京成立石駅北口の再開発、東西の両街区整備工事に着手 2029年度に完成予定

2025年11月4日 13:40

 京成電鉄押上線の京成立石駅北口で計画されている第一種市街地再開発事業で、地元の再開発組合は東西の両街区(東京都葛飾区立石)整備工事に着手した。老朽化した木造建築物が密集していた駅前商業地を葛飾区役所、商業施設、タワマンなどで構成する広域拠点とする計画で、2029年度の完成を目指す。

【こちらも】青山の複合施設「表参道Grid Tower」、2026年2月開業へ ソーホー・ハウスなど

 着工に先立ち、現地で再開発組合の組合員や施工業者らを集めて地鎮祭があり、関係者が玉ぐしをささげて工事の安全を祈った。

 再開発区域は、京成立石駅北側の約2.2ヘクタール。広さ約3,400平方メートルの交通広場をはさんで東と西の両街区が整備される。東街区には葛飾区役所など公共施設と店舗が入る地下3階、地上14階建て延べ約4万1,000平方メートルの業務棟、西街区には710戸の住宅と商業施設が入居する地下2階、地上36階建て延べ約8万2,000平方メートルの住宅棟が建てられる。

 現地は古くから駅前商店街が整備され、近隣住民の暮らしを支えてきたが、老朽化した木造建築物が密集するうえ、道路が狭くて緊急車両のスムーズな通行ができないなど、防災面や居住環境面の課題が出ていた。

 地権者らは1996年度、再開発研究会をスタートさせてまちづくりの方向性について議論を開始。2007年度に再開発準備組合、2021年度に再開発組合を設立した。再開発組合には、東京建物、旭化成ホームズ、首都圏不燃建築公社が組合員として参画している。

 この間、現地は葛飾区から都市計画マスタープランの広域拠点に位置づけられ、区庁舎の移転先に決まったほか、再開発に向けて都市計画決定や権利変換計画の認可が進められてきた。東京都は京成立石駅周辺で11カ所の踏切を除去する押上線の高架化事業を進めている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事