国内株式市場見通し:AI関連株が持ち直す流れに、海外投資家の日本株への資金シフトも意識

2026年5月23日 14:39

*14:39JST 国内株式市場見通し:AI関連株が持ち直す流れに、海外投資家の日本株への資金シフトも意識

■AI関連株を中心に週後半にかけて急速に切り返す展開に

今週の日経平均は先週末比1929.78円高(+3.1%)の63339.07円で取引を終了した。週前半は売りが先行し、20日には4月7日以来の25日移動平均割れとなり、終値ベースでも5月1日以来の60000円大台割れとなった。世界的な長期金利の上昇が嫌気される形となり、とりわけ、過熱感も意識される人工知能(AI)関連株や半導体関連株の下落が指数を押し下げることとなった。


ただ、週後半にかけては急反発し、21日が1879円高、22日が1654円高となり、一気に5日続落したマイナス分を取り返す状況となっている。トランプ米大統領が、イランとの戦闘終結に向けた交渉について「最終段階に入っている」と発言し、リスク選好の動きを強めさせることとなった。中東情勢への警戒感後退に加えて、米オープンAIのIPO申請観測報道も伝わったことで、ソフトバンクグループ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0998400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9984></a>を筆頭にAI関連株人気が再燃する状況となっている。

■エヌビディア決算通過、フジクラ下げ止まりは安心材料に

今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比294.04ドル高の50579.70ドル、ナスダックは同50.87ポイント高の26343.97で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値60円安の63280円。カタール交渉団がイラン入りと伝わったことなどから、中東和平交渉の進展期待が優勢になった。米長期金利の低下なども安心感につながった。AI・半導体関連はまちまち、SOX指数は約2%の上昇となっている。

今週最大の注目イベントであった米エヌビディアの決算は、2-4月期実績、5-7月期見通しともに売上高が市場見通しを上回り、四半期配当金も引き上げている。さらに、800億ドル規模の自社株買い計画も発表。ポジティブインパクトの強い決算であったが、発表後の株価は軟調推移となっている。ただ、エヌビディア決算後の株価下落は、他のAI・半導体関連株には波及しなかった。AI半導体需要の強さがあらためて意識されることとなり、米国市場や日本市場のAI関連銘柄にはむしろ支援材料につながった形。エヌビディアの株価動向に対して、他の半導体株が一喜一憂するような以前の状況からは完全に変化しているものと受け止められ、株式市場にはポジティブな流れともいえよう。

今週の東京市場で最も注目を集めたのはソフトバンクGといえる。オープンAIのIPO準備報道、英アームの株価急騰などを背景に、21日には日経平均を804円、22日には577円押し上げたとされている。短期的には株価急騰の反動が日経平均に与える影響も懸念されるが、足下ではフジクラに代わるAI関連株の中心銘柄となってきており、調整場面では押し目買いも向かいやすいとみられる。いずれにせよ、AI関連株、ひいては日経平均株価の行方を左右するものとなり、その動向に注目度を高める必要があろう。なお、フジクラは高値から48%の急落となったが、週後半にかけてはリバウンドを強めており、目先はAI関連株に対する安心材料とはなるだろう。

■海外投資家の日本株への資金シフトは意識される

米国とイラン双方で和平協議に進展と明らかにしているようだが、ここまでの経緯を見ても先行き不透明感は拭い切れない。原油相場も100ドルに近い水準での推移が続いている。今後も失望感と期待感が繰り返される状況が続く可能性は高いとみられる。また、仮に和平協議に大きな前進が見られた場合でも、原油相場の反落余地は大きそうだが、株式市場では株価水準から考えても、早い段階での戦争終結を織り込んでいる印象がある。むしろ、戦争終結はAI・半導体株の一極集中相場を変化させる公算があり、資金シフトによって指数にはマイナスの影響につながる余地もあると考える。ただ、この場合は、出遅れセクターや銘柄への投資チャンスとなるだろう。

日米ともに長期金利は高値圏での推移が続いている。来週は、国内では27日に国際コンファランスにおいて植田日銀総裁の挨拶が予定されている。一方、米国では28日に個人消費支出デフレーターが発表予定だが、26日には住宅価格指数が発表され、需要鈍化に伴ったインフレ抑制期待が高まる余地はあろう。ただ、いずれにせよ、日銀の6月利上げ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の当面の金利据え置きの可能性は高いと考えられる。なお、長期金利上昇下での株価上昇には違和感も、日本株に関しては、直近のプライム市場売買代金急増は海外市場の売買ボリューム変化と比較しても際立っており、海外投資家による日本株への資金シフトの強まりが意識されるところ。

■国内では東京都区部消費者物価指数などが発表予定

来週、国内では、25日に4月全国百貨店売上高、27日に4月企業向けサービス価格指数、29日に4月失業率・有効求人倍率、4月商業動態統計、4月鉱工業生産、5月東京都区部消費者物価指数などが予定されている。なお、29日には財務省が月次ベースの為替介入実施状況を報告する。

海外では、26日に米・3月住宅価格指数、3月S&Pケースシラー住宅価格指数、5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、28日に米・1-3月期GDP(改定値)、4月個人所得・個人支出・デフレーター、4月耐久財受注、4月新築住宅販売件数、新規失業保険申請件数、29日にはシカゴ購買部協会景況指数などが発表される。なお、25日はスプリング・バンクホリデーで英国市場が休場、メモリアルデーで米国市場が休場となる。《FA》

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