京都の高島屋洛西店、2026年8月で閉店へ 洛西ニュータウンの人口減など影響か
2025年10月15日 09:06
高島屋は14日、取締役会を開き、京都市の洛西ニュータウンで営業している洛西店(西京区大原野)を、2026年8月3日で営業終了することを決めた。洛西店は2025年2月期で営業赤字となり、2026年2月期以降も黒字化のめどが立たない状態。洛西ニュータウンの人口減少や高齢化が影響を与えたとみられる。
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洛西店は、1982年に洛西ニュータウン中心部のタウンセンターで開店した。施設は3階建てで、売り場面積約8,000平方メートル。1階は食料品と化粧品、婦人雑貨売り場、2階は紳士・婦人・子ども服売り場など、3階は家庭用品、寝具売り場などが入っている。タウンセンターにあるショッピングセンター「ラクセーヌ」の核店舗と位置づけられてきた。
開業当時から洛西ニュータウン住民の暮らしを支えてきたが、京都市が計画していた市営地下鉄東西線延伸が実現しない中、住民の減少や高齢化による購買力低下に直面していた。2025年2月期の売上高は47億5,700万円。高島屋京都店(下京区)との連携による営業力強化や組織改編による業務効率化に努めたが、営業赤字に陥った。
施設自体が老朽化し、快適な買い物環境を提供するには多額の設備投資が必要だが、投資回収のめどが立たないと判断された。跡地はシニア向け分譲マンション業者に売却する予定で、マンションと商業施設用地として活用される見込みという。高島屋はラクセーヌにサテライト店の出店を計画している。
洛西ニュータウンは、西京区大原野地区の丘陵地約260ヘクタールに京都市が開発したニュータウン。1976年から入居が始まり、ピーク時の1990年には人口約3万6,000人に達したが、以後減少に転じ、2020年国勢調査で約2万2,000人に落ち込んだ。
完成直後に入居した団塊の世代が多く、高齢化も深刻さを増している。2023年には近くにあった京都市立芸術大が京都駅近くの崇仁地区(下京区)に移転している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)