京都の藤井大丸、2030年度の再オープン目指して建て替え 2026年5月6日で一時休業へ

2025年11月11日 13:45

 京都市四条通の百貨店「藤井大丸」(下京区四条寺町)が、施設の老朽化から本館を建て替えることになった。2026年5月6日で一時休業し、2030年度の再オープンを目指す。建て替えに合わせ、周辺エリアを生かしたまちづくりに着手する方針も明らかにした。

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 建て替えは施設の老朽化が原因で、これを機に地元の人や京都を訪れる内外の観光客により良い価値や体験を提供できる店舗にし、四条通のランドマークとする。施設の規模などは明らかにしていない。

 周辺エリアを生かしたまちづくりは、地元の人と観光客がともに過ごせる四条通とするのが狙い。概要は詳細が決定次第、あらためて公表するとしている。

 藤井大丸は、明治時代初期の1870年、呉服の行商として創業し、1891年に四条大橋に近い四条河原町界隈の中京区米屋町に店舗を構えた。明治時代末の1912年には現在地に本店を移転して3階建てレンガ造りの洋館で営業し、高度経済成長期の1969年まで複数回の増築を重ねてきた。

 現在の施設は地下2階、地上8階建てで、売り場面積約1万6,000平方メートル。大丸京都店、高島屋京都店(ともに下京区)などとともに京都市を代表する繁華街・四条通のにぎわいを支えている。2025年2月期の売り上げは前期比3%増の99億円、営業利益4億3,000万円だった。

 京都市内は訪日外国人観光客の増加で嵐山(右京区、西京区)、清水寺(東山区)、伏見稲荷大社(伏見区)など有名観光地がオーバーツーリズムといえる混雑を見せている。メーンストリートの四条通はビジネス街の烏丸から繁華街の河原町、歓楽街の祇園まで足の踏み場がない状態が続くだけに、藤井大丸のまちづくりに注目が集まりそうだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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