再上場後に加速するM&A ワールドの“アパレル再構築戦略”とは
2026年5月21日 13:36
ワールド(3612、東証プライム市場)。「総合アパレル大手。アンタイトル他ブランド多数。二次流通や販売代行も展開。2018年再上場」(会社四季報特色欄)。業績欄の見出しは【最高益】。
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再上場直後はコロナ禍に大きく揺さぶられた。2021年3月期の「23.7%減収、216億3700万円の営業損失、無配転落」でようやく脱出。翌期以降はこんな展開。「5.0%減収、21億9600万円の営業利益、27円配」-「25%増収、432.2%増益、48円配」-「2月期決算移行:売上高2023億4200万円、営業利益120億400万円、56円配」-「2256億5800万円、167億9600万円、80円配」-「25.9%増収、4.2%減益、109円配」。
今2月期は「5.6%増収(3000億円)、11.5%増益(175億円)、前期の分割を反映した67円配」計画。堅調な歩みを示している。
2018年8月22日、当時の井上秀藏会長、上山健二社長の連名で『MBO実施による非上場化から13年経ての再上場について』をリリース。内容は、こう読み取れる。
「ファッションビジネスの特性という中・・・消費者の嗜好、マーケットやチャネルの変化を見極めながら柔軟にポートフォリオを組み替えていく必要がある。プラットフォームの構築に、スパークスモデルと呼び当社は1990年代より進化させてきた。がそれぞれの業態においては業務精度にばらつきが発生するリスクもあり、資金・人材への先行投資が必要なことから短期的な業績向上を求める投資家(株主)からは理解を得られ難く・・・MBOを選択した」。
昨今のワールドの経営手法として興味深さを覚えるのは、M&A戦略だ。「再上場について」のリリースを噛み砕くと、MBOを決断した背景をクリアするためにM&Aは、練られた手法と言える。
象徴的なのは一昨年12月のライトオン(ジーンズ主力の販売・チェーン店を全国展開)へのTOB。日本政策投資銀行とのファンドで実施。翌年1月に成立。
過去1年間を振り返っただけでも「生成AIサービス展開のオープンファッションを連結子会社化」「TSIHD、傘下の婦人服縫製会社ワールドに売却」「ベビー・子ども服のナルミヤを完全子会社化」「コスメセレクトショップ:カラーフィールド運営会社を取得」etc。
本稿作成中の株価は1500円台前半。予想税引き後配当利回り3.5%弱、PER8.90倍。昨年初冬に1375円水準まで下押した後、右肩上がり2月25日に1698円まで買われ、3月23日の1410円まで押し目を入れ小戻し場面。IFIS目標平均株価1800円。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)