株価低迷が続く任天堂 高市内閣のコンテンツ分野成長投資に期待

2026年5月25日 14:05

●Switch2の値上げ問題で株価低迷が続く任天堂

 任天堂の株価低迷が続いている。1月5日に付けた年初来高値1万890円から、5月15日の年初来安値6,849円まで約4,000円も値下がりしている。

【こちらも】AIブームでゲーム株に逆風、ソニー・任天堂の分かれ目は価格転嫁力と需要

 株価下落の原因の1つとされているのが、主力製品「Switch2」の値上げ問題である。生成AIの急速な普及からゲーム機向けメモリの調達コストが上昇しており、対策としてSwitch2の価格を5月25日より4万9,980円から5万9,980円へ一気に1万円値上げする。

 当然需要の減少(新品から中古へのシフトなど)が予想されるが、販売数の減少を値上げでどの程度補えるか見通しが不透明なのが、投資家の疑心暗鬼を生んでいる状況だ。

 直近の株価は7,240円(5月22日終値)とやや持ち直しているが、高値水準の回復にはほど遠い。

●2027年3月期の業績見通し

 任天堂の2027年3月期の業績予想は、売上高2兆500億円(前年同月比11.4%減)、営業利益3,700億円(同2.7%増)、経常利益4,300億円(同20.7%減)、純利益3,100億円(同26.9%減)となっている。

 前期の大幅増益(純利益前年比52.1%増)から一転しての最終減益の予想を嫌気して、株価の下落につながっている状況だ。

●高市内閣によるコンテンツ分野への戦略投資に期待

 株価低迷が続く任天堂にとって期待したいのが、高市内閣が掲げる17分野の成長投資戦略である。総理大臣官邸を会場にした「日本成長戦略会議」では、総合経済対策に盛り込むべき重点施策について討議が行われている。

 会議では、成長投資の候補として挙げられている17分野のそれぞれにおいて、先行品目が決定されたが、コンテンツ分野でゲームが選ばれた点に注目したい。

 政府の知的財産戦略本部が公表している「新たなクールジャパン戦略」の資料によると、日本のコンテンツの海外売上市場規模は、2012年の1兆4,038億円から2022年の4兆6,882億円まで約3.3倍に拡大している。

 中でも売上規模が大きいのが、家庭用ゲームとアニメである。経済産業省は、2033年にはコンテンツ全体の海外売上規模20兆円を目標に掲げている。

 ただし任天堂は、「世界のNINTENDO」としてブランドが既に国際的に確立されているため、政府がコンテンツ分野でゲーム業界を支援したからといって、中小型企業ほどの業績変化率は見込めないかもしれない。

 それでも、ゲーム関連株全体が上昇すれば、任天堂株にも見直し買いが入る可能性はあるだろう。少なくとも株価回復への一助になることは期待できる。

 任天堂株が再び1万円を超える値嵩株になるか、今後の値動きが注目される。(記事:丸山優太郎・記事一覧を見る

関連記事

最新記事