新NISAでも資産は減る、人気投資先に潜む下落リスクの正体
2026年6月11日 16:59
新NISAの開始以降、「資産形成」や「老後資金づくり」といった言葉を目にする機会が増えた。しかし、NISAはあくまで投資で得た利益が非課税になる制度であり、損失を防ぐ仕組みではない。
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非課税制度であることと、投資で利益が出ることは別問題であり、実際、新NISAでも購入するタイミングや投資先によっては損失を抱えるケースがある。
■下落ケースは多数
過去の旧NISA時代を振り返ると、人気の投資先が大きく下落した例はいくつもある。
2020〜2022年には、コロナ禍およびテレワーク需要による成長期待からハイテク株が買われていたが、米国の急速な利上げによりNASDAQ100は最大約33%下落し、また多くのグロース株が30〜80%もの値下がりを経験した。
また、「次の米国」と期待された中国株も、中国政府による規制強化や不動産不況、米中対立などを背景に急落した。
さらにEVや宇宙関連などのテーマ型投信も、ブームの終息や金利上昇によって大幅な調整に見舞われている。高配当で安定資産と見られていたREITも、金利上昇による逆風が長引いた。
こうした事例に共通するのは、「人気だから上がる」と考えられていた資産が、経済環境や政策の変化によって大きく値下がりした点だ。
■新NISAの人気投資先にもリスクが
では現在はどうだろうか。新NISAの投資先として人気の高い米国株や全世界株式にも、いくつかのリスク要因がある。
まず、新NISAで人気の高いS&P500や全世界株式の上昇を支えてきたAI・半導体関連株だ。AIブームへの期待から株価は大きく上昇したが、その一方で投資マネーが集中しすぎたことで過熱感も指摘されている。
実際、2026年春以降はAI投資の持続性や企業業績への期待の反動などを背景に、半導体株を中心に利益確定売りが広がる場面も見られた。市場では「好業績でも期待を上回れなければ売られる」という状況が起きている。
また米国の関税政策や、中東情勢などの国際問題も、株価を左右する要因となっている。2026年には関税政策を巡る先行き不透明感や、イラン情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりから、世界の株式市場が不安定になる局面もあった。
特に半導体や輸出関連企業は、サプライチェーンや貿易環境の変化の影響を受けやすい。
さらに、米国株やオルカンを保有している場合は為替リスクにも注意が必要だ。投資先の株価が上昇していても、円高・ドル安が進めば円換算の資産額は減少する可能性がある。
■まとめ
新NISAは資産形成を後押しする制度ではあるが、投資に伴うリスクそのものをなくす仕組みではない。
投資先の特徴や社会情勢を理解したうえで、自身の許容できる範囲で長期的に活用することが大切だ。