好収益企業:アマノの原点は創業者の起業家スピリットが生み出した、国産タイムレコーダー

2025年11月26日 17:59

 アマノ(6436、東証プライム市場)。あと5年余で「100年企業」の仲間入りを果たす。会社四季報:特色欄は「就業システム老舗。運営受託含む駐車場システム世界展開。集塵機や清掃ロボも。業績下期偏重」としている。

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 1931年(昭和6年)、創業者:天野修氏により「日本初」のタイムレコーダー製造を目的に興された。天野氏は文字通りの起業家。海軍に身を置いていた折りに実感した事実が、アマノ(天野製作所)を産み出す引き金となった。

 当時のタイムレコーダーは全て輸入品。すぐに壊れてしまった。誰にもそれは認識できたはず。が天野氏は、一歩踏み込んで捉えた。「壊れないものを作れば、後々のためになるだろう」。モノはタイムレコーダー。文字通り「時は金なり」を察知した、ならではの起業家と言ったら言い過ぎか・・・。

 アマノの国産タイムレコーダーが世の評価を広範に受けたのは、戦後のこと。1950年:昭和25年5月。国鉄へ43台の納入に成功した。これを契機に次々と大型受注を成功。今日のアマノの礎を築いた。

 足元の収益動向は好調。2021年3月期こそコロナ禍に伴う経済活動の低迷を受け「14.6%減収、38.6%営業減益」に落ち込んだが、以降はこんな展開。22年3月期「4.3%増収、29.8%営業増益」-「12.1%増収、22.4%増益」-「15.1%増収、23.9%増益」-「14.8%増収、17.7%増益」。そして今3月期は「2.6%増収(1800億円)、6.3%増益(245億円)」計画。21年3月期の65円配は今期予想で180円配に居所を変えている。かつ配当性向は70%を上回っている。

 今3月期は3か年中計の最終年度となるが、今年4月の段階で上方修正。今期予想と同じ「1800億円(24年比17.8%増)、245億円(25.2%増)」。

 事業分野は「時間情報管理システム」「環境関連システム」に分けられるが、注目したいのは「海外売上高」の増加トレンド。前25年3月期でみると「アジア:24年3月期比26.3%増/北米:19.2%増/欧州:18.9%増/他(中南米):36.2%増」。

 本稿作成中の株価は4000円台入り口。予想税引き後配当利回り3.47%水準。4月の3419円から7月の4614円まで買い直され押し目・揉み合い商状。過去10年近くの修正済み株価パフォーマンスは2.5倍。IFIS目標平均株価は4700円。ご判断は読者諸氏にお任せ・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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