「株価は口ほどにものを言う」とされる 右肩下がりのニトリの株価は、何を言っているのか

2025年11月11日 13:56

 ニトリホールディングス(9843、東証プライム市場)。海外に自社工場を持ち、家具・インテリアの製造小売りで全国トップ。

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 覗いて見ようと思ったキッカケは、東洋経済オンラインが11月6日付けで配信した井上沙耶記者の『<株価は1年半で半値に>王者に異変?ニトリ「商品改革」に映る危機感 低迷続く国内店舗、中国でも軌道修正・・・似鳥氏自ら開発を指揮する体制に』と題する記事だった。

 「似鳥(昭雄)会長はかねて、創業60年を迎える2032年に売上高3兆円の達成を掲げてきた。それまでに国内ニトリに次ぐ成長の柱を育て上げることができるのか。1代で国内最大手の家具チェーンに上り詰めたニトリの経営は、重大な岐路に差し掛かっている」と結んでいる。

 確かに「口ほどにものを言う」とされるニトリHDの株価は、低水準を余儀なくされている。ザックリと捉えても、およそ2年前に4800円水準だった株価は爾来右肩下がりで2400円水準。年初来の値動きを見ても、1月高値:3851円にから10月安値:2415円まで水準を下げ時価は下値ゾーンで推移。現時点でのIFIS目標平均株価は3152円と、年初来高値から2割方下値。

 11月5日に10月の既存店売上高を発表(前年同月比3.5%減)したが、4月以降の状況は平均で97.08%と落ち込んでいる。今3月期の計画は「6.4%の増収(9880億円)、15.4%の営業増益(1358億円)」と「切り返し」を予想してはいるが、第1四半期は「前年同期比0.7%減収、0.5%営業減益、2.2%最終減益」。既存店売上高の推移と併せて勘案すると「商品力の低迷(下)」の懸念が払拭できない。

 2032年の売上高3兆円のカギとされる「海外拠点数大幅増/全世界3000店」の主軸は、海外店舗網の拡充。詳細は省くが出店は東南アジア圏中心にスピードを上げている。が、収益店舗整備には未だ時間・コストがかかる。今期4-6月で見ると「海外店舗199店」も「出店7対退店21/14店舗減」。未だ「進捗を見守らざるをえない」が現状。

 株価低迷の最中の1対5の株式分割に関してもアナリスト達の評価も「?」が目立つ。「2014年2月以来11年半ぶりの分割。意図するところは、個人投資家の呼び込みだろうがそれでも株数ベースの個人投資家比率はイオン(32%)などと比べても低い。買いやすい値ごろ感だけで個人投資家が向かってくるとは考えづらい」といった具合だ。

 まずは今期予想の進捗具合如何というところだが、井上記者とは仲間内の会社四季報は【連続増配】の見出しで「営業益堅調」としているが・・・さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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