為替週間見通し:ドル上昇は一服か、米インフレ懸念も為替介入を警戒

2026年5月16日 14:47

*14:47JST 為替週間見通し:ドル上昇は一服か、米インフレ懸念も為替介入を警戒

【今週の概況】
■ドルは堅調推移、米国金利の先高観強まる

今週の米ドル・円は堅調推移。5月12日発表の4月米消費者物価指数と13日発表の4月米生産者物価指数は市場予想を上回っており、米国で年内の利上げ観測が高まったことがドル買い・円売りを促した。インフレ加速を警戒して米10年国債利回りは昨年5月以来の水準まで上昇。一方、日本銀行はインフレに対して後手に回るとの懸念が浮上し、6月追加利上げの可能性は高まっていないことも円売り材料となった。1ドル=160円近辺で日本政府・日本銀行による為替介入(米ドル売り・円買い)が再度実施されるとの見方は多いものの、戦争終結に向けた米国とイランの協議がすみやかに再開される見込みは薄いことも米ドル買い・円売りを促したようだ。

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は158円84銭まで上昇した。この日発表された5月NY連銀製造業景気指数や4月鉱工業生産は市場予想を上回ったほか、イラン戦争の長期化を警戒した原油高や米長期金利の上昇を受けてドル買い・円売りが優勢となった。米ドル・円は158円77銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:156円45銭-158円84銭。

【来週の見通し】
■ドル上昇は一服か、米インフレ懸念も為替介入を警戒

来週の米ドル・円は上昇一服となる可能性がある。中東情勢の不透明感を背景とした原油高と米インフレ圧力で米国金利の先高観が台頭しており、ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。中東紛争は和平に向けた交渉が進展せず、原油相場は高止まり。また、直近における米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回り、インフレ圧力の高まりが意識されている。目先は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策スタンスが注目されるが、5月20日に公表予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(4月28-29日開催分)は金利見通しについて重要な参考材料となりそうだ。

ただ、日本政府は引き続き過度の円安を懸念しており、1ドル=160円に接近する局面では為替介入が再度行われるとの見方があるため、米ドル高・円安の進行は160円手前で一服する可能性がある。ゴールデンウィーク期間中は為替介入とみられる数円単位の大きな下げが米ドル・円の取引で複数回観測されている。原油高を意識した投機的な円売りが拡大する局面では日本の為替介入が再度実施される可能性があるため、要注意と言える。

【米・5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数】(5月21日発表予定)
5月21日発表の5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は前回の26.7を下回る見通し。インフレ高進のなか、景況感の悪化が嫌気されればドル売り要因となり得る。

【米・4月製造業・サービス業PMI】(5月21日発表予定)
5月21日発表4月製造業とサービス業PMIで足元の景況感が注目される。前回は製造業が54.5、サービス業は51.0。改善傾向がみられればドル買い要因となりそうだ。

予想レンジ:157円50銭-160円00銭《FA》

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