AI相場の牽引役:アドバンテストは史上最高値更新街道を走っているが、さて

2025年11月8日 18:51

 アドバンテスト(6857、東証プライム市場)。半導体検査装置の世界的メーカー。半導体デバイス(集積回路)の良品・不良品を識別する装置(テスタ)で輝いている。

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 日経平均株価が初の5万円台となった10月29日(1088円高、5万1307円)の相場をリードしたのが、アドバンテストだった。前日のNY株式・ナスダック株式が急伸。上昇の主軸は、AI関連株。米国株式の上昇したのを受け日本市場でもAI相場が実現、初の5万円相場が発現した。

 そんな歴史的な相場で日経平均急伸の寄与度NO1が、4000円高(22.08%上昇)2万2120円のストップ高で引け史上最高値更新のアドバンテスト。日経平均上昇(1088円高)に対する寄与額は1077円。引き合いに出して恐縮だが、ソフトバンクグループの寄与額:207円に大きく水をあけた。

 久方ぶりに、アドバンテストの収益動向をチェックした。前2025年3月期までの5期間は「13.4%増収、20.5%営業増益」-「33.3%増収、62.2%増益」-「34.4%増収、46.2%増益」-「13.2%減収、51.3%減益」-「60.3%増収、179.5%増益」。今26年3月期は「90.1%増収(2637億7600万円)、31.5%増益(3000億円)」計画。開示済みの第2四半期(10月28日発表)は「前年同期比60.0%増収(5267億3300万円)、145.0%増益(2324億3500万円)」、通期上方修正の期待大。

 減収減益となった24年3月期も決算資料は、「長期的な成長は揺るぎない。短期的にはインフレ・金利上昇に伴う世界的な景気後退で後退リスク。在庫調整/生産調整も」と的確に分析している。

 至27年3月期の中計(10月28日上方修正)は「売上高:8350億円~9300億円、営業利益率:33%~36%」と、慎重姿勢ながら「順調な足取り」を示している。

 さて、そんなアドバンテストとどう対峙するか。本稿作成中の株価は日経平均5万2000円台乗せという流れの中で、2万3675円まで買い進まれた後の初押し場面:2万1780円水準。相場の地合いが持続する限り、上値追い(史上最高値更新)が続こう。利食い売りが出ても当然?・・・。

 ただAI時代が進捗する限りは、投資対象の中軸となることは必定。2016年初値以降の修正済み株価パフォーマンスは94倍余。IFIS目標平均株価1万5018円。読者諸氏の判断は如何に・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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