時流の変わり目に「M&Aと学童保育」で臨むという、グローバルキッズの施策は功を奏するか
2025年11月12日 13:39
グローバルキッズCOMPANY(6189、東証スタンダード市場、グローバルキッズ)。首都圏中心に認可保育園を展開。
【こちらも】健康経営企業認定フォロー:ウェルネスはIPO人気を振り払っただろうか
2006年、現社長:中正雄一氏により興された。
保育園事情に関しては、こんな風に論じられる。「共稼ぎ世帯の増加⇔女性就業率上昇が、保育園需要を支えている」。が一方で、こんな環境変化を示すデータも明らかになっている。「2024年4月末時点で、保育園入園希望の待機児童数は2567人。前年同月比113人減」。但し、東京都に限ってみれば「定員充足率90%超と高水準」-「75人の増加」。
国策として23年4月に「こども家庭庁」が設立され、12月には「こども未来戦略」が閣議決定された。これを機に「保育士の処遇改善」などを進める議論が活発化された。
ただ、23年の出生数72万7277人(前年比4万3482人減)に象徴される背景に見て取れるように、「保育園需要は減少」のトレンドは、今後の流れと言わざるをえない。保育園運営は「厳しい時流」と考えざるをえない。
斯界に明るい向きからは、こんな見方も聞かれる。
「定員数71人以上の(認証)保育園が1553カ所以上ある。先々の運営・経営を考慮した流れだ。結果、管理負担は増える一方で園児たちが落ち着けないというのが実態だ。また保育園の約40%が午後4時半以前に閉園という現実がある。共稼ぎ夫婦のニーズに即しているとは言い難い現状もある」。
一口で言うと前記のように保育園ビジネスは、「曲がり角を迎えている」と言わざるをえない。
しかしグローバルキッズの足元の収益動向は、順調。2020年9月期から前24年9月期は、平均「6.1%の増収、27.2%の営業増益」。今9月期は2.5%減収(258億円)も「20.3%営業増益(9億5000万円)」計画。22年9月期の初配当(25円)以降、今期予想の40円配まで増配が続いている。
中正氏は、今後をどう展望しているのか。アナリストを介して、こんな情報発信をしていることを知った。
「M&Aに積極姿勢を執る。学童保育(小学生版保育園)への注力」。
そうした方針を頷かされるリリースが、7月31日発信された。『アソシエアカデミーの子会社化終了』。アソシエアカデミーは「認可保育園、学童保育所」を展開している。
グローバルキッズの本稿作成中の株価は、730円出入り水準。予想税引き後配当利回り4.4%水準。4月安値:600円から9月の814円まで買い戻された後の押し目場面。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)