5月の倒産件数は780件、6カ月ぶりに前年下回る

2026年6月9日 14:04

 東京商工リサーチが5月度の「全国企業倒産」を発表した。倒産件数は6カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、貸出金利の上昇や中東情勢の不安定さを受けて、夏にかけて倒産が増える可能性を示唆している。

【前月は】4月の倒産件数は883件、中東情勢悪化で夏場に倒産が増加する可能性も

■企業倒産件数は6カ月ぶりに前年下回る

 8日、東京商工リサーチが5月の「全国企業倒産」を発表。全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は前年同月比8.98%減の780件となり、6カ月ぶりに前年同月を下回った。

 一方、5月の負債総額は同34.08%増の1,211億9,900万円となり、3カ月連続で前年同月を上回った。

 主な大型倒産企業は、不動産賃貸の持株会社トーシンホールディングス(負債総額:159億9,100万円、以下同じ)、メタバース体験施設運営のゼクサバース(74億4,400万円)、繊維製造業のキュアテックス(32億円)、中古車販売のプラウド(30億6,100万円)、EV充電インフラ2号合同会社(25億円)などで、東証スタンダードのトーシンホールディングスが負債総額を持ち上げた格好だ。

 5月は倒産件数が前年を下回ったものの、貸出金利や石油精製品価格の上昇により、夏場に向けて企業倒産が増える可能性がある。

■10産業中7産業で前年同月下回る

 産業別の倒産件数は、10産業中7産業で前年同月を下回った。

 倒産件数が最も多かった産業はサービス業他の253件(前年同月比:17.85%減、以下同じ)。次いで建設業が147件(11.97%減)と、ここまでが倒産件数で100件以上。

 以下は小売業が94件(14.63%増)、製造業が90件(3.22%減)、卸売業が86件(4.44%減)、情報通信業が45件(28.57%増)、運輸業が35件(9.37%増)、不動産業が21件(41.66%減)、農・林・漁・鉱業が8件(27.27%減)、金融・保険業は1件(66.66%減)となっている。

 都道府県別で最も倒産件数が多かったのは東京都の156件で、唯一の100件超え。以下は大阪府が81件、兵庫県が50件、愛知県が48件、神奈川県が43件、福岡県が43件、千葉県が24件、京都府が21件と続く。

 反対に倒産件数が少なかったのは、島根県が1件、秋田県、鳥取県、高知県、沖縄県が各2件だった。

■小規模倒産も6カ月ぶりに前年下回る

 同日、東京商工リサーチが5月度の負債1,000万円未満の倒産について発表。負債1,000万円未満の倒産件数は前年同月比7.1%減の39件となり、6カ月ぶりに前年同月を下回った。また1月から5月の累計倒産件数は221件で、前年同期の201件を上回るペースが続いている。

 中東情勢に端を発する原材料価格の高騰によるコスト増加や、原材料や燃料などの供給不安は続いているものの、小口融資に柔軟に対応する金融機関も一部にあることから、小規模倒産の発生が抑制された可能性がある。

 ただし、今後も原材料の供給不安やコストの上昇が続くようであれば、倒産に至る中小企業が増える可能性が高くなるだろう。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連記事

最新記事