【注目銘柄】ムゲンエステート、年初来安値圏から底上げ、高配当利回りと中間配当権利取りを材料視
2026年6月9日 08:24
■年初来安値から底上げ途上、利益確定売りを吸収
ムゲンエステート<3299>(東証スタンダード)は、前日8日に5円安の1678円と小反落して引けた。日経平均株価が2563円安と3営業日続落し、東証スタンダード市場指数も2.12%安と反落したことから、6月2日に売られた年初来安値1621円からの底上げ途上にある同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、取引時間中につけた安値1664円からは引き戻した。
同社株は、今年5月15日に発表した今2026年12月期第1四半期(2026年1月~3月期、1Q)業績が2ケタの減収減益転換で着地したことが嫌気され、年初来安値へ200円幅の急落を余儀なくされた。一方、今12月期配当に変更はなく、年間130円へ連続増配し、中間配当も増配を予定していることを手掛かりに、6月末の中間配当の権利を取る買い物が交錯した。同社の年間配当利回りは7.74%と東証スタンダード市場の高配当利回りランキングのトップに位置しており、中間配当の債券投資的な所有期間利回りも意識されている。
■1Qは減収減益も通期予想は据え置き、純利益は連続最高更新へ
同社の今12月期1Q業績は、売り上げ125億2300万円(前年同期比27.0%減)、営業利益10億1400万円(同66.0%減)、経常利益7億3100万円(同72.5%減)、純利益4億4000万円(同75.1%減)と、前年同期のV字回復から大きく減収減益に転じた。主力の不動産買取再販事業で、地政学的な緊張の高まりを背景に海外投資家の需要が一部弱含み、大型物件の販売も伸び悩んだ。居住用不動産では販売件数は増加したものの平均販売単価が下落し、投資用不動産では平均販売単価は上昇したものの販売件数が伸び悩んだことなどが要因となった。
ただ、今12月期通期業績は期初予想に変更はなく、売り上げ792億8600万円(前期比16.1%増)、営業利益123億9800万円(同12.2%増)、経常利益110億5800万円(同11.1%増)、純利益75億9900万円(同14.1%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新する見通しである。
■前期は下方修正後に一転上方修正、今期も連続増配を予定
同社は、前2025年12月期業績についても、昨年11月に下方修正したものの、今年1月に想定を上回る複数の大型物件の販売を手掛かりに一転して上方修正し、年間配当も114円(前々期実績104円)に増配した。
今2026年12月期配当も、年間130円へ連続増配を予定しており、中間配当も前年同期の45円から52円へ増配予定である。配当利回り7.74%は、12月期決算会社の中間配当予定会社のトップであるばかりか、東証スタンダード市場全銘柄ベースでもトップに位置し、中間配当の権利付き最終売買日6月26日を前にした債券投資的な所有期間利回りでも注目されることになる。
■PER5倍、配当利回り7.7%台で2000円大台奪回を意識
株価は、前期業績の一転した上方修正と増配に、今期業績の連続最高業績・増配予想が続いて年初来高値2602円まで買い進まれた。その後、地政学リスクの高まりとともに下値調整となり、今期1Q業績の2ケタ減収減益着地が響いて年初来安値1621円へ売られた。足元では同安値から底上げを窺っているところで、PERは5.1倍、配当利回りは7.74%となお売られ過ぎを示唆しており、インカムゲインとともにリバウンド幅拡大のキャピタルゲインも期待される。まずは年初来高値から年初来安値への調整幅の3分の1戻しをクリアし、2000円大台奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)