Jトラスト、26年12月期は増収増益予想、第1四半期は大幅増益で収益拡大基調、株価は18年以来の高値圏
2026年5月26日 07:43
Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。26年12月期は増収増益予想としている。日本金融事業、韓国金融事業が堅調に推移する見込みだ。第1四半期は大幅増益と順調だった。営業利益は社内計画に対して約2倍の水準で着地した。日本金融事業が好調に推移したほか、韓国金融事業と不動産事業の営業損益が大幅に改善した。第1四半期の営業利益が計画を大幅に上回ったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値更新の展開で18年以来の高値圏だ。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■日本、韓国、東南アジアで金融事業を展開
日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。
25年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は日本金融事業が78億80百万円、韓国金融事業が24億42百万円、東南アジア金融事業が10億36百万円、不動産事業が5億91百万円、投資事業が8億19百万円、その他が27百万円の損失だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。
■成長加速に向けて事業基盤拡大
日本金融事業は、主に日本保証が信用保証/消費者・事業者向け金融事業、パルティール債権回収が債権回収業、Jトラストグローバル証券(以下:JTG証券)が証券業、Nexus Cardがクレジットカード事業を展開している。日本保証は保証残高が26年3月末時点で3000億円に到達した。
韓国金融事業は、主に韓国・JT貯蓄銀行と韓国・JT親愛貯蓄銀行が銀行業、韓国・TA Assetが債権回収業を展開している。
東南アジア金融事業は、インドネシアでJトラスト銀行インドネシア(以下:BJI)が銀行業、Jトラストインベストメンツインドネシア(以下:JTII)が債権回収業、TA Assetインドネシア(以下:TAID)が債権回収業、カンボジアでJトラストロイヤル銀行(以下:JTRB)が銀行業を展開している。なお23年6月に、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(以下:JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。
不動産事業は同社、Jグランド、ライブレント、グローベルスが展開している。Jグランドは23年5月にライブレントを子会社化、25年3月に子会社グランド保証を設立して家賃保証事業に参入、25年4月にクレディセゾンと業務提携して家賃保証サービスを開始、25年11月に不動産特定共同事業法に基づく金融庁長官・国土交通大臣認可を取得して不特法クラウドファンディングサービスを開始した。
投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGLH社に出資したが、17年10月にタイGLH社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このためタイGLH社、此下益司氏およびGLH社の関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起しており、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど資金回収が進展している。直近の経過(26年1月22日付リリース)として、GLがJトラストアジアに対して提起していた880百万タイバーツ(約44億円)の賠償を求める訴えに関して、タイの最高裁判所が26年1月21日付でGLの上告を棄却する判決を言い渡した。これによりJトラストアジアの勝訴が確定した。
その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務を展開している。またKeyHolder<4712>は持分法適用関連会社となっている。
■26年12月期増収増益予想
26年12月期の連結業績(IFRS)予想については営業収益が前期比4.6%増の1300億円、営業利益が6.4%増の116億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.0%増の81億円としている。配当予想は前期と同額の17円(期末一括)としている。前期の17円には記念配当1円を含んでいるため普通配当ベースでは1円増配となる。予想配当性向は27.9%である。
第1四半期は営業収益が前年同期比1.9%増の310億41百万円、営業利益が66.8%増の34億48百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が8.1倍の33億52百万円だった。大幅増益と順調だった。営業利益は計画に対して約2倍の水準で着地した。日本金融事業が好調に推移したほか、韓国金融事業と不動産事業の営業損益が大幅に改善した。
日本金融事業の営業利益は52.5%増の26億33百万円だった。営業収益が債権回収業務における簿価修正益の増加、クレジット・信販業務における割賦立替手数料の増加、証券業務における金融業務受取手数料の増加などにより23.8%%増収と好調に推移し、大幅増収効果で大幅増益だった。
韓国金融事業の営業利益は8億31百万円(前年同期は4億41百万円の損失)だった。営業収益は銀行業における平均貸出金利低下で貸出利息収入が減少したことなどにより0.2%減収だが、調達金利の低下による預金利息費用の減少、予想信用損失の改善による貸倒引当金繰入額の減少などで営業損益が大幅に改善した。
東南アジア金融事業の営業利益は45.4%減の4億89百万円だった。銀行業における貸出金減少に伴う貸出金利息収益の減少、インドネシア中央銀行への預金残高減少に伴う預金利息収益の減少により営業収益が19.0%減少し、営業利益も減益だった。
不動産事業の営業利益は3億24百万円(同65百万円の損失)だった。新築分譲マンション販売が堅調に推移して営業収益が58.9%増収となり、営業損益が大幅に改善した。投資事業の営業利益は23百万円の損失(同3億53百万円)だった。貸付債権減少に伴う貸付金利息収益減少などで営業収益が減少し、訴訟費用の増加も影響した。その他事業の営業利益は10百万円の損失(同18百万円)だった。
なお第1四半期のセグメント別営業利益の計画比増減は、日本金融事業が4億円上振れ、韓国金融事業が3億円上振れ、東南アジア金融事業が13億円上振れ、不動産事業が1億円上振れ、投資事業が2億円下振れで、連結ベースでは16億円上振れて着地した。
通期の連結業績予想は前回予想(26年2月13日付の期初公表値)を据え置いている。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が20.0%増の94億58百万円、韓国金融事業が57.3%増の38億42百万円、東南アジア金融事業が10億31百万円の損失(前期は10億36百万円)、不動産事業が92.2%増の11億37百万円、投資事業が54.3%減の3億74百万円、その他事業が1億87百万円の損失(前期は27百万円の損失)としている。
日本金融事業は信用保証業務、債権回収業務、証券業務が順調に伸長して増収増益を見込む。韓国金融事業は、短期延滞債権の回収に注力して貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少を見込むほか、大型不良債権のリファイナンシング等による貸倒引当金(損失評価引当金)戻入益を見込む。東南アジア金融事業は、インドネシアでは銀行業務の積極的な貸出残高の増強など、カンボジアでは富裕層を主要顧客とする貸出および運用提案を強化する。不動産事業は総合不動産会社として商品ブランド戦略を推進する。投資事業は投資収益の確保やGL社に対する損害賠償金の回収を推進する。
通期予想を据え置いたが、第1四半期の営業利益が計画を大幅に上回ったことを勘案すれば、通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主優待制度は毎年6月末日対象
株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年6月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。5月14日には26年12月期の株主優待制度の詳細をリリースした。
■株価は年初来高値更新の展開
25年7月には、FTSE RussellのESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初めて選定された。
株価は年初来高値更新の展開で18年以来の高値圏だ。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月25日の終値は820円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円84銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1215円44銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約1095億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)