麻布台ヒルズ、計画着手から35年以上かけてようやく完成 タワマン建設に遅れ

2025年10月30日 12:58

 大手ディベロッパーの森ビルが主導して開発を進めてきた麻布台ヒルズ(東京都港区麻布台)で、建設工事が遅れていた高層住宅棟「レジデンスB」が完成し、街づくり協議会の設立から35年以上かけて約8.1ヘクタールの新街区整備を終えた。大阪市阿倍野区のあべのハルカス(高さ300メートル)を抜き、日本一高いビルとなった森JPタワー(高さ325メートル)など、東京都心に立体緑面都市が出現した。

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 高級マンションが入るレジデンスBは、高さ270メートルの地下5階、地上64階建て延べ約18万5,000平方メートル。賃貸や分譲マンションだけでなく、オフィスや外国人の需要が大きい短期賃貸サービスアパートメントが入る。マンションは総戸数970で、広さが約30~約400平方メートル。300人近い地権者も入居する。

 当初は2023年の完成を目指していたが、コロナ禍による計画見直しや地下鉄に隣接して難工事になったことなどから、遅れが出たという。

 再開発エリアを東西に走る地下通路も完成した。これにより、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から日比谷線の神谷町駅まで地下を通って歩けるようになり、東西の歩行者ネットワークにあった地域の弱点が解消された。

 麻布台ヒルズは総延べ床面積約86万平方メートル、オフィス面積約21万平方メートル、住宅戸数約1,400戸、商業施設面積約2万3,000平方メートル、緑化面積約2万4,000平方メートルの巨大再開発。

 1989年に街づくり協議会が発足して再開発に向けた検討を始めた。約6,000平方メートルの中央広場を中心に、森JPタワー、高層住宅棟のレジデンスA、B棟、緑に囲まれた低層の商業施設などを整備する計画。2019年に着工し、2023年から順次開業している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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