薄型化や軽量化、構造の簡素化、トータルコストの削減に加え、共通のEMRペンを使用できる点にメリットがある。基礎開発が完了し、複数の顧客と商用実装を検討中であるが、商用実装第1号となる大手案件を既に獲得しているようだ※。

※ 開発日程や出荷開始タイミングは顧客ロードマップに準拠しながら調整する予定。

3. アニー賞の受賞
同社は、2026年2月にアニメーション業界で最も権威ある賞とされるアニー賞の第53回授賞式において、アニメーションの芸術や業界に大きな影響を与えた技術的進歩に貢献した個人または企業に贈られる「Ub Iwerks賞」を受賞した。技術的評価はもちろん、アニメーションコミュニティにおける同社の存在価値を示すものとして注目される。また、同社はこれを機に、株主への感謝の意を込めて記念配当3.0円の実施を決定した。

4. IR情報発信の強化
同社は、IR情報をよりわかりやすくタイムリーに発信することを目指し、IRサイトのリニューアルを実施した。また、四半期決算などの開示資料だけでは伝えきれない情報についても、同社IR専用のYouTubeチャンネルを通じて発信するなど、IR情報発信の強化に乗り出している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)《HN》

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