良品計画、株価上昇の要因は?
2025年10月16日 09:06
●良品計画の株価が逆行高
雑貨店「無印良品」を展開する良品計画の株価が、10月14日の株式市場で一時13%高の逆行高となり、好感されている。
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前週10日のNYダウは、中国によるレアアース輸出規制にトランプ米大領が反発し、対中関税の大幅引き上げを警告したこともあり、前日比878ドル安(13日は反発し587ドル高)だった。
14の日経平均は、国内では公明党が自民党との連立を離脱したこともあり、前週末比1,241円安と大幅下落していた中、良品計画の好調ぶりが際立った。
日経平均の構成銘柄である良品計画の逆行高が無ければ、下落はさらに酷いものになっていたかもしれない。
良品計画の決算・株価の快進撃は続くのか?
●良品計画の歴史
良品計画は、1980年に、西友のプライベートブランド40品目が無印良品として誕生したことが始まり。西武百貨店・阪神百貨店・ファミリーマートなどで販売していた。1983年に青山に直営店をオープンし、1989年に良品計画を設立した。
ブランドだけで価格が上昇する時代が終わり、「ノーブランドで安く」の方が喜ばれると、当時のセゾングループ代表・堤清二氏の考えで、「ノーブランドというブランド」を打ち出した。
2000年代に入り、ユニクロやディスカウントストアの台頭などで不振に陥ったが、2001年に社長に就任した松井忠三氏の改革で無駄をカット、シンプルで機能性重視な商品開発にシフトした。
MUJIブランドは海外でも定評があり、32カ国で展開。既存店売上高の約40%は海外(2023年8月)となり、特に中国のMUJI店舗は、世界店舗の半数以上を占める。
●なぜ強いのか?
2025年8月期の連結決算は、大幅な増収増益となった。
新規出店の店舗数に伴う増収だけでなく、ECを含む既存店売上高も好調だった。従来の衣服・雑貨・食品も2ケタの伸びだったが、それ以上にヘルス&ビューティーの売上高1000億円突破のインパクトが強かった。
東南アジアも好調で、前期まで不振だった中国大陸も出店・改装の再編が奏功し、売り上げが持ち直している。
2028年8月までの計画では、パリ・バンコク・ホーチミンの3都市に旗艦店を出店し、営業収益(売上高)1兆円超えを目指すことも投資家から好感されている。
PER30倍超、PBR5倍超で期待が先行している感は否めない。トランプ関税の影響や中国の景気減速などで影響を受けかねず、調整売りにも気を付けたい。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)