ヒーハイスト、27年3月期は大幅増収・黒字転換で復配予想、半導体製造装置やロボット向け需要に期待
2026年5月28日 07:57
ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーで、工作機械、ロボット、半導体製造装置等に使用される直動機器を主力としている。26年3月期は減収・赤字だった。直動機器の需要回復遅れなどが影響した。27年3月期は大幅増収・黒字転換で復配予想としている。直動機器の需要が回復に向かうほか、前期に減損損失を計上したため当期の減価償却負担が減少することも寄与する。また中長期的には半導体製造装置やロボット向けなどに直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価はヒューマノイドロボット関連を材料視して乱高下する形だが、利益確定売りをこなしながら戻りを試す展開を期待したい。
■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー
小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。リニアボールブッシュは機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、工作機械、ロボット、半導体製造装置等に使用されるリニアボールブッシュや球面軸受けなどの直動機器、レース用部品や試作部品の受託加工などの精密部品加工、液晶製造装置向けなどのユニット製品を展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。
26年3月期の部門別売上高は直動機器が10億58百万円、精密部品加工が3億34百万円、ユニット製品が2億32百万円だった。主要販売先はTHK<6481>、本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。
■生産能力向上と採算性向上を推進
26年4月には新経営ビジョン「自ら技術と人をつなぎ、世界のステージへ Joint・RobotのHEPHAIST」を公表した。自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。
中期経営計画(毎期ローリング方式、24年3月期~27年3月期)では、27年3月期の計画値として売上高28億63百万円、売上総利益6億27百万円、売上総利益率21.9%、営業利益1億39百万円、営業利益率4.9%を掲げている。株主還元については27年3月期までに配当性向20~30%に強化する方針としている。また25年3月末より株主優待制度を新設した。
事業戦略としては、設備投資・生産数量の確保による安定生産、人的資本投資等への成長を継続する。また製品群の見直し(スクラップ&ビルド)として低採算製品からの撤退を検討し、リソースを高収益製品に集中することで採算性向上を推進する。なお25年3月にはマレーシア市場の開拓、ステージのメカニカルおよび電気制御の技術的な相互補完を目的として、マレーシアのMIRAI社とパートナーシップ契約を締結した。
24年4月には人的資本経営の一環および株式市場での流動性向上を図ることを目的として、社員持株会の奨励金付与率を現行の5%から50%に引き上げた。24年6月にはヒーハイストCSR活動方針を策定した。24年8月には埼玉県の多様な働き方実践企業におけるプラチナランクの認証を受けた。24年11月には埼玉県SDGsパートナーとして登録された。25年1月には秋田県SDGsパートナーとして登録された。25年8月には埼玉県の健康経営実践事業所として認定された。25年9月には健康保険組合と協力して健康企業宣言を行った。
25年8月には、下請法の改正法として26年1月から施行される中小受託取引適正化法に関して、関係キーマン数十名がセミナーを受講し、対応を確認した。26年1月には同社秋田工場が、令和6年度において厚生労働統計調査の指定事業所として他の模範となる正確かつ迅速な報告に努めたことが認められ、厚生労働統計功労者功績表彰された。26年2月には、生成AI活用法の社内研修(本社・埼玉工場、秋田工場)の実施、および新ビジョン策定に向けた中堅社員と経営陣とのワークショップ開催をリリースした。
■ヒューマノイドロボット関連
25年10月に早稲田大学、テムザック、村田製作所、SREホールディングスが日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す新団体として一般社団法人KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)を設立し、同社も参画した。
26年1月には、コンピュータサイエンスなどの分野において世界的な権威であるチューリッヒ工科大学のフォーカスプロジェクト(有能なヒューマノイドロボットを生み出す重点プロジェクト)「オービットロボティクス」チームのパートナー(最適な関節ジョイント提供)に指定された。また26年3月にはKyoHAのホームページが公開された。
26年4月にはKyoHAにおいて開発第一弾となる検証機が報告された。構成部品から完成品に至るまで、すべてを国産で実施した。設計着手から組立完了まで約4カ月で実施し、短期間での試作・検証を実現した。
■27年3月期大幅増収・黒字転換で復配予想
26年3月期の連結業績は売上高が前期比27.1%減の16億36百万円、営業利益が2億62百万円の損失(前期は1億21百万円の損失)、経常利益が2億99百万円の損失(同1億89百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が7億18百万円の損失(同2億03百万円の損失)だった。なお特別損失に減損損失4億13百万円を計上した。配当は無配(前期は1円)とした。
減収・赤字だった。主力の直動機器の需要回復遅れなどが影響した。部門別売上高は、直動機器が産業用機械関連の需要回復遅れにより22.5%減の10億58百万円、精密部品加工がレース用部品のレギュレーション変更の影響により49.2%減の3億34百万円、ユニット製品が半導体製造装置向け案件への対応によりステージ製品が増加したほか、球面軸受の販売価格引き上げ効果も寄与して16.9%増の2億32百万円だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高4億64百万円で営業利益49百万円の損失、第2四半期は売上高3億82百万円で営業利益93百万円の損失、第3四半期は売上高3億83百万円で営業利益56百万円の損失、第4四半期は売上高4億07百万円で営業利益64百万円の損失だった。
27年3月期連結業績予想は売上高が前期比26.3%増の20億66百万円、営業利益が1億01百万円(前期は2億62百万円の損失)、経常利益が98百万円(同2億99百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が92百万円(同7億18百万円の損失)としている。配当予想は復配で2円(期末一括)としている。予想配当性向は13.4%となる。
27年3月期は大幅増収・黒字転換で復配予想としている。直動機器の需要が回復に向かうほか、前期に減損損失を計上したため当期の減価償却負担が約60百万円減少することも寄与する。また中長期的には半導体製造装置やロボット向けなどに直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。
■株主優待制度は毎年3月末対象
株主優待制度については25年3月末より実施したが、25年11月12日に内容変更(詳細は会社HPを参照)を発表した。26年3月末については1000株以上保有株を対象にデジタルギフト5000円分、27年3月末以降は毎年3月末日時点で1000株以上を1年以上保有している株主を対象にデジタルギフト5000円分を贈呈する。
■株価は戻り試す
株価はヒューマノイドロボット関連を材料視して乱高下する形だが、利益確定売りをこなしながら戻りを試す展開を期待したい。5月27日の終値は1460円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円91銭で算出)は約98倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS336円84銭で算出)は約4.3倍、そして時価総額は約92億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)