9月の百貨店とSC売上、前年上回る タイガース優勝で大阪が好調

2025年10月26日 20:48

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が9月度の売上高を発表。残暑の影響で秋物衣料の出足が鈍ったものの、飲食やイベント関連の売上が伸びたことで、どちらも前年同月を上回ったことが分かった。

【前月は】8月の百貨店とSC売上、ともに前年上回る 猛暑で夏物好調

■百貨店売上高は2カ月連続で前年同月上回る

 24日、日本百貨店協会が9月度の全国百貨店売上高概況を発表。売上高は前年同月比(店舗数調整後)1.4%増の4,288億367万5,000円となり、2カ月連続で前年同月を上回った。

 残暑が長引いたことで秋冬物ファッション関連の動きが鈍かったものの、インバウンド売上が回復したのに加えて、催事がイベント関連の売上が好調だった。また大阪近辺では万博関連とプロ野球チームの優勝セールが活況だった。

■タイガースの優勝セールで大阪が好調

 大都市は、10都市中5都市で前年同月を上回っている。特にタイガース優勝セールがあった大阪(前年同月比:9.1%増、以下同じ)が好調だった。反対に福岡(4.2%減)はマイナス幅が大きめだった。

 都市以外の地区は全て前年同月を下回っている。特にマイナス幅が大きかったのは、東北(8.4%減)、四国(8.2%減)、九州(7.8%減)。

 商品別売上高では、前年同月比のプラス幅が大きめだったのは美術・宝飾・貴金属(11.6%増)、その他雑貨(14.7%増)、家電(8.9%増)など。反対にマイナス幅が大きめだったのは子供服・洋品(5.6%減)、その他家庭用品(6.0%減)、商品券(9.6%減)など。

■ショッピングセンターは43カ月連続で前年同月上回る

 同日、日本ショッピングセンター協会が9月度SC販売統査報告を発表。売上高は前年同月比1.4%増の6,372億3,317万6,000円となり、43カ月連続で前年同月を上回った。

 百貨店と同様に残暑の影響で秋物衣料が苦戦。一方、雑貨や飲食が堅調だったほか、引き続きシネマが好調で全体への良い影響がみられた。

■名古屋、大阪、北九州が好調

 売上のうち、テナントは前年同月比1.4%増の4,910億8,865万円で、全体同様に43カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同1.3%増の1,461億4,452万円となり、4カ月連続で前年同月を上回っている。

 大都市は14カ所中10カ所で前年同月を上回った。その中では東京区部(前年同月比:3.3%増、以下同じ)、名古屋市(5.1%増)、大阪市(6.3%増)、北九州市(5.4%増)、福岡市(3.7%増)でプラス幅が大きめ。反対に仙台市(3.1%減)、広島市(4.0%減)でマイナス幅が大きめだった。

 その他の地域は9地域中6地域で前年同月を上回った。その中では近畿(2.3%増)がプラス幅が大きめ。反対に北海道(3.4%減)、中国(2.9%減)でマイナス幅が大きめだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連記事

最新記事